創作大賞[人のことを優先しすぎて、自分を後回しにしている人の童話] ひとつ余ったドングリ
「あなたは、自分の気持ちを後回しにしていませんか?」
これは、そんな優しいあなたへの童話です。
あらすじ
ある森で、イタチとリスがドングリの分け方でもめていました。
ドングリは全部で7つ。
どちらも「4つほしい」と言い合いになり、仲良く分けることができません。
その様子を見ていたクマは、「自分ならゆずるのに」と思いながらも、正直に気持ちを伝えるふたりに少しだけあこがれを感じていました。
やがてイタチとリスは、あることに気づき、森の中へ走り出します。
戻ってきたとき、ドングリの数は変わっていました。
これは、「自分の気持ちを後回しにしてきた」クマが、新しい可能性に気づく物語です。
[人のことを優先しすぎて、自分を後回しにしている人の童話]
ひとつ余ったドングリ
森の中で、イタチとリスが言い合いをしていました。
ドングリをどう分けるかで、もめていたのです。
葉っぱの上には、ドングリが7つ置かれていました。
「ぼくは4つほしい!」とイタチが言いました。
「わたしも4つほしい!」とリスが言いました。
その様子をそばで見ていたクマは思いました。
(ぼくなら、がまんしてゆずるのに)
でも、こうも思いました。
(ちゃんと自分の気持ちを伝えていて、すごいな)
クマは、いつも人のことばかり考えていました。
相手が嫌そうなら、自分はがまんしました。
相手がほしそうなら、ゆずって自分のことを後回しにしました。
そんなことを続けているうちに、
自分の気持ちを伝えることが、だんだん少なくなっていました。
クマは、イタチより年上のリスに声をかけました。
「年上なんだから、1つイタチくんにゆずって、3つもらえばいいじゃないか」
すると、イタチが怒って言いました。
「年上だからって、ぼくの気持ちはどうなるの?」
リスも、怒って言いました。
「そうだよ。ぼくの気持ちも、イタチくんの気持ちも、大切だよ!」
クマは、困ってしまいました。
「でも、7つなんだから、半分には分けられないよ」
それを聞いたイタチとリスは、同時に何かに気づきました。
そして、森の中へと走っていきました。
すこしして、遠くの方からイタチの声がひびきました。
「見つけたぞー!」
続けて、リスの声がひびきました。
「わたしも見つけた!」
イタチとリスが急いで戻ってきました。
イタチの手にはドングリがひとつありました。
リスの手にもドングリがひとつありました。
ふたりは、それを葉っぱの上に置きました。
ドングリは、全部で9つになりました。
「ドングリを4つもらうね」
イタチは4つとりました。
「わたしも4つ」
リスも4つとりました。
クマは、葉っぱを見て言いました。
「ドングリが1つ残っているよ」
イタチとリスはうなずきました。
「それは、くまさんにあげる」
そう言うと、どこかへ行ってしまいました。
残されたクマは、しばらくドングリを見つめていました。
P.S.①
自分の気持ちを大切にして、相手の気持ちも大切にできる方法があるかもしれません。
自分の気持ちを抑えて我慢すれば、その場はうまくいくかもしれません。
でもそれは、1+1=1 のようなものです。
ひとり分の気持ちしか満たされず、ひとりで考えた結果となります。
では、おたがいに少しずつ我慢して、解決策を見つけたらどうでしょうか。
それは、1+1=2 のようなものです。
ふたり分の気持ちが含まれますが、ふたりが考えた範囲内での結果となります。
では、自分の気持ちも、相手の気持ちも、そのまま満たす解決策を見つけたらどうでしょうか。
そのとき、1+1=3 のようなことが起こります。
ふたり分の気持ちが満たされ、ふたりの想像以上の結果となります。
自分の気持ちも大切です。
相手の気持ちも大切です。
自分の気持ちを我慢しそうになったとき、
一度考えてみてください。
「自分の気持ちも、相手の気持ちも大切にする方法はないだろうか?」
あなたにとって、一番大切なのはあなたです。
これまで自分の気持ちを何度後回しにしてきましたか?
その度に、他人を大切にする代わりに、自分を傷つけていませんでしたか?
心の中で、悲鳴をあげている自分の声に、
もう一度気づいてあげてください。
もう、自分にやさしくしてあげてもいいのではないでしょうか?
「自分の気持ちも、相手の気持ちも大切にする方法はないだろうか?」
この質問であなたが自分自身を大切にできることを祈っています。
どうか自分を大切にしてください。
あなたが、自分自身に誠実でありますように。
P.S.②
最後まで読んでくださりありがとうございました。
最近、コメントやメッセージをいただくことが増えてきました。
一つひとつ読ませていただく中で、「こういう視点もあるのか」と気づかされることも多く、僕自身とても学びになっています。
もしこの記事を読んで、
・共感したこと
・違和感があったこと
・ご自身の考え
などがあれば、ぜひ一言でもコメントいただけたら嬉しいです。
どんなコメントでも大歓迎です。
いただいたコメントには、必ず目を通し、できる限りお返事させていただきます。
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