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ファイル探しが数秒に。PDF・Excel・Wordの横断検索ツールを作りました

1. はじめに

「あのファイル、どこに入れたっけ」。
そう思いながら、フォルダを開いて、ファイルを開いて、違うと分かって閉じる。
また次のファイルを開いて、閉じる。

製造業の事務や設計、業務改善の現場では、よくある光景だと思います。
私も、目当ての1枚にたどり着くまで、何十回もこの開け閉めを繰り返してきました。
気づくと、探すだけで数十分が過ぎていることもありました。

以前、その「探す」を一気に短くしたくて、私はAIとPythonの力を借りて、フォルダの中を横断して全文検索する小さな仕組みを作りました。
そのときの話は、こちらの記事に書いています。


関連記事:数百ファイルの全文横断検索が数秒に。PDF・Excel・WordをAI×Pythonで一気通貫

あのときは、自分のためだけに動かす仕組みでした。
今回は、あの横断検索の発想を、誰でも画面操作だけで使える形のツールにしてみました
名前は file_search_tool(ファイル・サーチ・ツール)です。

この記事では、そのツールを配ります。
あわせて、Pythonを一度も触ったことがない方でも動かせるよう、導入手順を最初から順番に書きました。
「自分には難しそう」と感じている方こそ、読んでいただけたらうれしいです。

2. このツールでできること

file_search_tool は、フォルダの中にあるファイルを、1つずつ開かずに横断して全文検索するデスクトップツールです。
対象は PDF / Excel(.xlsx) / Word(.docx) の3種類です。

主なはたらきは、次のとおりです。

  • フォルダ内のPDF・Excel・Wordを一括で全文検索する(サブフォルダも対象にできる)

  • キーワードを複数指定できる(カンマ区切り)。AND(すべて含む)/OR(いずれか含む)を選べる

  • 大文字・小文字の区別を切り替えられる

  • ヒットしたファイルを、指定フォルダに自動でコピーできる

  • 並列処理と早期終了で高速に動く(PDFは PyMuPDF があればさらに速い。無くても動く)

  • 検索ログを画面に表示し、保存できる

たとえば「組立図, 配管」のようなキーワードを入れて、その語を含むファイルだけを探し出す、といった使い方を想定しています。
プログラミングの知識は不要で、画面の操作だけで動きます。

3. 導入手順(Pythonをまったく使ったことがない方へ)

ここがこの記事の中心です。
Pythonが入っていないパソコンを前提に、4つの手順に分けて書きます。
焦らず、上から順に進めてください。

なお、動作の前提はWindowsです(Windows推奨)。

手順1:Pythonをインストールする

まず、Pythonという「ツールを動かすための土台」を入れます。
下記の公式サイトから、インストーラーをダウンロードします。

  • 公式サイト:https://www.python.org/downloads/

ダウンロードしたインストーラーを開くと、最初の画面の下のほうに、チェックボックスがあります。

「Add python.exe to PATH」に、必ずチェックを入れてください。

ここのチェックを忘れると、あとの手順でツールが動きません。
私自身、ここを見落として動かず、原因に気づくまで少し時間がかかりました。
チェックを入れたら、あとは画面の案内どおりにインストールを進めれば大丈夫です。

なお、このツールはPython 3.9以上で動きます。
公式サイトの最新版を入れれば、この条件は満たせます。

手順2:ツールをダウンロードする

次に、ツール本体をダウンロードします。
配布ページ(GitHub)を開き、緑色の「Code」ボタンを押します。
表示されたメニューから「Download ZIP」を選ぶと、一式がまとまったZIPファイルが手に入ります。

配布ページ(GitHub)はこちらです。

ダウンロードはこちら(GitHub): https://github.com/shin-dx/file-cross-search

ダウンロードしたZIPファイルは、右クリックから「すべて展開」を選んで解凍してください。
解凍後のフォルダの中に、file_search_tool.py という本体ファイルが入っています。

手順3:必要なライブラリを入れる

ツールを動かすために、いくつかの部品(ライブラリ)を追加します。
ここでは「コマンドプロンプト」という黒い画面を使います。

コマンドプロンプトの開き方は、次のとおりです。

  • キーボードの「Windowsキー」を押す

  • 続けて cmd と入力する

  • 表示された「コマンドプロンプト」を選んで開く

開いた画面に、下のコマンドをそのまま貼り付けて、Enterキーを押します。
コピペで大丈夫です。

python -m pip install pymupdf pypdf openpyxl python-docx

頭に python -m を付けるのがコツです。こうすると、いま使っているPythonに確実に部品が入ります(pip だけだと、別のPythonに入ってしまい「入れたのに動かない」が起きがちです)。

