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怒りは消えないーー脳は覚えている

終わったはずのあの怒りが
なぜか夜になると戻ってくる。
何でもない一言で、過去の感情がいっきに押し寄せる。
それは、あなたのせいじゃない。

人間だもの、気分がいい日もあれば、
うまくいかない日もある。
どうしても腹が立って仕方ない日もある。

やっかいなのは、
「終わったはずの怒り」が、ある日突然ぶり返すこと。

何でもない一言。
似た空気。
声のトーン。

それをきっかけに、過去の怒りが総出で襲いかかってくる。

あーきたよ。
今か。
これ、乗り越えないと眠れないやつ。


今日は、その正体と扱いを書きますね。


怒りは性格ではなく、脳の防衛装置


怒りは未熟さでも短気でもありません。

脳の中には、危険を察知する「扁桃体」があります。
傷ついた、否定された、軽んじられた――
そう感じた瞬間に警報を鳴らす装置です。

理性より速く
俊敏に反応します。

だから
「もう終わった話」でも
身体が先に反応するのです。

さらに脳は、出来事を単体で保存しません。
感情の強さでまとめて保存します。

似た痛みは、同じ引き出しに入れる。

今回の出来事が少しでも似ていると

これ前にもあった。危険。危険。危険。


と判断し、引き出しごと開き騒ぎ出すのです。

一度整理したはずの怒りが
まとめて出てくるのは、そのせいです。

消えてたのではなく
そのまま収納されていただけ。


乗り越えなきゃ眠れない夜の、やり方


問題はここからです。

怒りがざわめきすぎて、眠れない夜。

布団に入ると再生が始まる。
あの顔、あの声、あの一言。

止めようとすると、余計に強くなる。

それはあなたのせいではありません。
神経が戦闘モードに入っているだけ。

だからやることは、
勝つことでも、抑え込むことでもない。

戦いを終わらせること。


① 頭の中で勝とうとしない


昔の怒りに言い返し続けている限り、
脳は「まだ戦闘中」と判断します。

それっ 勝たなくていいやつです。

代わりに、実況します。

今、怒ってる。
まだ悔しい。
かなり腹立ってる。

頭の中で起きていることを
俯瞰しながら実況してます。
そうやってその怒りを
他人事のように眺めるのです。


そして評価しない。
正当化しないで
ただそのまま認めてしまいます。

遠い目をしながら
「そんなことあってねー」って

それだけで、扁桃体の熱は一段下がります。


② 怒りの下にあるものを見つける


怒りの奥には、必ず別の感情があります。

悲しかった。
寂しかった。
大事にされたかった。
わかってほしかった。

のような
怒りとはほど遠い柔らかい気持ち。

眠れない夜は
怒りを片づける夜ではなく
本音を見つけてください。

「本当は、どうされたかった?」

ここに触れられた瞬間、
神経は少しずつ静かになります。


③ それでも無理なときは、身体から落とす


理屈が通らない夜もあります。

そのときは心をどうにかしない。

・呼吸 長くゆっくり吐く(短く吸ってー長く吐く)
・足の指をぎゅっと握ってゆるめる
・布団の重みを感じる

身体が「安全」と判断すると
脳は落ち着いて
身体の力も抜けてきます。

感情や身体が静まっていきます。


ほんとうに伝えたいこと


怒りがぶり返すのは、
あなたのせいでも、執着しているからでもない。

あの時は、最善を選んだ。

飲み込んだのも、
笑って終わらせたのも、
間違いではなかった。

ただ――
今のあなたの感覚が、あの時よりも繊細で正確になっただけ。

怒りは、過去を責めているのではない。

「あれは本当に嫌だった」

それを、はっきりさせに来ているのです。

眠れない夜にやることは、
反省会でも、対策会議でもない。

たったひとつ。

自分の判断をごまかさずに認めること。

理由づけもしない。
正当化もしない。
誰かを裁かない。

ただ、事実として置く。

怒りは、
誰かを倒すためではなく

自分の感覚を、曖昧にしないためにある。

そこがはっきりした瞬間
感情の熱は役目を終える。

眠れない夜は
戦う夜でも、作戦を立てる夜でもない。

自分の感覚に、「判」を押す夜。

それができたら
もう十分。

眠れないほど怒れるのは、
まだ自分を諦めていないから。


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