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最低二万里【毎週ショートショートnote】

「あと『最低二万里』を飛ばなければいけないのです」

仲間たちからそう告げられた。

けれど、僕の翼はもう動かなかった。骨か筋かわからないが、痛むのです。

わかっています。飛ばなければいけないということを。

「でも、もう大丈夫です。僕をここに置いて行ってください。自分のことは自分で出来ます」

そう伝えると、仲間たちは僕を置いて旅立っていった。

もう何も残っていない僕は場所を川べりに移動した。

そして、自分の羽に限界を感じ、僕はその場に座って休んだ。

川が流れる音の中、僕を狙う動物が近づいてくる音が聞こえてくる。

これで良かったのだ。みんなの無事を祈っている。

でも、やはり仲間たちと一緒に行ってみたかった。

今際に目を開くと、太陽も空も赤く美しく輝いている。

もう一度だけ、僕は空を飛びたいと思った。

もう一度だけ、僕は羽を広げて……

そう考えたとき、ふと、僕は空を飛んでいた。

風に乗って、仲間たちに追いつけるかのように、高く、高く、飛んでいた。


(410字)


たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。

※「残鳥」という春の季語に着想を得ました。


*この記事は、以下の企画に参加しております。


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