身体管理学協会ニュース【2025年11月15日発行】

身体を正しく管理できる人を日本中に増やそう!/日本身体管理学協会事務局
◉【今週のご挨拶】
この身体管理学協会ニュースは、毎月1日と15日の月に2回配信しております。
皆さまこんにちは。日本身体管理学協会事務局です。
11月も半ばとなり、冬の訪れを肌で感じる季節となりました。
帰宅が夜になる日が多く、最寄駅から自宅までの約5分くらいでも「あー、寒くなったな・・・」と。
街のイルミネーションが灯り始め、年末に向けて慌ただしさが増してくる時期でもあります。
この時期、私たちトレーナー・健康指導者の現場では、クライアントから「健康診断の結果が気になる」というご相談が増えてきます。
その中には、肝機能の数値に関するお悩みも多くあります。
「肝機能の値が高いと言われたけど、どうすればいいの?」
「γ-GTPの数値が気になる...お酒は控えめなのに」
これらの質問に、皆様はどう答えていますか?
単に「運動しましょう」と伝えるだけでは、クライアントの信頼を得ることはできません。
病気の診断は医師の専権事項ですので不可侵ですが、予防のための指導は私たちの専門領域です。
「なぜ運動が効果的なのか」「どんな運動が最も適しているのか」を、科学的根拠に基づいて説明できることもプロフェッショナルとして必要なことだと思います。
今回は、肝臓の検査について基本を押さえるとともに、肝機能低下予防における運動の効果について、最新の医学論文を引用しながらご紹介します。
年末に向けて、クライアントの健康管理を支える知識を、ぜひ身につけてください。
◉【身体管理学協会からのお知らせ】
なぜ、あの人のクライアントは離れないのか?
トレーナー・健康指導者として活動していると、こんな疑問を感じたことはありませんか?
「同じように指導しているはずなのに、なぜあの人のところには長く通うクライアントが多いのだろう?」
「技術は負けていないはずなのに、なぜ紹介が来ないのだろう?」
その答えは、シンプルです。
「本質的な知識と、それを伝える力の差」
表面的なテクニックや流行のメソッドは、すぐに古くなります。しかし、人体の構造と機能の本質を深く理解し、科学的根拠に基づいて説明できる力は、一生の財産となります。
身体管理指導士®が選ばれる理由
理由1:医学的知識の「深さ」が違う
「なぜこの運動が良いのか?」
「なぜこのストレッチが必要なのか?」
こうした質問に、医学的根拠を持って明確に答えられることが、クライアントの信頼につながります。
本講座では、整形外科系・内科系の両方の視点から、人体を統合的に理解できる力を養います。
理由2:「考え方」を身につけられる
知識を暗記するだけでは意味がありません。
目の前のクライアントの状態を評価し、何が問題で、どうアプローチすべきかを論理的に考える力。これこそが、本物のプロフェッショナルに必要な能力です。
本講座では、ケーススタディを通じて、「考え方」を徹底的に鍛えます。
理由3:現場で使える「実践力」
学んだ知識を、明日からの指導に活かせなければ意味がありません。
トレーニング理論、栄養学、休養学、アセスメント技術、テーピング実技...すべてが現場で直結する内容です。
理由4:一生の仲間との出会い
全国から集まる、本気で学びたいトレーナー・指導者たち。この出会いと学び合いが、あなたの視野を広げ、モチベーションを高めます。
こんな方にお勧めです
✓ クライアントから「なぜ?」と聞かれて答えられなかった経験がある
✓ 医学的な知識を体系的に学び直したい
✓ 差別化できる専門性を身につけたい
✓ 内科系疾患を持つクライアントの指導に自信を持ちたい
✓ 長く選ばれるトレーナー・指導者になりたい
【重要】2025年度 最後の募集
次回開講は2026年春を予定しております。
多くの受講生から「もっと早く学んでおけば良かった」というお声をいただいております。
一日でも早く学び始めることで、あなたの指導人生が変わります。
学びに「遅すぎる」ということはありませんが、「早すぎる」こともありません。
◉内科的身体管理の視点
【第83回:「肝臓の現状を調べる検査と予防のための運動に関するエビデンスの紹介」】
こんにちは、理事の神谷です。
このnoteを読んでくださっている皆様へ、身体管理を指導するトレーナーに必要な内科系関連の情報を、最近のトピックス等を交えてお伝えします。
今回は、肝臓の検査について基本を確認するとともに、肝機能低下予防における運動の効果について、最新の医学的エビデンスを3つのポイントでご紹介します。
肝臓の検査:知っておくべき基本項目
まず、クライアントの健康診断結果を理解するために、主要な肝機能検査項目を確認しましょう。
重要な注意事項:基準値は検査機関によって異なります。必ずクライアントが受けた検査機関の基準値を確認してください。
AST(GOT)とALT(GPT)
ASTとALTは、肝細胞に含まれる酵素で、肝臓にダメージが加わると血液中に放出されます。
一般的な基準値の例:AST 7~38 IU/L、ALT 4~44 IU/L
