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happy_echium96
最低二万里【毎週ショートショートnote】
「あと『最低二万里』を飛ばなければいけないのです」
仲間たちからそう告げられた。
けれど、僕の翼はもう動かなかった。骨か筋かわからないが、痛むのです。
わかっています。飛ばなければいけないということを。
「でも、もう大丈夫です。僕をここに置いて行ってください。自分のことは自分で出来ます」
そう伝えると、仲間たちは僕を置いて旅立っていった。
もう何も残っていない僕は場所を川べりに移動した。
そして、自分の羽に限界を感じ、僕はその場に座って休んだ。
川が流れる音の中、僕を狙う動物が近づいてくる音が聞こえてくる。
これで良かったのだ。みんなの無事を祈っている。
でも、やはり仲間たちと一緒に行ってみたかった。
今際に目を開くと、太陽も空も赤く美しく輝いている。
もう一度だけ、僕は空を飛びたいと思った。
もう一度だけ、僕は羽を広げて……
そう考えたとき、ふと、僕は空を飛んでいた。
風に乗って、仲間たちに追いつけるかのように、高く、高く、飛んでいた。
(410字)
たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。
※「残鳥」という春の季語に着想を得ました。
*この記事は、以下の企画に参加しております。
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