イギリスの大学院はどうやって出願するの?
「イギリスの大学院の出願ってどうすればいいの?」
近年、1年間で修了できる実用的なカリキュラムや、卒業後のビザ制度の魅力から、イギリスの大学院に進学する留学生が増えています。
でも、情報が英語ばかりだったり、出願条件が大学によって異なったりと、初めての方にとっては少しハードルが高く感じられるかもしれません。
私は2021年(コロナ禍真っ只中)でイギリスの大学院へ留学しました。初めての海外長期滞在、初めての大学院留学準備、しかもコロナ禍というイレギュラーな状況だったので非常に戸惑いました。
今後、イギリス大学院留学の体験談についていくつかの記事に分けてお話ししようと思いますが、本記事では、イギリス大学院の出願に必要な書類・流れについて、まずはざっくりと全体像を書いてみます。
もし、「イギリス大学院ってそもそもどうやったら受かるんだー」という方がいらしたら参考にしてみてください。
イギリス大学院の特徴とメリット
メリット
修士課程は1年で修了(フルタイムの場合)
→ 時間的・経済的な負担が軽く、キャリアブランクも最小限に。教育水準が高く、専門性が強い
→ Masterコースが充実。出願ハードルは意外と高くない
→ IELTSは6.5〜7.0が一般的。卒業後は2年間の就労ビザ(Graduate Route)を取得可能
→ 現地就職やキャリア探索の時間が確保できます。
デメリット
学費は留学生料金で高め
→ 年間200〜350万円+生活費がかかることも。奨学金や貯金計画が必須です。近年は円安で余計高いです。留学生の国籍バランスにばらつきあり
→ 一部の専攻では、特定の国(中国人留学生がとても多いです)からの学生が大半を占めることもあるため、事前の情報収集が重要です。
出願に必要な書類一覧
CV(履歴書)- 大学により提出が求められることがあります。英語形式で簡潔にまとめましょう。
Personal Statement(志望動機書)- 自分の志望動機やこれまでの経歴等を書きます。
推薦状(1〜3通)- 教授や上司に英語で依頼。大学側が推薦者に直接連絡する場合もあるようです。
IELTSスコア(6.5〜7.0)- 英語力証明。条件付き合格(コンディショナルオファー)後に提出も可能です。
成績証明書・卒業証明書(英語)- 原本または公式翻訳が必要です。事前に準備しておくとスムーズ。
パスポートのコピー -身分証明としての提出が求められます。
出願の実例紹介(筆者の場合)
まず出願したい大学の募集要項を確認しましょう!
筆者は、デジタルメディア研究の修士課程を修了しました。
例として、このコースの募集要項と必要書類を確認してみます。
例:Uni of Leeds | Digital Media MA
募集要項:
A bachelor degree with a 2:1 (Hons) in one of the following: a (theory focused) media-related course, communication studies, literature, politics, psychology, sociology, cultural studies, and digital media courses (with a focus on theory) such as network and new media, digital humanities, digital media art, visual communication design, editing/publishing for new media.
イギリスの大学院(Master course)では、基本的に学部(Bachelor)で専攻していた分野と関連するコースへの出願が求められます。
これは、大学院での学びが前提知識の上に成り立つためですが、実際には比較的柔軟に判断されるケースが多いです。
例えば、筆者は学部で情報学を専攻していましたが、メディアやコミュニケーション分野の修士課程への出願でも問題なく受け入れられました。
実務経験や研究テーマ、志望動機との整合性が取れていれば、専攻が完全に一致していなくても受け入れてもらえる場合があります。
他にもコミュニケーション学、文学、政治学、心理学、社会学でも大丈夫みたいです。
英語力の条件:
English language requirements
IELTS 6.5 overall, with no less than 6.0 in any component. For other English qualifications, read English language equivalent qualifications.
