この家に、長く住むつもりはありますか?── 日本人建築家が韓国住宅に感じた違和感の正体
──設計現場150件の実感とデータ検証
はじめに
韓国の住宅を見ていると、
「なぜか落ち着かない」「どこか住みにくい」と感じる瞬間がある。
それは設計の巧拙ではなく、住宅をつくる前提条件そのものが日本と違うからだ。
私はこれまで、
日本と韓国を合わせて150件以上の住宅設計に関わり、
建築主と直接対話しながら計画を進めてきました。
その中で、いつも強く感じる「違い」があります。
日本では、多くの建築主が住宅を
「できるだけ長く住む場所」として考えます。
この家で子育てをし、年を重ね、できれば最期まで——。
住宅は人生の器であり、
暮らしの完成形をつくるプロジェクトになりやすい。
一方、韓国で仕事を始めた当初、
私は何度も耳を疑いました。
打合せの比較的早い段階で、こう言われるのです。
「数年住んだら売るつもりです」
しかもそれは例外ではなく、
体感では半数以上の建築主が、
はっきりと売却を前提に語る。
そうなると、設計の前提条件が変わります。
住み心地だけでなく、
「あとで売りやすいか」
「市場で評価されるか」
が、計画の重要な判断軸に入ってくるからです。
実際、新築物件を扱う不動産会社も、
「数年後に高く売れる立地」
「駅からの距離」
「将来の買い手が好む間取り」
といった話を、ごく自然にします。
では、この違いは単なる印象なのか。
それとも、数字としても確かに存在するのか。
気になって、調べてみることにしました。

結論を先に述べます
調査の結果、はっきり言えるのは次のことです。
日韓の住宅観の違いは、
「夢か投資か」ではなく、
「何年後に売ることを想定しているか」の違いだった。
韓国では
👉 平均して7〜9年程度で売却される住宅が多い
日本では
👉 10年以上、場合によっては20年以上住み続ける住宅が多い
この「数年の差」が、
住宅の買い方、住み方、そして設計の考え方そのものに、
大きな影響を与えています。
ここから先は、
なるべく同じ目線での比較
日本型/韓国型の典型モデル
その違いが平面計画・立地選択にどう影響するかを、
専門家でなくても理解できる言葉で整理していきます。
ここから先は
¥ 500
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!
