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勇者という盾を捨てた日|夏目龍頭流闇文学入門|ダークファンタジー|ショートストーリー|AI画像生成|創作世界|深淵図書館

「勇者様、お願いします」
「君なら世界を救える」

そう言って、あなたは自分で戦いましたか?

※この作品は、美化されない「勇者のリアル」を題材にした創作フィクションです。一般的な勇者物語が好きな方は、ご注意ください。

勇者が魔王になった理由。
それは、人の痛みを知りすぎたから。

勇者という盾を捨てた日

僕は勇者だった。

今は、魔王だ。

なぜそうなったのか、君は不思議に思うだろうか。
勇者が魔王になるなんて、物語の中でもありえない展開だと。

でも僕にとって、それは必然だった。

勇者という名の盾

勇者になった日、僕は誇らしかった。
選ばれし者として、人々を守る使命を与えられた。
皆が僕を称賛し、期待の眼差しを向けてくれた。

「君なら世界を救える」

「勇者様、お願いします」

「僕たちを守ってください」

最初は嬉しかった。
でも次第に気づいた。

彼らは僕に「任せて」いるのだと。
自分の手は汚さず、自分の命は危険に晒さず、ただ僕に「丸投げ」しているのだと。

魔物が現れる。
人々は逃げる。
僕だけが立ち向かう。

「勇者なんだから、当然でしょう?」

そう言われた時、僕の中で何かが軋んだ。

当然?

僕だって痛い。
怖い。
死にたくない。

でも彼らは言う。
「君は勇者だから」と。
まるでそれが、僕の痛みを無視していい理由であるかのように。

期待という名の呪い

戦いに勝てば、彼らは喜ぶ。

「さすが勇者様!」

「また守ってくれてありがとう!」

でもそこに、感謝はあっても「申し訳なさ」はなかった。
僕が血を流して戦ったことへの、罪悪感はなかった。

勝って当たり前。

それが、勇者という存在だった。

そしてもし僕が負けたら?

「勇者のくせに弱い」

「あいつが負けたせいで、世界が終わる」

責任は全て、僕に押し付けられる。
彼らは何もしなかったのに。
ただ僕に期待して、祈って、「任せて」いただけなのに。

僕は気づいた。

勇者とは、彼らの「盾」でしかないのだと。

彼らが自分の手を汚さないための、都合のいい存在でしかないのだと。


魔王が教えてくれたこと

ある日、先代の魔王と対峙した。

倒すはずだった。世界を救うために。
でも魔王は、剣を交えながら僕に問いかけた。

「お前は、誰のために戦っている?」

人々のため。
そう答えようとして、言葉に詰まった。

魔王は笑った。
哀れむように。

「お前は盾だ。彼らは自分で戦わない。お前に戦わせて、自分たちは安全な場所にいる。それが彼らの『善意』だ」

違う。
そう否定したかった。

でも、否定できなかった。

魔王を倒した後、僕は英雄として迎えられた。
盛大な祝宴が開かれた。
人々は笑い、乾杯し、僕を讃えた。

そして誰も聞かなかった。

「次の脅威が来たら、どうするのか」を。

答えは分かっていた。
また、僕に任せるのだろう。
また、僕が血を流すのだろう。

彼らは変わらない。

自分で戦おうとしない。
痛みを知ろうとしない。

ただ「勇者」という盾に、全てを押し付け続ける。

魔王として、僕は知っている

だから僕は、魔王になった。

人を守ることをやめた。
人が自分で立ち上がるまで、僕は脅威であり続ける。

人の痛みを知っているから、僕は最強の魔王になれた。

どうすれば人が傷つくか、どうすれば人が絶望するか、全て知っている。
勇者として戦ってきたから。
人々の醜さを、目の当たりにしてきたから。

皮肉なことに、魔王になった今の方が、僕は自由だ。

誰かの期待に応える必要もない。
誰かの盾になる必要もない。

ただ、僕自身として存在できる。

人々は今、僕と戦う。
自分たちの手で。

それが正しいのかは、分からない。

でも少なくとも、彼らは自分の痛みを知るだろう。

誰かに任せることの、残酷さを知るだろう。


そして、問いかける

君は勇者を求めるだろうか。

それとも、自分で戦うだろうか。


僕は魔王として、ここで待っている。



あとがき:
いかがだったかな?(*´ω`)

わたくし流「闇堕ち勇者」は

「勇者システム」そのものへの絶望

  • 「勇者頼み」の社会批判

  • 「期待という呪い」

  • 「善意の裏の打算」

  • 魔王になることで人々に「自分で戦うこと」を学ばせる

こういったことでショートストーリーにしてみました。

こういう世界線は何処かにあるはず。


🔽『ダーク不安タジー』ラップ♪


実はこの記事が伏線だったんだよね(*´ω`)
フフフ、誰も予想もしなかったかな?


いろんな視点で、いろんな世界を見ることを、どうか楽しんで欲しい✨





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