神の子とダンジョン ・ 第27話 − 213
気持ちを抑えきれず思い切り走った。
旧市街入り口の正門によじ登る。
少し遅れてやってきたトール二世を引っ張り上げて、二人でそこからの景色を眺めた。
セルフィドの長雨に洗われたせいか、見慣れた旧市街がいつもより白く輝いて見えた。
秋の昼下がりの風が汗ばんだ身体に気持ち良く感じる。
「うん、二世君の言うとおりだ。」
旧市街を見渡しながらオイラは言った。
「ワクワクしてくるよね。」と二世君が言う。
石塔や宮殿の向こうを見つめる。
二人で飽きもせず、陽が傾くまでダンジョンと呼ばれる旧市街の景色を見ていた。
* * *
2時間前。
セルフィドは終わってからが大変だ。
嵐の間、城下の民達は家に閉じこもっていたのだから仕方ない。
ダンジョンと呼ばれている旧市街は、ハンターだらけ。
職人から学校に通っている子ども達まで、三日間を取り戻すかのように全力で学び、働いている。
レドヴィアの民は働き者ばかりだ。
トールは大きな道場主から呼び出されるし、エースさんの怪我は、まだ治らないし、オイラはソロでダンジョンに行く危険を冒す気にもなれないまま、
さて、どうしたものかと考えていた。
二世君が帰ってきたのは、ちょうどそんな時だった。
スフィーダのシルバーリボンに輝いた二世君でも、オイラがダンジョン行くかと問うと、二人だなんて危なすぎると素っ気ない。
学校は、スフィーダで名を上げた二世君がいると他の生徒が集中しないからと、帰宅を命じられたらしい。
「実際には、ジャック様のことばかり聞かれるのですよ。」
オイラより年下なのに、彼はそんな気遣いもしてくれる。
「それよりジャック様聞いて下さい。」と、二世君が地図を広げる。
彼が作った、旧市街の地図だった。
ヘぇ、二世君は本当に地図作りが好きだよね。
「そんなことはいいから、見て下さい。」ともう一枚の地図を広げた。
同じ地図に見えたから、そう言ったら二世君が嬉しそうな顔をした。
地図は同じ大きさに書いてますが、これは旧市街、こっちは今のレドヴィア城下の地図だと二世君が説明してくれた。
旧市街の方が広いので、街が似た造りになっていることに気がつく人は少ないらしい。
ダンジョン奥の旧公園跡と宮殿の位置に、現在の城下だと、レドヴィア城がある。
そして、城の表門のから、ノカナの国に向かう街道沿いに商いを行う店が並んでいる。
店、いわゆる商店は、すぐ分かる。
家の幅で税金の額が決まるから、建物は細長い形に建てられる。
「昔も、今と同じなんだね。
ねえ、オイラ達の屋敷はコレだよね?」と地図を指差すと、
「そうです。
今のレドヴィア城下は、大通りがあって、 その後ろに、大きな家が建てられ、さらにその後ろに、アパルトマンや宿舎があります。」そういう二世君の説明を聞いて気がついた。
「だけど、旧市街では商店の裏に、さらに小さな商店が並んでいるのです。」
ちょっと、二世君おかしいよね?
「民の家はどれ?」そのオイラの言葉を待っていたかのように、
「旧市街には、小さな家や宿舎は見当たらないのです。」と答える。
その言葉を聞いて初めてオイラは、二世君が嬉しそうに地図を広げた意味が分かったんだ。
「職人や子供達が住んでいた家がないなんておかしい。」そういうことだよね?
「はい。
服や食べ物、靴・武具にしても必ず店に出すために沢山の職人が必要だし、昔も衛士や役人がいたはずです。」
そうだ。
いたに決まっている。
「この地図の周りの何処かに、家や宿舎がないのは変だ。
オイラ、今まで気がつかなった。」
二世君が自分もですと、相づちを打つ。
「見つけよう!」
「はいっ。」
そして、二人は同時に言った。
「秘密だぞ。」
「誰にも言わないで下さいね。」
そして、オイラ誰は旧市街が見たくなって走り出したんだ。
続きます
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今回のタイトルカットも、フレキシブルフランクことChatGPTの作画
とにかく、一生懸命書いていたら、27話に達していたって感じです。
これからも、神ダンを楽しんで頂けたら嬉しいです。
柾しの
