50代の背徳チャーハンと有田焼の20年
ときどき、無性に食べたくなるもの
ときどき、無性に食べたくなるものがあります。それが、チャーハンです。
白米と、ハムと油。
もう、間違いなくギルティだとわかっています。アラフィフがお腹いっぱい食べるものじゃない、ともわかっています。でも、食べたくなるのです。
チャーハンは、どかん!と作って、どかん!と食べたい。
罪が重すぎます。
中途半端に少なく作って、ちんまり食べるのではダメ。満足できません。
狙い目は、自宅で仕事をしている日のランチです。お米を炊いておけば、すぐにできる。夜に食べるより、罪状は軽い。
具材はシンプル。ピーマンとハム、贅沢に卵を2個。味付けは、中華スープの素と塩胡椒、最後に醤油を少しだけ。
多めの油を熱して、まずは卵をふんわり緩めに炒めます。卵をいったん取り出したら、温かいご飯とピーマン、ハムを炒め合わせ、中華スープの素を加える。
ご飯が油をまとって光ってきたら、卵を戻し、塩胡椒。最後に醤油を鍋肌から回し入れて、ざっと混ぜたら完成です。
丼に盛って、大きめのお皿にひっくり返す。ブラックペッパーをたっぷり振れば、出来上がり。
アラフィフ女子の敵、背徳チャーハンです。
チャーハンには、この皿
おいしい。
パラパラに仕上がっているわけではありません。でも、自分でどかん!と作ったチャーハンは、おいしいのです。
そして、チャーハンには、この有田焼のお皿と決まっています。
実家を出たばかりの2000年代半ばごろ。青山のアクタス。いや、新宿のアクタスで買いました。現在のフラッグシップストアができる前のお店です。記憶が曖昧です。
当時の私は、「おしゃれに暮らしたい」と思っていました。いくつかのお店のお皿と迷った末に選んだのが、この有田焼です。
全然高くない、普通のお皿。
モダンな和の柄に惹かれました。
一緒に、5寸鉢も二つ買いました。何を盛り付けるつもりだったのかは、不明です。
でも、その5寸鉢は冷奴や、和風のおかずのお皿として大活躍。一つはだいぶ前に割れ、もう一つも最近、不注意で割ってしまいました。残念です。
ワンプレート女子だった頃
この大皿は、一人ご飯のワンプレートにぴったりでした。
30歳前後の私は、女子らしいかわいらしいご飯を、少し和風に寄せたりして盛り付けていました。
今思えば、なかなか頑張っていた。
でも、ある日、無性にチャーハンが食べたくなったのです。
どうせ食べるなら、山盛りにしよう。
そう思って作ったら、このスタイルになりました。
たぶん、チャーハンを山盛りにしなきゃやってられないような、ムカつくことか何かがあったのでしょう。
50代になった今は、昔ほどムカつく感情がなくなりました。でも、30代の私は、血気盛んでしたから、強い感情があったのだと思います。
いつもは、ちょっと気取ったワンプレートのお皿が、背徳飯の背景に変わった瞬間です。
お皿が見てきたもの
30代半ばから、和食器は土ものを集め始めました。洋食器は、IKEAの365+のシンプルな白を買うように。IKEAに合うガラスの食器も見つけたら買います。
華やかな九谷焼もいくつか買いました。
実家終いで、いくつかの食器を譲り受けました。
有田焼を買い足すことは、ありませんでした。
でも、このシンプルでモダンな感じのお皿は、土ものにもIKEAにも合う。だから、ずっと使っています。
ちょうどいい大きさで、手巻き寿司の日にはお刺身を盛ったり、テーブルコーディネートの縁の下の力持ちになったり。
もう20年です。
私のお皿の中では、古参。
気づけば、この皿は、私の変遷をずっと見てきました。
お皿のバリエーションが増えて、この有田焼をワンプレートとして使うことは減りました。大人になって、一人ご飯にワンプレートをほとんど使わなくなったことも理由です。
今では、このお皿がメインを張るのは、チャーハンと餃子のとき。
30代の激しい感情の名残かもしれません。
なぜか、このお皿には、背徳飯が合うのです。
手触りが残る記憶
15年くらい前、アクタスの新しいフラッグシップが青山にできました。
有田焼があったら買い足したいな、と思ってのぞいてみたのですが、ありませんでした。
今でも、有田焼のお皿は気になって見ています。
割ってしまった5寸皿や、このお皿くらいのサイズで、いいものがあったら買い足すつもりです。
買ったら、彼と二人で、山盛りのチャーハンを食べたい。笑
アクタスで出会ったお皿は、私の一部です。
思い出もあるし、定番のメニューもある。
手触りが残る記憶なのです。

もちろん一人前ですよ。
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