サン=サーンス 交響曲第3番 ハ短調 「オルガン付」
デュトワ モントリオール交響楽団
静寂を切り裂く弦の震えが、暗闇に火を灯す。
ため息のような旋律は、やがて深い祈りの海へと沈みゆく。
パイプオルガンの重厚な低音が、
大伽藍の石床を、優しく、厳かに揺さぶり始める。
ピアノのアルペジオが光の飛沫となって跳ね、
荒れ狂う嵐のようなスケルツォが、生を鼓舞する。
だが、その混沌を打ち砕くのは、
ステンドグラスを突き破り、天から降り注ぐ、ハ長調の圧倒的な光。
フィナーレの幕開け、巨大な白亜の壁が迫るような、
オルガンの凄まじい斉奏が、
大聖堂の虚空を震わせる。
地鳴りとなって地平を割り、
音圧の巨人が天を支え、
吹き抜ける旋風が、灰色の世界を黄金に塗りつぶす。
私はこの鳴り止まぬ凱歌のなかで、ついに神の領域へと突き抜ける。
いすみん
