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こぶし調理ご飯【毎週ショートショートnote】裏お題

春になり、一人で散歩していた僕はこぶしの木を見つけた。

白く大きな花がたくさん咲いていた。

僕はこぶしの優雅さに見とれていると、こぶしの木の裏の家から女性が出てきた。

「きれいでしょ」とその女性が声をかけてきた。

「きれいですね」僕はちょっと緊張した心持ちで返事をした。

女性はこぶしの木から花びらを一枚取り、半分にちぎって僕に渡してきた。

「ほら、香りかいでみて。いい香りがするのよ」

ちぎった花びらを受け取って、その香りをかいでみた。

すると、ふわっと甘い香りがした。

「いい香りですね」

「でしょう。お茶にすると少し苦いけど美味しいのよ」

そのとき、調理師である僕はひらめいた。

こぶしのお茶でご飯を炊いたらどういう味になるのだろうと。

命名すると『こぶし調理ご飯』だ。

「お姉さん、ありがとうございます。新メニューがひらめきました」

「あら、食べてみたいわ」

女性が笑顔で僕を見つめてきた。

こぶしの花は春風で揺れ、運んできたのは甘い香りだった。


(410字)


たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。

※逆ナンショートショートになってしまいました。



*この記事は、以下の企画に参加しております。



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