「まずは名前を知ってもらわないと」そう考えたときのこと。
こんにちは。
ブランディングディレクターの松本カヅキです。
「まずは名前を知ってもらわないとですよね。」
ブランディングの相談をしていると、
わりと早い段階で、この言葉を耳にすることがあります。
たしかに、
名前そのものが強烈で、
「なにそれ?」「どういうこと?」と
問いを生む場合もあります。
あるいは、
「わかる」「それ、自分のことだ」と
一瞬で共感が生まれる名前もあります。
そうしたケースでは、
名前が入口になる設計が、
最初から成立していると言えるのかもしれません。
ただ、現場で多く見かけるのは、
そこまでの入口力を持っているわけではない名前を、
「いい名前だから」
「自分たちは気に入っているから」
という理由で、先に広めようとしてしまう場面です。
そこには、焦りもあると思います。
施策は打っている。
動き始めてはいる。
それでも、どこか手応えがない。
その違和感を、
「ブランディングが足りないのかもしれない」
と考え始めたとき、
名前を前に出す、という判断に寄りやすくなります。
ただ、その瞬間に、
話の主語が少しずつズレていくことがあります。
相手にとってどうか、より先に、
「自分たちは何者か」を
説明し始めてしまうからです。
本来、ブランドは
名前を知っているから選ばれるものではないと
僕は考えています。
「これ、いいな」
「自分にとって、これはこういう存在だな」
そんな理解や納得が積み重なったあとで、
はじめて名前が必要になる。
名前は、
価値を広めるための出発点というより、
価値が伝わった結果、
指し示すために残るラベルに近いものです。
そこを飛ばして、
名前だけを先に動かそうとすると、
どうしても体力勝負になりやすくなります。
問題は、
名前を出すか、出さないか、ではありません。
名前を入口に置く構造なのか。
それとも、意味が伝わったあとに
自然と残っていく位置づけなのか。
最近、この問いに立ち返ることが増えています。
しくみブランディング®|松本カヅキ
― ブランディングは、整理で仕組みになる。 ―
