漁童吹笛図が戯劇画である可能性 14
越し方およそ40年、ついに実物とご対面 1
ついに長年の念願が叶いました!
2026年4月25日。
東京国立博物館、東洋館で鄭顛仙の漁童吹笛図、実物を観ることができました。
事前に展示があるとは知らず、アソビューのBD特典で少し安くチケットが買えたので、ちょっと見に行ってみよう、とブラブラ出かけたのです。中国絵画の部屋に入り、目の端で見覚えのある張路の漁夫図がちらっと。
「え?あれ?」
入口すぐの案内版を一読し、緊張しつつ振り返ったら先ほどの漁夫図の先にありました!

どれくらいの時間、立ち尽くしていたかわかりません。
意外だったのは墨の濃さ。墨の印象の強さです。
とにかくじっくり観察しようと眼鏡をかけて、スマホのカメラで拡大して視てみると、さすがに実物、発見が多いです。冒頭にあげた写真は漁夫の右の小舟部分を拡大したもの。内側に補修のためか?板切れがつけられています。船体も使い込んだ、というか古いものをやっと使っている感じがします。ボディラインにシャープさがない。ぼてぼてした印象の墨の線。

笛吹きの足元から右へ視線を移動していくと、手前と奥の岩の間にあるはずの岸がぼかされていて、はっきりとは描かれていません。

印刷物の画像ではよく見えなかった衣類のぼろさ加減もわかります。いくら漁夫といってもここまで傷んだ衣類をまとっている人物像は稀なのではないでしょうか?
やっぱり漁夫ではないのでは?

その手前。徳利を煽り、やたら目立つこの人物の衣類は上等ではないにしても、奥の人のぼろさに比べればずっと良い状態。口元をよく見ると酒らしき描写があります。意外なほどの細かい描写に気づき、ますますじっくり観察しました。

頭頂部。頭髪がないように、やはり見えます。しかも、この腕、童の腕ではない?。。。子供の腕には見えません。目の輪郭の外側、上下に細い線が引かれていて、上向きの鼻。耳の形もちょっと変わっています。耳たぶの部分が不自然に大きいようにも見えるし、耳たぶの上部で外科手術的な切込みの跡のような窪みがあります。

左の二人と笛吹きが一つの集団で、のぞき見の漁夫だけ部外者か、
あるいは漁夫と笛吹きは親子で左の二人はまた別業者か?
耳に注目すると徳利の男の耳も変わっています。前出の画像をご覧ください。これは画家の描き癖なのか、ほかの作品を確かめてみる必要がありそうです。
