口語表現を積み上げる形の英会話習得が難しい理由

先日は授業のリクエストもあって、口語表現を教えていました。
すごいね!awesome!とか
OKわかった。Cool.とか、まあそういう口語表現もあれば、スラングっぽく
That's sick.(やばいね!← すごいね、という意味)
というのもあります。

で、英会話をやりたい、という学習者は、あるいは普通に英語を勉強していても、こういうのにとても惹かれる時期があると思うんですね。そのような表現集のような書籍もたくさんあります。

口語表現の積み上げで困ること

ただ、一つ(もっとあると思いますがひとまず一つ)気をつけておかないといけないことがあります。特に、英語の能力がまだ十分に育っていない場合、口語表現を積み重ねていっても英語力の向上には全く貢献しない、ということです。2つの意味で効果がありません。

1)Cool. と言うための、相手のことばがわからないままである。
伝統的な問題ですね。聞き取れない、ということです。そのために、英会話を学ぶときには「聞き取り」の勉強も奨励されることになりますが、結局聞き取ることができません。それが次の問題です。

2)Cool.とかSick.とか言うだけなので、英語の文の構造とか、少し長めの文にするための技法(英文法など)が学べない。だから、相手が言っている
こともわかりません。

これは「お祈りしてるよ!」で、Fingers crossed! という口語表現を学ぶ時にも、結局 finger + cross しかわかっていないので、fingers なのかどうかcrossedなのか、crossingなのか、crossなのかについては意識さえもありません。それでは、肝心な表現自体さえも記憶できないですね。

日常会話の基礎とは

常にそういった表現に触れているような生活をしているならまだしも(それでも最初の頃に覚えたものは間違いがとても多いでしょうし、そもそも時間がかかって仕方がありません)、日本で「勉強して習得する」のであれば、少なくとも英検準1級程度の英語がしっかり分析的に理解できるようになっていないと、「日常会話」でさえもうまくいかないことになります。

日常会話は簡単なのか?

日常会話とか口語表現とかいうと、何やら「簡単」というイメージが先行するかもしれませんが、外国のことばの大きな難関は「日常会話」です。そこには「書きことば」や「レクチャー」にはない「省略」がたくさん入っていますし、それが一瞬だけ聞こえてくるので、その瞬間にわからないといけない。分析する時間がない。というわけです。
「このピッチャーいいね。桑田・清原の頃からでもトップ3に入るね。」と言う
1)X世代のおじさんの
2)背景の理解が前提となっている
3)突然の関心のない話題に、
4)Z世代が答える、
のが日常会話になります。また
「岩塩って何?食卓塩は成分が違うの?」とかも完全なる「日常会話」ですが、それなりの難度です。そういうのに、Cool. Sick.なんかで乗り切れるはずがありません。

英会話の第一歩として

英会話を充実させたいならば、まずは通過するべきことがあって、それは本来なら学校で体系的に習っているはずの基礎的な文法だし、基礎的な単語だし、外国文化だし、国語で学ぶ表現力だし、社会や理科で学ぶ常識なんです。これらの学び直しを「英語を通して」することが「英会話」の第一歩になります。

以上のお話を動画でもしました。

しけんや英語塾でした!

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