【疲れ切った時でも身体が動く】 「背中を使う」身体操作
「仕事で疲れ果てて、もう一歩も歩きたくない。」
「トレーニングで限界まで追い込み、身体が動かない。」
「試合終盤、スタミナが切れて思うように動けない。」
このような経験は、スポーツをしている人だけでなく、多くの人が一度はあると思います。
疲れ切った時は、「根性で頑張るしかない」と考えがちです。
しかし武術では、疲れた時こそ身体の使い方を見直す最大のチャンスだと考えます。
身体が元気な時は、多少無理な使い方をしていても筋力で補えます。
しかし、本当に疲れ切ると筋力では補えなくなります。
だからこそ、その時の身体の使い方には、本当の癖が表れるのです。
疲れた時ほど手足だけで動いてしまう
疲労が溜まると、多くの人は無意識のうちに手先や足先だけで動こうとします。
歩く時は脚だけで踏ん張る。
荷物を持つ時は腕だけで持ち上げる。
立ち上がる時は太ももだけに力を入れる。
その結果、身体の末端ばかりに負担が集中し、「もう動きたくない」という状態になってしまいます。
疲れている時ほど身体は硬くなり、血流も悪くなります。
その状態でさらに手先・足先ばかり使えば、疲労はますます蓄積されてしまいます。
背中を意識すると身体全体が動き始める
そんな時、私が必ず意識するのは、
「背中で動く」
ということです。
ここで言う背中とは、肩甲骨や背骨を中心とした体幹全体を指します。
疲れ切って細かいことを考えられない時でも、「背中を使う」と意識するだけなら誰でもできます。
意識できるなら、
腕を動かす時は、手ではなく肩甲骨から。
脚を動かす時は、足ではなく股関節から。
この意識に切り替えるだけで、不思議なほど身体が軽く感じられることがあります。
武術では、身体の中心から動くことを何より大切にします。
疲労時ほど、この基本が身体を助けてくれるのです。
心臓に近いところから動かすと楽になる
これは私自身が稽古を重ねる中で感じてきたことですが、身体の中心に近い部分を意識すると、動くことが楽になります。
もちろん、人間の身体は単純に「心臓に近いから楽」というものではありません。
実際には、肩甲骨や股関節、背骨など身体の中心に近い部位を使うことで、全身が連動しやすくなります。
すると、一部の筋肉だけに負担が集中せず、身体全体で力を分散できるため、結果として疲れにくくなるのです。
武術では、この「全身で動く」という感覚を何度も稽古します。
だからこそ、限界まで疲れた時ほど、その差が大きく表れます。
限界だからこそ身体操作が身につく
私は、こんな場面で必ず試します。
・徹夜で仕事をした後。
・炎天下で長時間活動した時。
・格闘技のハードなスパーリングの終盤。
・筋力トレーニングで追い込んだ後。
・全力ダッシュを何本も繰り返した後。
・病気で身体が重い時。
どれも身体は限界です。
それでも、「背中で動く」と意識するだけで、あと少し動けるようになることがあります。
まるで消えかけた火が、再度燃え上がるような感覚です。
身体の奥から、もう一度エネルギーが湧いてくるように感じます。
最後の一歩を支えるのは身体操作
スポーツでは、勝負を分けるのは最後の数秒、最後の一歩であることが少なくありません。
その時、根性だけで身体を動かそうとすると、力みが生まれ、さらに動けなくなります。
しかし、身体の中心を意識すると、余計な力みが減り、本来の力を最後まで発揮しやすくなります。
これは武術だけではなく、ランニング、登山、筋力トレーニング、仕事など、あらゆる場面で応用できます。
まとめ
疲れ切った時は、身体も心も余裕がなくなります。
だからこそ、複雑なことを考える必要はありません。
「背中を意識して動く。」
これだけです。
背中を意識すると、肩甲骨、背骨、股関節といった身体の中心が働き始め、手先や足先だけに頼る動きから抜け出しやすくなります。
その結果、身体全体が連動し、限界だと思っていた状態でも、もう一歩前へ進める力が生まれます。
頑張っている人ほど、疲れ切る場面は必ずあります。
その時こそ、武術の身体操作を思い出してください。
「背中から動く。」
このシンプルな意識が、あなたの身体を支え、最後の一歩を生み出してくれます。
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