日本肝臓学会による受診推奨基準:ALT>30の場合、かかりつけ医への受診が推奨される(奈良宣言2023)
ALTの特徴:肝臓に多く含まれるため、肝臓障害の指標として重要
ASTの特徴:心臓や筋肉にも含まれる
γ-GTP
γ-GTPは、肝臓や腎臓などに含まれる酵素で、アルコールや脂肪の代謝に関与します。
一般的な基準値の例:男性80 IU/L以下、女性30 IU/L以下
特徴:アルコールに対して敏感に反応するが、非アルコール性脂肪肝でも上昇する
トレーナーとして理解しておくべきこと
検査値の解釈は医師の専門領域であり、トレーナーが診断を下すことはできません
しかし、基本的な検査項目の意味を理解することで、クライアントとのコミュニケーションが円滑になります
異常値が見られた場合は、医師の診察を受けるよう促すことが重要です
ポイント:【運動は体重減少なしでも肝脂肪を減少させる】
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の改善において、運動の効果は体重減少に依存しないことが明らかになっています。
2023年に発表されたStine JGらによるシステマティックレビュー・メタアナリシスでは、運動トレーニングが肝脂肪含有量に与える影響を検証しました(Stine JG et al., American Journal of Gastroenterology, 2023; 118(7):1204-1213)。
この研究では、MRI(磁気共鳴画像法)で測定された肝脂肪含有量を指標として、運動介入の効果を評価しています。
主な研究結果:
運動トレーニングを行った群は、標準的な臨床ケアのみの群と比較して、臨床的に意味のある肝脂肪減少を達成する可能性が3.5倍高い
この効果は、臨床的に有意な体重減少(5%以上)がなくても認められる
つまり、運動そのものが肝臓の脂肪蓄積を改善するメカニズムを持つ
【現場への応用】
クライアントから「体重が減らないから効果がない」と言われた際、このエビデンスを示すことで、継続的な運動の重要性を科学的に説明できます。体重にとらわれすぎず、運動習慣そのものが肝臓に与える直接的な利益を強調しましょう。
【引用文献】
Stine JG, DiJoseph K, Pattison Z, Tressler J, Schlachter T, Jiang ZG. Exercise Training Is Associated With Treatment Response in Liver Fat Content by Magnetic Resonance Imaging Independent of Clinically Significant Body Weight Loss in Patients With Nonalcoholic Fatty Liver Disease: A Systematic Review and Meta-Analysis. American Journal of Gastroenterology. 2023;118(7):1204-1213.
DOI: 10.14309/ajg.0000000000002098
PubMed PMID: 36723494
◉編集後記
街のあちこちでイルミネーションが灯り始めましたね。
この時期になると、一年の終わりを意識し、「今年は健康目標を達成できたかな」と振り返る方も多いのではないでしょうか。
「運動した方がいいのは分かっているけど、何をすればいいか分からない」 「ジムに通っても、本当に肝臓に効いているのか実感がない」
こんな声を聞くたびに、私たちトレーナー・健康指導者の役割の重要性を感じます。
医師は診断と治療を担当しますが、日常的な運動習慣の構築と継続的なサポートは、私たちの専門領域です。
クライアントの「何をすればいいか分からない」という不安を、科学的根拠と実践的な指導で解消できるのは、私たちだけなのです。
年末年始に向けて、忘年会や新年会が増え、生活リズムも乱れがちになります。
だからこそ、今のこの時期に、クライアントに正しい知識と実践的なプログラムを提供することが重要です。
私たちの仕事は、単に運動を教えることではありません。
クライアントの人生の質を高め、健康寿命を延ばすことです。
そのために必要なのは、常に学び続ける姿勢と、科学的根拠に基づいた指導です。
冬の寒さが本格化するこれからの季節、運動を敬遠しがちなクライアントも増えるかもしれませんね。しかし、だからこそ私たちの専門性が求められる時期でもあります。
一人でも多くのクライアントが、健康で充実した毎日を送れるように。 そして、私たち自身も、プロフェッショナルとして日々成長できるように。
次回の配信は12月1日を予定しております。
寒さが厳しくなってきますが、皆様もどうぞご自愛ください。
一般社団法人日本身体管理学協会
公式ホームページ:https://www.shintaikanri.com/
お問い合わせ:https://www.shintaikanri.com/contact/
