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冷やし中華は案外に大変

きゅうりだけ冷やし中華

今日は、きゅうりだけ冷やし中華。かざりのトマトも主役です。

雨で買い物に行く気力なし。止んだかなと思ってもまた降り出す。きっと外に出たら、ざーざー降ってくるやつよね。

今日は、冷蔵庫にあるものを食べましょう。
冷やし中華がある。でも、ハムもないし、卵もないんだよね。今日は、きゅうり冷やし中華にします。
きゅうり2本を丁寧に切るのもめんどくさくて、すごく雑な千切りが出来上がりました。まあ、いろいろな歯応えが楽しめるということで、良しとします。

麺を茹でて、ザルにあげて、水で締める。タレはお酢と胡麻油を足して、少しだけアレンジします。
盛り付けて完成。
きゅうりだけでも、わりとおいしい。いい感じにビールが飲めます。

冷やし中華は手抜き風の重労働

それにしても、冷やし中華って手がかかるな。
なんとなくお手軽なイメージだったけれど、ちゃんと火を使うし、包丁も使うから大変です。

同じような印象がポテトサラダ。
両方とも、おいしいけれど、さらっと流してしまいがちです。おもてなしにはならない存在。
冷やし中華もポテトサラダも、食べる側は「さっぱりしたもの」「定番の副菜」として気楽に口にします。

でも、作る側にとっては工程が多すぎる。名ばかりの手抜き風メニューの代表格です。
どちらも、茹でる、刻む、冷ますなど、具材ごとに異なる下処理が必要で、最後に合流するという共通点があります。

私にとっての“それ”は餃子

私にとって、それ的な存在は餃子もそうです。
キャベツとニラを刻んで塩もみして水切り。香味野菜を刻んで、それらとお肉を混ぜて、包んで焼く。
二人分作るだけでも大変なのに、家族分まで作ったら感覚が家内工場化しますね。
ポテトサラダと同じ、単純作業の反復が相当に大変です。

井戸端会議と餃子200個

子どもの頃、ご近所に男の子三人兄弟のお宅がありました。私より年上のお兄さんたちは、みんな運動部。
おばさんが母の井戸端会議仲間で、よく家の前で立ち話をしていました。
別の奥さんと3人でずいぶん長いことおしゃべりをしていた日に、「3人寄って文殊の知恵?」と話しかけて、母にすごく怒られたことがあります。
覚えたばかりの諺で、語感が楽しかった。おばさんたちの井戸端会議を軽く冷やかしたつもりでしたが、真剣な井戸端会議にだいぶ失礼でしたよね。
母に首根っこを掴まれて家に引き摺り込まれ、引っ叩かれた記憶があります。
それ以来、井戸端会議は遠巻きに眺めるようになりました。もしくは盗み聞き。笑

三人兄弟のお母さんは、おしゃれな奥さまという感じの人でしたが、作る食事の量がすごい。
お米は五合炊きで朝晩炊いて、トーストは一斤が朝になくなる。お肉はキロ単位で買っていたらしいし、牛乳をスーパーに買いに行くのでは間に合わないから、その頃は珍しくなっていた牛乳屋さんに配達してもらっている。
女の子二人の我が家とは、スケールが違いました。

餃子200個の衝撃

奥さまが家の居間でおしゃべりをしていたのを、こっそり聞いていたら餃子の話をしていました。

母「今日のお夕飯の献立はなあに? うちは海老フライよ。めんどくさいわ」
奥さま「あら、いいわね。美味しいけど、揚げ物は大変よね。家は餃子よ。刻んだり、包んだりを考えると嫌になるわ」

母「餃子も大変よね。うちは女の子だから、自分の分は自分で包ませるわ」
奥さま「女の子はいいわね。家はお手伝いなんてしないし、馬鹿みたいに食べるのよ」

母「男の子は大変よね。お宅はみんな運動もしてるし」
奥さま「餃子は、1人50個以上食べるのよ。だから200個以上焼くの。200個よ! 包むのも大変だけど、8回くらい焼くのよ。フライパン二つで、ずっと焼きっぱなしよ」

母「200個以上? それじゃお店じゃない! 家は4人で一回しか焼かないわ」
奥さま「でもね、お母さんの餃子が一番おいしいなんて言われるからやっちゃうのよね。そろそろ帰らないと。今日は準備が大変だわ」

奥さまは、早々におしゃべりを切り上げて帰っていきました。

母は200個で死ぬ

200個だって。お兄さんたち、たくさん食べるんだね。
家は1人6個くらいしか食べないけど、ママはめんどくさいって怒ってるし、かき混ぜたり包むお手伝いも、「ちんたらやらないで!」と叱られるし。
ママは、200個作ったら、たぶん怒りすぎて死んじゃうよ。
一緒に盗み聞きしていた妹と、コソコソ話し合いました。

手間だけが昔のまま残っている

大人になってもずっと手作りにこだわっていた餃子。
あまりにめんどくさく感じるようになったので、最近は冷凍も使っています。
餃子を焼くたびに、餃子200個の井戸端会議を思い出します。

餃子の手数は減ったし、ポテトサラダは買ってすませる。
でも、冷やし中華の手間は昭和の頃と変わっていない。
あの頃も今も、手がかかるのです。
餃子は冷凍で省略できる。ポテトサラダは買える。コンビニで冷やし中華は買えるけれど、家で作るおいしい冷やし中華は、まだ誰も代わりに作ってくれない。

奥さまのお宅の昭和50年代冷やし中華の風景を想像してみました。
きゅうりとハムを果てしなく千切りにし、錦糸たまごを焼きまくって、奥さまが1人で冷やし中華工場化している姿が思い浮かびました。
大変だ。
意外に現代でも手間が変わらないから、令和のお母さんも大変だ。

私は、家族の分の冷やし中華を作るお母さんにはなれなさそうです。
自分の分でも、ため息を吐くくらいですから。
冷やし中華は、手間がかかる。声を大にして言います。おいしいですけどね。


きゅうりだけ冷やし中華。
案外においしい。

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