お薬手帳がない日
今日は、母と初めての泌尿器科へ。
その先生から言われたことは、
いつも通院している病院と同じだった。
薬をいただき、
お水を飲んで、足を動かしてくださいね、と。
正直、私は
「行っても行かなくても同じじゃないかな」
と思ってしまった。
だけど母は、どこか
気が収まったような顔をしていた。
帰り道、二人でラーメンを食べた。
歩行器を押しながら、ゆっくり帰宅。
そして家に着いてから気づく。
「あれ、薬手帳がない…」
少し探してみたけれど見つからない。
母は、薬手帳のことはもう諦めたのか、
何も言わずに、柑橘系のはるみを一個取り出した。
二人で分けながら、黙って食べている。
さっきまで病院にいたことも、
薬手帳のことも、
なんだかどうでもよくなるような時間だった。
