無力の証明でしたよ、信じるって、役に立たないことだったです
飲み込んだのは、心配ではなかった。
ワタシの常識では翻訳できない。
ワタシの経験値では測れない。
それでも、
目の前にいるこの新しい生き物を
肯定できるかどうか。
震える息を、一度だけ吐いた。
ワタシは、
翻訳者の看板を下ろした。
そっか。
ワタシの口から出たのは、
たった三文字。
でもそれは、
ワタシが初めて選んだ態度だった。
分からないまま、信じる。
役に立たなくても、そばにいる。
分かった。見てるね
そう言ったとき、
娘はふっと笑った。
その笑顔は、
ワタシが今まで守ってきた
どんな許可証よりも、
ずっと眩しく見えた。
