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原稿を出したあとに、少しだけ見えてきたこと。

先日、書籍の原稿をひとまず提出した。

まだ、これで終わりではない。
これから、編集や確認の過程がある。

だから、書き終えた、という感覚とは少し違う。

大きな達成感というより、
今は、静かな感覚が残っている。

いったん手から離れたことで、
自分がずっと見てきたものの輪郭が、
少しだけ見えてきた気がする。

今回の本で書いていたのは、

うまくいっているのに、
どこか晴れない。

そんな経営者の状態です。

売上はある。
お客様もいる。
事業も動いている。
大きく崩れているわけではない。

それでも、

次に何を見て選べばいいのか。
何をもって順調と言えるのか。
この先、何を残していきたいのか。

そのあたりだけが、
少し見えにくくなることがあります。

僕は、その状態を「霧」と呼んでいます。

今回書いたのは、
その「霧」についての本です。

ただ、原稿を書いてみて気づいた。

「霧」は、最初からきれいな概念として
あったわけではなかった。

いろいろな経営者の話を聞いてきた。

事業の立ち上げから、
全体の見直し、次の一手まで、
一緒に考えてきた。

業種も、規模も、状況も違う。

それでも、
言葉になる前の違和感に、
何度も触れてきた。

その積み重ねを本にしようと、
言葉を置いていく中で、
ようやく「霧」という言葉が出てきた。

そんな順番だったのかもしれない。

少し前に、
「型を決めずに見てきた、ということ。」をnoteに書いた。

あれも、今になって思えば、
この本と地続きの話だったのだと思う。

最初から型に押し込まず、
その事業に合わせて、
いくつもの角度から見てみる。

それは、方法というより、
僕にとっては、
事業と向き合うときの自然な姿勢だった。

本の原稿を書きながら、
何度も、その姿勢に戻っていた気がする。

霧の中にいる人へ、
新しい答えを渡したかったわけではない。

これから何を選ぶかという答えは、
外から渡せるものではないと思うから。

むしろ、
答えを増やす前に、

今、何の輪郭が
まだはっきりしていないのか。

そこをいったん確かめるための手がかりを、
渡したかった。

事業が前に進んできたからこそ、
見えにくくなるものがある。

そんな霧は、
次のフェーズへ向かう途中に現れる
景色なのかもしれない。

原稿を出してみて、
これまでここに書いてきたことも、
この本へとつながる一本の線だったのだと、
あらためて見えてきた。



戦略・実践メディア「しくみドコロ」運営

ブランディングディレクター|事業構造パートナー
松本カヅキ


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