Photo by
harutomo
七夕の歩幅【毎週ショートショートnote】
夏の夜の商店街を歩いていると七夕の短冊が飾ってあって、思い出した。
七夕の歩幅で歩こうよと君が言ってきた。
無料の短冊コーナーがあって、二人で短冊に願い事を書いたよね。書いた願い事はお互いの健康だった。二人で顔を見合わせながら、やっぱりそうだよねって笑い合ったね。
そして、歩きながら話したね。煌々と明るい商店街の中からは、天の川は見えないんだ。商店街の光、つまり人の住む街からの光と星々の光が相殺しちゃうから、地球の外からの星の光は見えなくなっちゃうんだ。昔の電気がなかった時代の夜空はすごく綺麗だったんだよとまるで僕がそれを見てきたかのように答えたら、君はすごく笑ってたね。
でも、もう君はいない。
もちろんこんな幸せが永遠に続くとは思っていなかった。
君はいなくなってしまった。
また思い出してしまった。
君にとっての彦星は他にいたということを。
僕は一人になってしまった。
夜空を見上げると、どこか遠くでカラスがうるさく鳴いていた。
(410字)
たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。
この物語はフィクションです。
※恋愛、失恋、多層、エモを意識して書きました。
*この記事は、以下の企画に参加しております。
いいなと思ったら応援しよう!
サポートお願いいたします!執筆活動費にさせていただきます。