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お心遣い


夜更けの風が
静けさと共に
夜の匂いを
深く 濃く
わたしの胸に
満たしてく

細く 尖った月が
細い光を 投げかける

眼下のすべてが
静かな 寝息をたてる中
 
その寝顔を 知るのは
わたしと この尖った月

いつまでも
昨日の縁にぶら下がり
手を離せずに 苦しむ人も

昨日の すべてを
塗り潰せてしまえるほどの
深い眠りに落ちた人…

音もない
ゆるい夜風に 深呼吸
も一度
夜の匂いを
胸いっぱいに 吸い込んだ

細い光りの
スポットライトに
照らされて

わたしは 何を
主張しょうか…

この仄かに 明るい宵闇に
昨日 わたしに起きたこと
何をぶちまけ
何と叫ぼう

忘れてしまえるものならば
どんな大きな声だって
出せそうな 気がしてる

だけど
もう一度
紺色透明 深く濃い
夜の匂いを 吸い込んで
わたしは 空を仰ぎ見る

細く 尖った月が
わたしの心を 察したように

月の雫を 一粒
わたしの心に 落としてくれた

光りの波紋が 広がって
わたしの主張も 切れ切れに
小さくなって 消えてゆく…

不思議な夜の
細く尖った月が
わたしに くれた
やさしく 温かな
お心遣い

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