解凍したフォルダの中で実行する場合は、次のコマンドでも同じ結果になります。

python -m pip install -r requirements.txt

しばらく文字が流れて、止まれば完了です。
入ったかどうかは、次の手順でツールを起動したとき、画面上部の「ライブラリ状況」がすべて ✓ になっていれば確認できます。

手順4:ツールを起動する

最後に、ツールを起動します。
起動の方法は、2つあります。どちらでも構いません。

  • 解凍フォルダの中の file_search_tool.py を、ダブルクリックする

  • コマンドプロンプトから起動する

コマンドプロンプトから起動する場合は、先に解凍したフォルダを開き、上の「アドレスバー」に cmd と入力してEnterキーを押します。すると、そのフォルダの場所でコマンドプロンプトが開きます。あとは、次のコマンドを実行します。

python file_search_tool.py

(手順3の pip install -r requirements.txt を使う場合も、同じように「解凍フォルダでコマンドプロンプトを開いてから」実行してください。)

操作画面(GUI)が表示されれば、起動成功です。
ここまで来れば、あとは画面の操作だけで使えます。

うまくいかないとき

つまずいても、あなたのせいではありません。
よくある原因は、だいたい次のどれかです。

  • 「python が見つからない」と出る → 手順1の「Add python.exe to PATH」のチェックが外れている可能性があります。Pythonを入れ直し、チェックを入れてみてください。

  • 「pip が見つからない」と出る → 同じくPATHのチェック漏れが多いです。手順1からやり直すと直ることがあります。

  • ライブラリのインストールが途中で止まる → ネットワークの状態を確認し、コマンドをもう一度実行してみてください。

  • ツールは起動するのに「PDF読取ライブラリなし」などと出る → 部品が、ツールを動かしているのとは別のPythonに入っている可能性があります。手順3を python -m pip install …(頭に python -m を付ける形)でやり直してください。入っているかは、画面上部の「ライブラリ状況」が ✓ になっているかで確認できます。

一度で通らなくても、珍しいことではありません。
少し時間を置いて、落ち着いて試してみてください。

4. 使い方

起動して操作画面が出たら、あとは項目を入力していくだけです。
手順は次のとおりです。

  • 検索対象フォルダ:探したいファイルが入っているフォルダを指定する(「参照…」から選べる)

  • コピー先フォルダ(任意):ヒットしたファイルをまとめたい場合に指定する

  • 検索キーワード:探したい語を入力する(複数はカンマ区切り。例:組立図,配管)

  • AND / OR:すべての語を含むか、いずれかを含むかを選ぶ

  • 対象形式:PDF / Excel / Word のどれを探すかを選ぶ

  • サブフォルダ検索:下の階層まで探すかどうかを選ぶ

入力が終わったら、「🔍 検索実行」を押します。
すると、ログにヒットしたファイルが表示されます。
コピー先を指定していれば、ヒットしたファイルがそのフォルダにまとめてコピーされます。

最初は、テスト用のフォルダで一度試してみるのがおすすめです。
動きを確かめてから、本番のフォルダに使うと安心です。

5. 注意とお願い(免責・ライセンス)

ファイルを扱うツールなので、はじめにお願いがあります。

本ツールは無保証・自己責任でお使いください。
大切なファイルは、必ずバックアップを取ってからお使いください。

本ツールの使用によって生じたいかなる損害についても、作者は責任を負いません。
読み取り専用で動作しますが、コピー機能を使うときは、コピー先フォルダの指定先に十分ご注意ください。

ライセンスは MIT License です。
改変や再配布は自由です。詳しくは、配布物に同梱の LICENSE ファイルをご確認ください。

6. おわりに

このツールで伝えたかったのは、速さそのものよりも、「探す時間を、探さない時間に変えられる」という感覚です。
ファイルを1つずつ開いて確かめていた時間が、画面に語を打ち込むだけの数十秒に変わる。
その分の時間は、本来やりたかった仕事に戻せます。

最初の導入で、少し手間がかかるかもしれません。
それでも、一度通してしまえば、毎回のファイル探しがぐっと軽くなります。
うまくいかないときは、手順1から落ち着いて見直してみてください。

この発想の元になった話は、こちらの記事に書いています。
あわせて読んでいただけると、背景が伝わると思います。

この発想の元になった話:数百ファイルの全文横断検索が数秒に。PDF・Excel・WordをAI×Pythonで一気通貫

製造業の現場で「ファイルを探す時間が長い」「自分には難しそうで踏み出せない」というお悩みがあれば、コメントをください。
解決に役立つ、もう少し深堀した記事をお届けします。

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