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雪が青くなる頃の話

何か不安な事があったりして眠れない時ってないですか?
私はそんな時心を落ち着かせるために思い出す光景がある。

それは、北見の祖父の家。
年末年始は6時間かけて向かい、大晦日におせちを食べて牡蠣の酒蒸しを山の様に食べて、夜はビンゴをやって、ババ抜きをして寝る。
次の日は、お正月番組を見て祖父母が作ったあんこ餅を食べてゴロゴロしている。
夕方のオレンジ色のひかりに雪が染め抜かれた感じ。そこから、陽が落ちて雪が青くなる様をリビングの窓から見ている。
続・氷点のラストシーン、燃える流氷を読んだ時このリビングからの光景を思い出したくらい美しかった。
こたつに入って晩御飯までお昼寝。
その生活が三ヶ日を過ぎるくらいまで続く。大体2日くらいにイオンの映画館に行って家族でお正月映画を見る。
家に帰ってきても、お正月特番などはあまり面白くなく「犬神家の一族」、「ラストエンペラー」などの映画を見ていた様な気がする。
地元から6時間も離れているので、遊びに来る友人もいなく平和だった。

本当に平和な時間だった。

ちなみに、初詣は雪のため行かないのが殆どである。東京にきて「初詣に行かなきゃ」と焦っている義両親をみて「はて?」と思っていた。

この時の光景がずっと脳内に残っている。
元気だった祖父母。家族全員で食べたお節。夕方の映画…

いつの正月が最後だったのかわからない。
しかし、祖父母が介護施設に入所したのを聞いた私は一つの「安心できる場所」を失ったと思った。

もう2度と戻らないから、執着してしまう。
寝落ちする時、北見の家の門をくぐり、玄関からリビングに行く感じ。午後から祖母が二階でお琴を練習している音、朝早くにラジオを流して料理をする音を想像する。

眠れない時、私は今でも北見の祖父母の家へ帰る。
あの頃と同じように、雪が静かに青くなる頃には、いつの間にか眠っている。

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