マリア様✨
ある晴れた冬の日の午後。
その日は仕事が休みだったので、私はいつも買い物に行く近所のスーパーではなく、少し遠いショッピングセンターへ自転車で向かった。
しばらく自転車を漕いでいると、いつも通る道が工事中で通行止めになっていたので、仕方なく回り道をすることにして、あまり見慣れない路地に入り込んだ。
人通りが殆どない静かな道をゆっくり進んで行くと、石段になっている所に1人のおばあちゃんが腰掛けていた。
休憩してるのかな?と思いつつ、おばあちゃんの前を通り過ぎようとした時、おばあちゃんは何か言いたそうな顔をして私の方をずっと見てきた。
私は何となく気になったので、自転車を降りておばあちゃんの側まで行くと
『立てなくなってしもうてん。杖があるから、立てたら歩けるんやけど…』
そう言われてすぐに状況が理解できた。
一旦座りこんだら、足腰に力が入らなくて立ち上がれなくなってしまったようだった。
その日は天気も良くて寒さもマシだったけど、外に長時間いるとおばあちゃんの体が冷えて余計に動けなくなってしまうと思った。
私は『一緒に立てますか?』と確認して、おばあちゃんを抱っこするように『よいしょ』と抱えてあげると、おばあちゃんは私につかまりながらゆっくりとバランスをとって立ち上がった。
そして杖を持って『ありがとうありがとう』と何度もお礼を言ってくれた。
私が『家まで一緒に行きますよ』と言うと、おばあちゃんは『家はすぐ近くやから帰れる帰れる』
そう言うと急に私の顔をじっと覗き込んできた。
そして私の顔を数秒見つめて、
『あんた、マリア様みたいやなあ。綺麗な顔してはるわ。』
いきなりそんな予想外のことを言われたので、私は一瞬ビックリして戸惑いながらも嬉しさと恥ずかしさでいっぱいになった。
マリア様??私が??😂
そしてその後もおばあちゃんは私に何度も何度もお礼を言い残して、ゆっくりと杖をついて歩いて帰っていった。
あの日、いつものスーパーに行っていたら…
あの道が通行止めになっていなかったら…
私とおばあちゃんが出会うことはなかった。
買い物をしてる間もずっとそんな事を考えていると、私にとってあのおばあちゃんとの出会いは、神様が用意してくれた出来事のような気がしてならなかった。
人から感謝される事がこんなにも嬉しいと思える出来事を体験をさせてもらえたのだから。
そして私の心もほっこりと温かく、ありがとうの気持ちでいっぱいになった。
あのおばあちゃん元気にしてるかな。。。
私はあの日の出来事を今でもふと思い出す度に、心がほっこりと温かくなる😌
