「社会人先生」は学校の外だけじゃなかった|娘の学校で気づいた“リアルな学び”の話
「あなたももう“先生”かもしれない」
そんな書き出しのnoteを、先日読んだ。
あなたが今日ふつうにやっているその仕事が、
誰かにとっては「授業」になるかもしれない。
社会人の“当たり前”は、未来の誰かの“すごい”。
その言葉を読んで、
胸が少し熱くなる感覚があった。
同時に、私は娘の学校のことを思い出していた。
娘が通うのは、イギリスの「アカデミー校」
娘は、イギリスの Academy(アカデミー) という形態の学校に通っている。
これは、私企業や財団から資金提供(Founding)を受けて運営されている
Community Schoolの一種で、
いまではイギリスの学校の中でも、かなりの割合を占めるようになってきた。
ただ、でき始めの頃は、
正直ネガティブな声も多かった。
教員免許を持っていない人が教壇に立つなんて大丈夫?
Council(行政)が介入できないから問題が大きくなりやすい
子どもを預けるのが不安
今思えば、
情報が錯綜していた部分も多かったのかもしれない。
5年通って思うこと。「Academyでよかった」
娘がこの学校に通って、もう5年。
今の率直な感想は、
「Academyでよかった」 ということ。
正確に言うと、
「娘が通っているこの学校がよかった」という前提はあるけれど、
その理由のひとつが、
“社会人先生”が在籍していることだった。
娘が出会った「社会人先生」
娘が「社会人先生から学んでいる」と聞いたのは、
Math(数学)と Computer Science の先生。
Mathの先生は、いわゆるFIREした人
Mathの先生は、
元・大手銀行の投資部門でトップまで上り詰め、
不動産投資をして十分な資産を築いた方で
いわゆる FIRE した40代後半の男性。
資産は十分に築き、
いまは「趣味が教えるコト」だから教員をしているらしい。
スタッフレベルの先生なのに、
誰よりも仕立ての良いスーツ
明らかにいい車に乗っている
という、ちょっと面白い現象も起きていた。
正直に言えば、
Mathの専門知識だけなら、
他の先生の方が深いかもしれない。
でも――
彼が語る
「銀行の役割」
「投資のリアルな話」
「社会でお金がどう動いているか」
それが、娘を含む子どもたちには
ものすごく興味深かったらしい。
娘が後から言っていた。
「質問したとき、投資の話だけは
めちゃくちゃ流暢に、いっぱい教えてくれた(笑)」
目先のテストだけを考えたら、
他の先生に習った方が有利な場面もあったかもしれない。
でも、子どもたちは
“リアルな社会”に、強く惹かれる。
Computer Scienceの先生も、実務経験が豊富
Computer Scienceの先生も、
教員歴より実務経験の方がずっと長い。
その分、
教科書通りではない
実践的なアドバイスがもらえる。
娘はこの環境に、とても満足している。
子どもたちが本当に知りたいのは、学校の外の世界?
教員免許という制度は、もちろん大切だと思う。
教員一筋で積み上げてきた経験や知識があるからこそ、
解決できる問題もたくさんある。
これは、
「教員一筋の先生」を否定しているわけじゃない。
ただ、思うのはこれ。
子どもたちが本当に知りたいのは、
学校という組織の外にある世界なのかもしれない、ということ。
だからこそ、
教育のプロとしての先生
社会の現場を知っている先生
この 両方がいること が、
とても大事なんじゃないかと思う。
どちらか一方ではなく、
バランス。
両方の良いところを、
混ぜ合わせるような形。
社会人先生は、特別な存在じゃない
最初に読んだnoteの著者さんが書いていた内容とは、
少し違う話かもしれない。
でも、娘の学校での経験を通して思う。
「社会人先生」は、
どこか特別な人の話じゃない。
自分の経験を、
自分の言葉で語れる人。
その姿を見せるだけで、
誰かにとっては、立派な“先生”になる。
もしかしたら、
私たちが思っている以上に、
「先生」は、もう身近な存在なのかもしれない。