次に英語力です。
「英語相当頑張らないと受からないよ〜」と思われるかもしれませんが、意外とそこまでハードルは高くないです。
IELTSのスコアは、6.5(TOEIC換算で約800〜870点)あれば出願可能な大学が多いです。
ただし注意したいのは、「Overall(総合スコア)で6.5を満たしていても、各セクション(Speaking, Listening, Reading, Writing)で6.0未満のスコアがあってはならない」という条件が多くの大学で課されていることです。
この「全セクション6.0以上」という基準は見落とされがちですが、実際にはライティングやスピーキングで引っかかる方も多いため、特に対策が必要です。
「出願まで時間がなくてIELTSのスコア取るのきついよー」と思われるかもしれませんが、実はスコアが無くても出願は可能です。
そして驚くことに、英語スコアが未提出の状態でも合格通知(オファー)をもらえます。
このとき大学から提示されるのが、「コンディショナルオファー(Conditional Offer)」です。
これは、
「入学までに指定の英語スコアを取得できれば、正式に入学を認めます」
という条件付きの合格通知」です
たとえば、入学の3ヶ月〜半年前までにIELTS Overall 6.5、各セクション6.0以上を提出すればOK、というように期限が指定されるのが一般的です。
一方、出願時点で英語スコアなどすべての条件を満たしている場合には、「アンコンディショナルオファー(Unconditional Offer)」と呼ばれる、条件なしの合格通知が出されます。
コンディショナルオファーをもらったものの、
「期日までにIELTSスコア(例:6.5、各セクション6.0以上)を取れなかった…」というケースもあると思います。
そんなときでも、実は“最後の手”が残されています。
Pre-sessional Course(プレセッショナルコース)です。
Pre-sessional Courseとは?
これは、大学が提供する留学生向けの英語準備コースです。
通常は6〜12週間の集中講座で、アカデミックライティングやリスニング、プレゼンテーションなど、大学での授業についていくための英語力を身につける内容になっています。
そして多くの大学では、このPre-sessional Courseを一定の成績で修了すれば、IELTSの代わりに英語力要件を満たしたものとみなされます。
正直なところ、この制度はとてもありがたい反面、誰にでもおすすめできるものではありません。
追加で数十万円の費用がかかる
渡航時期が早まる(夏前にイギリス入りが必要)
など、時間的・金銭的・精神的負担が増える点に注意が必要です。
「万が一、スコアが取れなかった場合のセーフティネット」としては頼もしい存在ですが、できれば正規のIELTSスコアでクリアする方が安心です。
(入学するのがゴールではなく、その後授業についていかなければいけませんからね…)
提出書類:
最後にこのコースのapplyに必要な書類は以下のとおりです。
・卒業証明書および成績証明書(まだ在学中の場合は、現時点での成績証明書でも可)
・最新の履歴書(CV)
・英語力を証明する書類(英語が母語でない場合)
英語版の卒業証明書と成績証明書が必要になります。
(在学中の方は、現時点での成績証明書でも出願可能な場合があります)
CV(履歴書)は、特にフォーマットの指定がなければ、Wordなどで作成したシンプルなもので問題ないはずです。
学生の方であれば、これまで大学で学んできた内容や取得した資格、参加したインターンシップなどを。
社会人の方であれば、これまでの職歴や業務内容を中心にまとめるといいと思います。英語力を証明する書類として提出が求められるのが、IELTSのスコア証明書です。
あれ?Personal Statementや推薦書はいらないの?
「出願書類といえばPersonal Statement(志望動機書)や推薦書が必要なのでは?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
実は私が申し込んだコースでは、Personal Statementは必須書類に含まれていませんでした。
「必要であれば後から提出を依頼する場合があります」と書かれていたものの、最終的には提出せずに合格をいただきました。
また、推薦書も不要でした。
大学院出願=推薦書が必須、と思われがちですが、大学やコースによっては提出が求められないこともあります。
もちろん、Personal Statementや推薦書が必須のコースも多くありますので、出願前に各大学の公式サイトで確認することが大切です。
「イギリスの大学院出願」と一括りにしても、実際の要件にはかなり幅があります。
以上が、イギリスの大学院出願に必要な書類についてのざっくりとしたご紹介でした。
いかがでしたか?
意外と、コースによってはそこまでハードルが高くないですよね。
イギリスの大学院は、特に学費を多く支払ってくれる留学生に対して門戸が広く開かれている一方で、入学後の1年間は本当にあっという間です。
だからこそ、「何のために留学するのか」「どう過ごすのか」を明確にしておかないと、有意義な時間にはならないかもしれません(私自身、反省点はたくさんあります……できることならもう一度留学し直したいくらいです)。
今後も、イギリス大学院に関する情報を少しずつ発信していこうと思っています。
留学を考えている方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです!
では!
