神々の沈黙 最終章 時の観測者


第一節 約束の朝
夜明けは、音もなく訪れた。
東の空が群青から淡い藍へ、そして薄桃色へとゆっくり色を変えていく。
夜露をまとった草花は朝日に照らされ、小さな雫を宝石のように輝かせていた。
神殿を吹き抜ける風は穏やかだった。
一万二千年という果てしない歳月を見守り続けたその場所にも、今日という新しい朝は、何事もなかったかのように訪れている。
崩れた石柱。苔むした石畳。静かに流れる小川。
ここから先は
12,415字
/
8画像
¥ 700
Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
