ピッチに立てなかった三人。。。南野・遠藤・三笘 ドーハの悲劇と日本代表が教えてくれた“変わる力”とDXの本質
■大学生の部屋で見た「94分の悪夢」
1993年10月28日。
大学生だった私は、狭いワンルームに仲間を集めて、日本代表の試合を見ていた。
ワールドカップ初出場が目前に迫った、あの夜だ。
ロスタイム。
94分。
イラクの同点弾。
部屋の空気が一瞬で凍りついた。
誰も言葉を発せず、ただテレビを見つめていた。
試合終了の笛が鳴っても、しばらく誰も動けなかった。
その後、金もない学生だったのに、仲間と飲みに行った。
悔しくて。信じられなくて。何かを語らずにはいられなくて。
朝方、ある先輩がぽつりと言った。
「今回は負けてよかったのかもしれないな」
私は思わず聞き返した。
「今回は読売のチームだった。本当の意味の日本代表じゃない」
当時はただ頷いたけれど、今振り返ると、この言葉は“構造”を突いていた。
確かに、あの頃の日本代表は、ヴェルディ川崎の色が濃く、カズ、ラモス、武田、北澤、柱谷、都並などが中心にいて、まだ“国のチーム”というイメージではなかった。
そして、あのピッチには現在の日本代表監督、森保一(ポイチ)もいた。
■ドーハの悲劇は「終わり」ではなく、日本代表の“誕生日”だった
ドーハの悲劇は、日本サッカー史に刻まれた痛みだ。
しかし、あの敗戦があったからこそ、
クラブ偏重の選考からの脱却
海外組の台頭
98年フランスW杯初出場
黄金世代の誕生
へとつながっていったと思う。
つまり、
ドーハは「悲劇」ではなく、日本代表が“本当の代表”へ生まれ変わるための陣痛だった。
森保監督がその現場にいたことは、偶然ではない。
彼は“痛みを知る監督”として、今の代表を率いている。
■そして現在──史上最強と言われる日本代表の“影”にあるもの
今回の日本代表は、史上最強と言われるほどのタレントが揃っていた。
しかし、その中で“主役級の3人”がピッチに立てなかった。
●南野拓実
前回大会でPKを外し、誰よりも悔しさを背負っていた。
今回こそ、その物語をピッチで完結させたかったはずだ。今はサポートメンバーとして、それでも日本のために尽くそうとしてくれている
●遠藤航
リバプールで世界最高峰の戦いを経験し、代表のキャプテンとして戻りたかった。どうにかして復帰し、ピッチに立つためにもがき、最後に代表引退という結末を迎えた。
●三笘薫
「三笘の1ミリ」は偶然ではない。
世界レベルの技術と判断力が生んだ必然だ。
その証明を、今回の大会で見せたかったはずだ。
彼らは出場できなかった。
しかし、ここで人生が終わるわけではない。
むしろ、
ここから“次の物語”が始まる。
■サッカーは結果が全て。でも、結果だけでは語れない
サッカーは残酷だ。
勝てば英雄、負ければ叩かれる。
結果だけが評価される世界だ。
しかし、
数字の裏には、努力・挫折・再起・覚悟がある。
ドーハの悲劇も、今回の代表の悔しさも、
“物語の途中”でしかない。
だからこそ、私たちは心を動かされる。
■DXも同じ──失敗は“終わり”ではなく“始まり”だ
多くの企業がDXに失敗している。
それでいい。なぜなら、DXは“初めての挑戦”だからだ。
見える化をしてと言われてダッシュボードを作った。でも誰も見てくれない。「なんでこんなの作ったの?」と言われる
データがないのに、見える化してと言われる。データ収集からと提案すると遅い!の一言で終わり。
データ解析している間に、改善が進んでしまい、「何してたの?あなたがいなくても、改善は進むんだけど」と無能者扱い
これは、積み上げてきたものが、一瞬で崩れ去る「ドーハの悲劇」と同じ構造だと思う。真剣に望み、真剣に努力し、これでと思い現場に届ける。でも届かない。全く意味のないことだったと思ってしまう結果。その絶望。
しかし、その痛みこそが、次の成功を生む。
失敗を避ける技術者は、永遠に変われない。
痛みを経験した技術者だけが、本当のDXをつかみ取る。
■結論──“物語を続ける覚悟”が、組織を変える
南野も、遠藤も、三笘も、ここで終わらない。ワールドカップを目指したことに対する結果は出なかったかもしれない。でも、彼らは必ず戻ってくる。代表選手というステージではないかもしれないが。。。
日本代表も、ドーハの悲劇から30年かけて強くなった。
痛みを乗り越え、物語を続けてきたからだ。
企業のDXも同じだ。努力が報われなくても、それを経験として、物語を続ける覚悟があるかどうか。
その経験と、それを糧に自分自身を成長させるという意識、そして物語を続けていくという覚悟、もしくはその物語を楽しめるメンタル。
これらが、DXを成功させる条件だと思う。
皆さんはサッカーワールドカップにどのような物語を見ますか?
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