HRVを上げるという矛盾
From:ジム終わりの休憩ロビー
最近、ニュージーランドへの出発準備を進めています。出発にあたって、これまで契約していたジムを解約(休会)し、地元の公営のジムに通うようにしました。これはコストカットもそうですが、セルフマネジメントの観点から、自分でスケジュールをコントロールできるようになっていくための切り替えです。
他にもコストカットやスケジュールの見直しを行いながら、徐々に準備を進めています。
HRVが静かに下がる
ここ最近、HRV(心拍変動)の数値が下降トレンドに入っていることに気づきました。
睡眠時間や運動量はいつも通りです。特別なストレスイベントがあったわけでもありません。強いて言えば、NZ準備関連のタスクを「きっちりやらなきゃ」と思う時間が増えたことくらいです。
どうしても海外に長期滞在する場合には、「現地現物」が大原則です。仕事探しは現地の住所がなければ書類で門前払いされてしまいますし、家探しもネットで探すことは一定できますが、最終的には現物を見ないと決められません。場合によっては、ネットだけで契約を済ませようとすると詐欺に遭ってしまうリスクもあります。それゆえ日本でどれだけ情報収集をしても難しい側面も強く、なかなか先が読めない部分が多いです。
あらゆるケースパターンを想定して行こうとなるとどうしても準備が膨れ上がる側面があります。滞在費、ビザ関連費用など数字を積み上げるほど、安心するどころか焦りが増えていきます。完璧な資金計画を作ろうとすればするほど、逆に落ち着かなくなっていく感覚がありました。
「準備を完璧にすれば、安心できるはずだ」
そう思っていたのに、現実は逆でした。
「コントロールしよう」がストレスそのもの
不安の解消法は「準備を完璧にすること」だとされています。情報を集めきる。計画を練りきる。リスクを潰しきる。そうすれば安心できる、という発想です。実際、私はあまり本番に強くないのも自覚しているので、準備を徹底的にする方でもあります。
でも実際に自分の身体で起きていたのは真逆でした。「完璧にコントロールしよう」とする意志そのものが、交感神経を優位にしてしまいます。HRVを上げたいなら本来必要なのは副交感神経(迷走神経)の働きなのに、「上げよう」と力む行為自体がそれを邪魔してしまうのです。
これは昔から知られている現象で、「意志の力で何かを変えようとするほど逆の結果を招く」という古典的な法則や、「考えないようにしよう」とするほど逆にそれを意識してしまうという心理学の理論に近いものです。不眠症の治療でも、「眠ろう」と頑張るほど眠れなくなるという同じ構造がよく知られています。
平均的OSは「頑張って完璧にすれば報われる」を前提にしています。でも身体のレベルでは、その頑張り自体がコストになっていました。
疲弊の理由
「HRVを上げよう」「準備を完璧にしよう」という目標志向そのものが、交感神経を刺激するストレス反応になっています。
注目すべき指標:HRVの絶対値そのものより、「何かをコントロールしようと力んでいる時間の長さ」と「安静時心拍数」の相関を見てみるといいかもしれません。力んでいる時間が長い週ほど、安静時心拍が高止まりしていないでしょうか。
今週のQA
Q. じゃあ、準備するのをやめればいいんですか?
A. やめるのではなく、「結果を手放しながら行動する」という感覚に近いです。これはパラドキシカル・インテンションという臨床でも使われる発想で、不眠治療などでは「無理に眠ろうとしない」ことがかえって入眠を助けることが分かっています。行動は続けていい。ただ、「これで完璧になるはずだ」という結果への執着を手放す。準備はする。でも「これで安心を勝ち取ろう」とはしない、ということです。
P.S.矛盾を受け入れよう
HRVを無理に上げようとしないことが、結果的にHRVを上げる——この感覚は、まだ言葉にしきれていない部分があります。ニュージーランド行きの準備も、資金計画も、同じ構造の中にある気がしています。
このテーマ、もう少し実験しながら次回以降も追っていきたいと思います。
Shin’s OS Newsletter vol.19
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