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白球の追憶#6 鮮烈バックスクリーン弾/報徳学園vs滝川第二(’18夏東兵庫)

このコーナーでは、僕が過去に現地観戦した高校野球の数多ある試合の中で、特に印象に残っている試合を備忘録として振り返り、紹介していきます。

第6弾となる今回は、2018年夏の選手権(第100回記念大会)東兵庫大会4回戦、報徳学園vs滝川第二の試合を採り上げたいと思います。

なお、自分の記憶とメモをベースに語っていきますので、事実誤認や勘違いも出てくるかと思いますが、その点は予めご容赦ください。

試合開始前

背景

2018年7月22日、第100回選手権の東兵庫大会4回戦で、報徳学園vs滝川第二の対戦が姫路球場にて行われました。
この年は記念大会ということで、兵庫県は東西2代表制となっており、県内屈指の強豪である両者は東兵庫ベスト8の座をかけて激突しました。

8年ぶりの夏の甲子園を目指す報徳学園は、当時既にドラフト1位候補の呼び声高かった小園海斗(現広島)を擁し、2回戦・3回戦を危なげなく突破し、この試合に臨みました。対して、3年ぶりの甲子園を目指す滝川第二は春季県大会で準優勝を飾っており、近畿大会でも1勝を挙げ、優勝候補の一角として名乗りを上げていました。

両者は春季県大会の初戦でも激突しており、この時は2-1で滝川第二が勝利して第一シードを獲得。報徳学園は第二シードに甘んじる結果となり、その両雄は再び夏の大会で同ブロックに入り、早くも4回戦で顔を合わせることになりました。

雪辱に燃える報徳学園と、返り討ちを狙う滝川第二。この試合は兵庫県内の高校野球ファンだけでなく全国のコアファンやNPBスカウト陣も注目する一戦となりました。

試合展開

報徳学園・林、滝川第二・田邊の両2年生左腕の先発で試合は始まりました。序盤3イニングは両者得点を奪えず、静かな立ち上がりとなります。
試合が動いたのは4回表、報徳の3番・長尾が右越えのソロ本塁打を放ち、報徳が先制します。しかし滝川二もすかさずその裏、この回先頭の4番・木谷が左中間へ豪快な一発を放ち、すぐさま同点に追いつきます。この回終了後、報徳は投手を木村に交代します。

5回、6回と両者無得点で終え、息詰まる投手戦の中迎えた7回表、この試合最大のハイライトが訪れます。報徳は一死一塁で打席には前の打席でライト方向にツーベースヒットを放っている小園。田邊が投じた二球目を見事に捉えると、打球はセンター方向にグングンと伸び、美しい放物線を描いて姫路球場のバックスクリーンへ飛び込みました。両チームにとって極めて重要な終盤での勝ち越し点を、報徳はチームの主軸のこの豪快な2点本塁打でもぎ取ります。ここまで好投を見せてきた滝川第二・田邊はあえなくここでノックアウトとなり、エース・市原にスイッチします。

滝川第二も負けじと8回裏に1点を返しますが、報徳は9回にも小園の死球→二盗からチャンスを作り、2番村田のタイムリーでダメ押しとなる貴重な1点を追加。そのまま逃げ切り、報徳が春の雪辱を果たして準々決勝に進出しました。

試合終了後
試合スコア

思い出

この日の姫路球場で最も印象に残っているのが、球場全体の”熱気”です。4回戦で早くも優勝候補同士が激突するとあって、広い姫路球場の内野席はほぼ満席となり、4回戦とは思えないほどの熱気に包まれ、雰囲気は最高でした。また、僕はバックネット裏の上段で観戦していたのですが、目の前には当時西武のシニアディレクターを務めていた渡辺久信氏(元西武)が座っており、その数段前には当時阪神の球団本部付テクニカルアドバイザーだった和田豊氏(元阪神)の姿も確認できました。この試合は小園選手目当てに多くのスカウト陣が集結しており、注目度の高さもかなりのものでした。

この日、姫路球場の熱気は凄まじかった

もう一つ印象的だったのは、両チーム合わせて3本のホームランが出たことです。兵庫県の高校野球の特徴は「投高打低」であり、広い球場が多いこともあってホームランを観る機会は決して多くはありません。正確には覚えていませんが、僕が兵庫県大会で一試合3本のホームランを観たのは後にも先にもこの試合だけのような気がします。そして極めつけが、小園選手が放った鮮烈のバックスクリーン弾でした。同点の7回、次の1点が大きく試合を左右するような状況で、多くの観衆とスカウトが注目する中、小園選手は周囲の期待に完璧に応え、度肝を抜きました。僕は春夏秋の県大会で姫路球場にもよく足を運びますが、中堅120メートルの姫路球場でバックスクリーン弾を観たのも、この一発だけです。まさにスターがスターたる所以を垣間見た瞬間であり、この時の球場の盛り上がりは今でも鮮明に覚えています。

今ではすっかり球界を代表する選手にまで成り上がった小園海斗選手。僕は報徳学園での一年時から彼を見続けていましたが、当時から既に野球センスは抜きん出ており、打力、守備力、走力すべてバランスよく高いレベルにありました。「この子は将来プロに行くんだろうな」とすぐにわかるほどのオーラをこの頃から醸し出していたのです。その後、二年時に春のセンバツで4強入りを経験すると、この三年の夏も報徳学園は東兵庫大会を制覇。甲子園では8強入りを果たし、「小園海斗」の名を全国に轟かせました。そして最終的に、2018年のドラフトでは甲子園のスターとなった根尾昂(現中日)と同じく、4球団から1位指名を受けるほどの選手となり、今に至ります。

打席に立つ小園海斗。当時から注目度、評価ともに非常に高かった。

以前このコーナーで、第91回センバツ大会の準々決勝で来田涼斗(明石商・現オリックス)が放ったサヨナラ弾が最も強烈に印象に残っているホームランだと語りましたが、地方大会で最も印象深いホームランを挙げる場合、僕はこの小園選手のバックスクリーン弾を選びます。

それほどまでに、僕にとってこの試合は衝撃的でエキサイティングな一戦でした。

おわり

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