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40代こそ、あえて「負け戦」をしよう。​ 〜トレランの“屈辱”が教えてくれた、リーダーの器を広げる「縦の成長」論〜

こんにちは。
株式会社スプリングボード代表の足立晋平です。

先日、人生初のトレイルランニングの大会に挑戦したという話はこれまでのnoteでも何度か触れていますが、今回はトレラン挑戦で得られた気づきの第二弾です。

🏃第一弾はこちら。


何を隠そう、私は筋トレやランニングで自分を追い込むのが大の苦手。誘われるがままに「面白そう!」とノリで申し込んだものの、練習不足は否めません。

案の定、結果は散々。
息は切れ、足はガクガク。経験者の方々にはあっという間に抜かれ、正直「なんでこんなキツいことに挑戦しちゃったんだろう…」と後悔する瞬間も。

でも、情けないくらいヘボヘボな自分を自覚し、ゴールまで必死にもがいたこの経験が、特に40代を迎えた私たちの「これからの成長」について、とてつもなく大きな気づきをくれました。

今日はその「負け戦から得た学び」をシェアさせてください。



💪 なぜ人は「勝てる土俵」でしか戦わなくなるのか?

年を重ね、経験を積むと、私たちは無意識のうちに 「勝てる土俵」 でしか戦わなくなります。

自分の得意なやり方、評価される領域、過去の成功体験が通用する場所。
それは短期的には合理的で、成果を出すための「正解」かもしれません。

しかし、その心地よい場所に安住していると、人の「器」は果たして大きくなるのでしょうか
むしろ、傲慢になったり、新しい挑戦を恐れたりして、器が小さくなってしまうリスクすらあると感じています。

💡ちょこっと理論紹介💡
🪤 コンピテンシー・トラップ(能力の罠)

経営学者ジェームズ・マーチが提唱した概念。人は一度うまくいった方法(得意なこと)を繰り返すことで効率的に成果を出せますが、それに固執するあまり、新しい挑戦(探索)を怠り、環境変化に適応できなくなる現象を指します。
過去の成功体験が、未来の失敗要因になる」というわけです。

「昔は俺もこうやって成功したんだ」
そんな言葉が口癖になっているとしたら、この「能力の罠」にハマっているサインかもしれません。


💡 負け戦の効用①:「できない人の気持ち」が痛いほどわかる

今回、トレランのコースで坂道を登れず立ち尽くしていた時、後ろから来た方に
「大丈夫ですか?もう少しですよ!」
と声をかけてもらいました。

その一言が、どれだけ心を軽くしてくれたことか。

普段、研修講師として「教える側」「支援する側」にいることが多い私にとって、これは衝撃的な体験でした。

得意なことばかりしていると、いつの間にか
「なぜ、これができないんだろう?」
と、できない人の気持ちがわからなくなってしまいます。

「できない自分」として支援される側に回ることで、初めて

🤔「こういう声かけは嬉しいんだな」
🤔「ただ黙って隣にいてくれるだけで救われるんだな

という、生々しい感情データが手に入ります。
この 「被支援体験」 こそが、リーダーとしての共感力や、部下への介入の質を劇的に高めてくれるのだと確信しました。


📖 負け戦の効用②:無意味なプライドが削ぎ落とされる

歴史上、あえて「負け」や「恥」を受け入れることで、巨大な器を手に入れた人物がいます。
中国史に登場する天才軍師・ 韓信(かんしん) です。

若い頃、彼は街のならず者にこう挑発されます。
「お前が本当に強いなら俺を斬ってみろ。できないなら俺の股をくぐれ」

剣の達人だった韓信は、相手を斬り捨てることなど容易でした。
しかし、彼は黙って相手の股をくぐり、街中の笑いものになったのです。

なぜか。

彼は、目先の 「プライドを守るための無意味な勝利」 を捨て、「天下統一という大志のために、今の恥を飲み込む」 ことを選びました。

この経験が、
「自分の価値は、他人の評価ではなく自分で決める」
という強固な自己肯定感、つまり「器」を形成したと言われています。

私もトレランで遅い自分を「恥ずかしい」と感じましたが、それ以上に
「でも、自分のペースで完走するんだ」
という目標に集中することで、小さなプライドから解放される感覚がありました。


🌱 負け戦の効用③:成長の「OS」が更新される

40代も中盤に差し掛かると、新しいスキルを学ぶ「横の成長」だけでは、どこか頭打ち感が出てこないでしょうか。

本当に問われるのは、物事の捉え方や人間そのものの深み、つまり「器」を広げる 「縦の成長」 です。
今回のトレラン経験は、まさにこの「縦の成長」の重要性を教えてくれました。

💡ちょこっと理論紹介💡
🧩 成人発達理論における「水平的成長」と「垂直的成長」


人の成長には2種類あると言われます。
水平的成長:知識やスキルを増やすこと(例:新しいアプリをインストールする)

垂直的成長:物事を認識する器(OS)そのものがバージョンアップすること(例:OSをアップデートする)

苦手なことへの挑戦は、単なるスキル習得(水平的成長)に留まらず、自分自身の価値観や在り方を揺さぶるため、このOSのアップデート(垂直的成長)を強力に促すのです。

この「垂直的成長」を劇的に遂げたのが 西郷隆盛 です。

若い頃の西郷は、正義感が強く他人を厳しく批判する「鋭利なナイフ」のような男でした。
しかし、政治闘争に敗れて島流しに遭い、死の淵をさまよいます。

能力も地位も完全に剥奪され、
「自分一人では生きることさえできない」
という絶対的な無力感を味わったのです。

この経験を経て、島民に助けられながら生き延びた西郷は、かつてのトゲが嘘のように消え、ただそこにいるだけで人を安心させる「大海原」のような器の人物へと変貌を遂げました。

「できる自分」を一度手放し、「できない自分」を受け入れた経験 が、彼のOSを書き換え、人間としての器を飛躍的に広げたのです。


🏁 まとめ:40代からの成長戦略

20代、30代は、がむしゃらにスキルや知識を身につける「水平的成長」がものを言います。
しかし、40代中盤からは、それだけでは見えない景色があります。

むしろ、これまで培ってきた「勝てる土俵」からあえて一歩降りて、トレイルランニングのような 「苦手なこと」「ヘボい自分」 に直面することこそが、私たちの「器」を広げる鍵となります。

それは、単なるスキルアップや気晴らしではありません。

✅ 共感力を養い
✅ プライドを健全化し
✅ 成長のOSをアップデートする

ための、最高の 「安全な訓練場」 なのです。

この記事を読んでくださっているあなたは、最近「負け戦」、していますか?
もしよかったら、あなたの挑戦や、そこから得た学びについて、コメントで教えていただけると嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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