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私的映画録…「亡国のイージス」2005年 [映画感想文]

あちこちでいろいろな文章を書いたり、本を出したり、セミナーで話したり、Web関連を中心としたPRのディレクションをしたり、音楽作品を出したり、アーティスト紹介サイトの運営をしたり、うさぎの動画を作ったり…なんてことをしているけれど、そのどこでも書けていない、これまでに観た映画等の感想でも書いておこうかと書き始めた第380弾。

今回は、高いリアリティを感じる緊迫感と敵側の悲哀も感じる作品「亡国のイージス」のお話。

先に書いておくと、原則としてネタバレとかまったく気にせず書いているので、まだ観てない方やネタバレが気になる方はお読みにならない方がいいかもと思います。

ちなみに先に言い訳しておくと、この感想もだいぶ前に書いているものをちょっとなおして載せているので、まさに今の情報とは違っていることもあるかもしれませんので、そういった点もお許しください(毎回冒頭から言い訳が多い)。


公開:2005年7月30日
監督:阪本順治
脚本:長谷川康夫、飯田健三郎
原作:福井晴敏
製作:坂上直行、久松猛朗、千野毅彦、住田良能
製作総指揮:小滝祥平、遠谷信幸
出演者:真田広之、中井貴一、寺尾聰、勝地涼、原田芳雄、佐藤浩市、吉田栄作、谷原章介、チェ・ミンソ、安藤政信、豊原功補、岸部一徳、原田美枝子、等
製作:『亡国のイージス』アソシエーツ
配給:日本ヘラルド映画=松竹

現代の自衛隊を題材とした作品って、時々どうしようもなく嘘くさくなるものもあるように感じるんだけれど、この作品には、そうした虚構もありつつしかしとても高い緊迫感が描かれていて、最後までしっかりとハラハラできたいい作品。

そして敵側に単なる悪ではなくとても切なさを感じてしまう点もいい。
国というものに対して感じる理不尽。
防衛というものに対して感じる矛盾。
息子を失った悲しみ。
貧しさへの怒り…のようなもの。
そうした敵側のそれぞれが持っている様々な感情というか動機に、ある程度以上に共感してしまう自分の感情を禁じ得なかった。

そして、主人公・仙石(演・真田広之さん)の立ち位置が先任伍長だってのもいい。
実際のところ護衛艦って、いわゆる将校クラスの人間だけで動かすことは難しいと聞いたことがあるし、そんな中で、艦の現場レベルのことをほぼすべて掌握する立場にある先任伍長が主人公であることに、この主人公の活躍が可能になる背景にリアリティを感じたりする。
また、第一分隊砲雷科一等海士であって実は…な如月(演・勝地涼さん)との関係性も、先任伍長が主人公であるから成り立つと思うし、そんなところもよく考えられていると感じた。

もちろんそれ以外の役者さんもいい。
寺尾聰さんが演じている副長も渋くていいし(ちょっと年齢が?…とは思ったけどw)、原田芳雄さんが演じている首相や岸部一徳さんが演じている内閣情報官もいい…こういう政治家、本当にいそうと思うものね。
まぁこの辺はシナリオもいいんだろうなぁ。
「今日のうちに選挙区に帰る。」
とかをさらっと言っていたりね。

そしてなんと言っても、敵の親玉・ホ・ヨンファを演じた中井貴一さんが本当に怖かった。
まだ生きてるのか!的に、ちょっとゾンビ的な怖ささえ感じたものなぁw
あ、でも北朝鮮の人には見えないけどねw…だから最初この「ホ・ヨンファ」ってどういう人なんだっけ?…なんて思ったりもしたっけw
そうそう、中井貴一さんが「空母いぶき」で冴えないコンビニ店長として登場した時、思わずこちらの作品を思い出したもんなぁ…だから最初出てきた時、このコンビニ店長がなにか鍵を握ってたりするのか?…なんて思ったりもしたんだけど、結局最後まで状況を知らない市井の人だったんで思わず「引っかけかい!」って突っ込んじゃったものなぁ…そんな他の作品の影響もあるくらい印象的だったってことかもw

そしてそのホ・ヨンファの部下を演じた安藤政信さんはもうさすが以外の言葉はないし(もっと観たかったけど;;;)、女性の部下(演・チェ・ミンソさん)はちょっとリアリティから外れるけど、しかしその表情や佇まいに切なさを強く感じさせられて、敵側に感情移入するポイントの一つになっていると感じる。
このチェ・ミンソさんっていう女優さん、知らなかったなぁ…調べてみても、彼女が出演したとリストされている作品はどれも観たことがなかった。
この作品に出演後、韓国では批判されちゃったのかぁ…まぁありそうとは思うけど…批判しなくてもいいじゃんね。
てか今ってもう、小国同士でちゃんと手を組まないとヤバい時代が来てると思うんだけどなぁ…。
なので、いがみ合うのはやめませんか?…とずっとあちこちに書いてきてるけど…まぁ無理なんですかねぇ…。

そして最後は手旗信号でギリ回避ってのもよかったなぁ。
主人公が傷ついてもうほぼ動けないとか、艦の機能もほぼダメになっているとか、しかし東京に強烈な危険因子になるとか、その辺の最終的なハラハラの作り方もよかった。

そういえばF-15Jのパイロットとして出ていた真木蔵人さんも、いかにもパイロットっぽくてよかったなぁ。
しかし、こういう作品って時々、「DAIS」とか「別班(「VIVANT」ですね)」とか、防衛に関する秘密組織の存在が出てくることがあるけど、そんなの日本に本当にあるのかねぇ…あったら頼もしいけど…あ、今の腐った政治家どもにとっては、裏で自分の私服を肥やすための材料にされるだけかもしれないけど;;;

そうそうこれも書いておきたいな。
夜の海で仙石が絵を描いているシーンがよかったなぁと。
「あの海の色がどうしても出ない」と言う仙石に「朱色を足すと出る」と教える如月。
その前のケンカの仲裁をしたシーンから続いて、この二人の関係性が変化していくのを感じる細かい描写だなぁと。
そして実際、海の色って難しいんだよなぁと自分でも思ったことあったなぁと思い出したりもした。

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