見出し画像

英語・会計・ITの3種の神器に変わるAIを身につけるためのAIソロプレナー実践

かつて、英語・会計・ITの3つは、ビジネスパーソンの三種の神器と言われていました。私が社会に出た2008年頃も、まだそう言われていたように思います。

この3つについて、自分がどうだったかを正直に書くと、どれも中途半端でした。

英語は、読むのは何とかなりますが、話すとなると怪しくなります。会計は、決算書を読んで経営の状態を掴むくらいはできますが、税理士の先生と対等に話せるほどではありません。

そしてITは、11年この分野で仕事をしてきたにもかかわらず、ずっと「使う側」で止まっていました。


コードは書けないままでした

大学は理工学部でしたが、専攻は環境資源工学です。C言語は授業にありましたが、ほとんど身につきませんでした。

独立してから、歯科医院や飲食店、学習塾のWeb集客を支援してきました。サイトの構成を考え、原稿を書き、どう見せるかを決める。そこまでは自分の仕事でした。

ただ、実装だけは、いつも誰かに頼んでいました。制作会社に依頼するか、WordPressやWixのように、あらかじめ用意された枠の中で組み立てるか。そのどちらかです。

枠の外に出たいと思ったことは何度もありました。それでも、そこから先は自分の領域ではないと、どこかで線を引いていたのだと思います。

「こういう動きをつけたい」と思っても、伝えて、待って、上がってきたものを見て、また伝える。その往復のあいだに、最初に思いついたときの熱が少しずつ抜けていく感覚がありました。


2つのサイトを、独自ドメインで公開しました

昨日、自分のサイトを2つ立ち上げました。どちらも独自ドメインで、外注はしていません。

自己紹介のサイトです。幼い頃のことから、前職、起業、歯科医院の現場で見てきたことまで、自分がどういう順番でものを考えてきたのかを書きました。

個人事業として請けていきたいと考えている、鉄工所・加工業向けの業務システム開発のページです。実際に動くデモ画面を置いていて、そのまま操作していただけるようにしました。

どちらも、コードは1行も書いていません。書けないので、書いていないというほうが正確です。


やったことは、思っていたより単純でした

手元にある素材をAI(claude code)に渡して、こういう人に向けて、こういうことを伝えたい、と言葉で説明しました。出てきたものを見て、ここが違う、ここはもっと大きく、この表現は使わないでほしい、と、また言葉で伝えました。

専門用語は使っていません。「結論を先に持ってきてほしい」「この言い方は硬いので、普段の話し言葉に近づけてほしい」。普段クライアントと打ち合わせをしているときと、ほとんど同じ言葉です。

何往復かして形になったところで、公開の手続きをしました。それも、思っていたより短い時間で終わりました。


作れることより、直せることでした

やってみて一番大きかったのは、「自分でも作れた」ことではありませんでした。

公開したあとで「ここはやっぱり直したい」と思ったときに、その場で直せてしまうことでした。数分後には、直したものがもう公開されています。

これまでの私にとって、公開は終わりでした。作って、出して、しばらく寝かせて、まとめて修正を依頼する。そういうリズムで仕事をしてきました。

それが、公開が始まりになりました。

制作が速くなったというより、着手までの時間がなくなったという感覚に近いのだと思います。思いついた日に手が動くというのは、私にとってはかなり大きな変化でした。


三種の神器と、少し性質が違うと思ったこと

英語も会計も、身につけるまでに年単位の時間がかかります。私が中途半端なままなのも、結局そこに時間を割ききれなかったからです。

AIは、その点では違いました。数日から数週間で、実用の手前まで来てしまいます。習得のコストが、2つと比べて明らかに低いと感じました。

ただ、その代わりに、別のことが問われるようになったとも思います。

AIが埋めてくれたのは実装の部分だけで、「何を、誰に、どういう順番で伝えるか」という判断は、これまでどおり自分の側に残っていました。むしろ、そこにしか自分の仕事がなくなった、という感覚に近いかもしれません。

サイトに載せた文章は、ほとんどが元からあったものです。これまで書いてきたnoteの記事、打ち合わせで話してきたこと、支援先に説明してきた内容。新しく取材したわけでも、新しい事実を足したわけでもありません。

私がやったのは、それを並べ替えて、伝わる順番に置き直しただけでした。

そう考えると、11年分の蓄積があったからページが作れたのであって、AIがあったから作れたというのは、言い過ぎかもしれません。


手放しでは勧めにくい部分もあります

正直に書いておくと、良いことばかりではありませんでした。

AIは、かなり自信のある口調で間違えます。数字も、専門的な内容も、それらしい形で出てきます。書かれていないことを勝手に補ってしまう場面も何度かありました。

ですので、最終的な確認は人がやるという前提は、崩さないほうがいいと思っています(このことを専門的にはhuman in the loopというそうです)。作るのが速くなったぶん、確認に時間をかける。そういう時間の配分に変えていく必要があるのだろうと考えています。

それに、公開できたからといって、それが誰かの役に立つかどうかは別の話です。そこはこれから、時間をかけて確かめていくことになります。


AIソロプレナーとしての実践という位置づけ

私はいま一部で流行り始めている「AIソロプレナー」をし始めています。ひとりで、AIを使って、事業の形をつくっていく。今回のサイト制作は、その最初の実践です。

もともと私の仕事は、専門家が本業に集中できる環境をつくることだと考えてきました。歯科医師が患者さんと向き合えるように、料理人が調理に集中できるように、と言い続けてきたつもりです。

今回は、その立場に自分が置かれたのだと思います。実装から解放されて、判断だけに集中する時間がありました。自分がクライアントに届けたいと思っていたものを、自分が受け取っていたことになります。

コードが書けない私が公開できたということは、日々診療をしている先生方や、現場に立っている職人の方にも、同じことができる可能性があるということだと思っています。

いま、歯科医院の院長向けに、この手順をそのままお伝えする機会を準備しているところです。うまくいったかどうかは、またあらためて書きたいと思います。


大げさな話にするつもりはありません。サイトが2つできただけです。

それでも、三種の神器のうちひとつも十分に自分のものにできていなかった人間が、40代になってとにかく何かをすぐにカタチにできるツール(AI)を手に入れたのは、とても意味のあることのように感じています。


いいなと思ったら応援しよう!