転職の神様
マサルは、これまで何百回と職場を変わっている。
初めの頃は、母や祖母から
「今度はどこね?」と職場を聞かれ
「今度こそは長く勤められるといいね」と言われ続けていたが
あまりに変わるので、そのうち皆が諦めた。
転職の回数がギネス級では?と思って調べたことさえある。
(登録記録はないようだった)
税の滞納者の中には
「なかなか仕事が決まらなくて・・・」と、長期間求職活動を続けている者もいるが、私はマサルのような人間を知っているため、アドバイスしたくなるほどだ。
マサルを見ていて思った、仕事が決まる資質をいくつか整理する。
1.外見
やっぱり見た目だと思う。
100%とまでは言わないが、大部分はここで決まるのではないだろうか。
就職が決まらない滞納者は、前歯のない方、髪や服装に清潔感のない方が多い。
マサルはまめに白髪染めをしていたし、周囲を待たせてでも身支度には手を抜かないタイプだった。
シンプルに、まずは外見を整えることがスタートだと思う。
2.自信満々
声が大きい。
理由はなくともいつも自信満々だ。
常にポジティブ。
落ち込んでいるのを見たことがない。
天性なのか、馬鹿なのかは分からない。
自慢話もさらりとしていた。
3.慣れ
単純に慣れもあると思う。
マサルは、もともと緊張するタイプではなかったが
たとえあがり症の人でも何百回も面接をこなせば
さすがに慣れるだろう。
4.仕事自体の難易度もそれほど高くない
そもそも難易度の高い会社や仕事ではない。
誰でも申し込めるような職場が多い。
そうはいっても、毎回選ばれるのだから
それなりの理由があると思う。
マサルは、本当によく仕事が決まるが、よく辞める。
これが最大の弱点だろう。
職場では、器用なので何かと重宝される。
もうちょっと続けられたら、上のポジションにいけるのでは?と思うのだが、その前に辞めてしまう。
そのため、またリセットされて再スタートだ。
そんなマサルも60代だが、いまだ現役の転職選手だ。
