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かまって欲しい彼と、アレルギーな彼女


魚の煮付けが食べたいと言われた。


私は、魚介アレルギーだ。

その人も、それは承知なはずだ。

それでも仕方ない。
煮付けの定番は、なんだろう?

私は、お手頃価格の魚を買ってきた。

まず、軽く塩をうって、臭みを抜く。
水を沸かし、顆粒出汁をいれて、さっと火を通す。
みりんと砂糖で5分煮て、
うすく切った生姜と、醤油をいれて、2分弱火で煮たら、
火を止めて、そのまま余熱で放置する。

この放置して、冷めている間に味が入る。

煮汁を味見して、味のあたりをつける。
まぁ、こんなもんだろう。




僕の彼女は、どちらかと言えば、タヌキ顔だ。
タレ目が可愛らしい。

けど、性格は、キツネのように、
すんとすまして、とらえどころがない。

歴史小説と、ウイスキーが好きで、
どちらかに夢中になると、僕のことは放置だ。

ある日、僕はかまって欲しくて、
彼女のお気に入りを、両方隠した。

どこにやったの?

彼女は静かに言い、僕は怯んだ。

『魚の煮付けを作ってくれたら、両方返すよ。』

僕は、決死の思いで告げた。

翌日の夕飯。魚の煮付けが出てきた。
甘じょっぱい、ご飯がすすむ、最高の味付けだ。


僕は、両方を彼女に返した。
お手上げだ。
魚介アレルギーだって、言ったじゃないか。



私は白米と煮付けをほおばる彼に、
ジョニーウォーカーのブラックルビーがのみたいなぁと言っておいた。

きっと、明日には買ってきてくれるだろう。

彼には言っていないが、私は調理師免許を持っていて、
和食がやりたかった。

学生時代に、魚介アレルギーが発症しなければ。

そんな安い深海魚を美味しそうに食べないでよ。
次は、鯛でも買ってくるよ。



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