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2024年のシロイブックス - 振り返りと展望

今年一年の出版活動を振り返ります。書くという活動をしている人、それ以外の分野で何かを頑張っている人、これから頑張ろうとしている人などの参考になれば。


あらまし

いきなり技術者を辞めてみて

今年、2024年は私が著述と出版の仕事を始めた最初の年でした。

過去のnoteでも何度か書いているとおり、私がこうなったのは「会社員としてフルタイムのITエンジニアをやる」ということに対して、健康面と気持ちの面での限界が来たからです。つまり、やむを得ずというか、後ろ向きな理由だったとも言えます。

でも、もっと普通の転職だって、人が前向きに動き出すのって「もう我慢ならん! おれはここを離れる!」みたいなきっかけが多いじゃないですか。自分のキャリア選択として、もっとポジティブにささやかな夢や希望があるとしても、最後のひと押しをするのは不満や苦痛のほうだったりする。よくある話です。

舵を切った振れ幅を見れば、ITエンジニアから著述業への転身というのは、けっこう大胆なことをしたと思っています。私は仕事に関して野心のあるタイプではないので、心身のしんどさで会社に見切りをつけていなかったら、たぶんこんなリスキーなことはしてないです。災い転じて……というわけですね。

最近の心境については、プライベートひっそりブログの「ぽわぽわな日々」に「人生3X年目にして、初めて自分の仕事に納得できるかもしれない (2024.12.13)」という記事を書いています。

このタイトルにもあるように、ひとまず「自分のやっていることに納得している」という感覚を得たことが、私にとって今年いちばんの収穫だったように思います。それは得がたいものなのです。この点は少しでも実社会で働いてみればすぐにわかることなので、みなさんもよくご存知だと思います。

歴史が積み重なり始めた

さて、今回の記事では「今年やれたこと」「そこで得た学び」「次の一年でやりたいこと」を順番に書いていきたいと思っています。

まずは「今年やれたこと」をざっとリストアップしてみます。この点は公式サイトの shiroibooks.jp に「これまでの歩み」というページを作ってあるので、そのままの引用です。

2024年2月 —— 1冊目の書籍「社会人のための楽器の継続と上達の手引き:練習の習慣化から、音楽性を深めるまで」(SR-001)を出版
2024年3月 —— 公式サイト shiroibooks.jp を立ち上げ、出版レーベルとして正式に活動開始
2024年6月 —— 2冊目の書籍「投資に正解は存在するか:堅実な株式投資と資産形成の入門ガイド」(SR-002)を出版
2024年9月 —— 1冊目のデジタル写真集「君たちはもっと文鳥の素晴らしさを知るべきだ Vol.1」(SR-401)を出版
2024年11月 —— 2冊目のデジタル写真集「永遠に死んだ石 – 電子版写真集 I」(SR-411)を出版

シロイブックスについて - これまでの歩み」

すごい。ちゃんと歩みができ始めてる。

真面目に書いた本を2冊出せて、趣味的なデジタル写真集も2冊出せた形です。正確には、1冊目の執筆は前年の末(2023年12月)から着手していたのですが、まあだいたい「この一年間でできた仕事」とカウントしてよいでしょう。

次に、それぞれの本について個別に振り返ってみることにします。いずれもAmazonリンク、それからnoteに掲載の「試し読み版」へのリンクを貼ってあります。

出版できた本たち

社会人のための楽器の継続と上達の手引き (2024年2月)

私にとって最初の本なので、これを出せたときの喜びは今でも覚えています。出版したのが2月、今振り返っているのが12月なので、冬という季節もひとめぐりしたわけですが、それなりに継続的に注文が入っていて嬉しいです。

少し前に書いた記事「で、そもそもみなさんは何のために生きてるんでしたっけ? (2024.11.29)」の中で、自分の書いた本を読み返す機会はそんなにないという話をしました。今改めてこの本のページを開いてみると、私が執筆活動の全体を通じて読者に伝えたいと思っている基本的なメッセージは、最初の本の冒頭で既に出てきていることに気がつきます。

そのメッセージとは「それが大変だとしても、自分のやりたいことをやっていこう、そうしないと楽しくならないよ」というものです。私はこの本の最後の「あとがき」に、次のような結びの言葉を書きました。

 あなたが悩んだこと、それでも努力し続けたこと、そうしたことたちは、最終的にすべてあなたの財産になります。あなたは誰に指示されるわけでもなく、それをやりました。そうしたことには、あなたにとって偽りのない価値があるはずです。

 プロの音楽家の人たちは、ちゃんと評価されるかも売れるかもわからない世界で、どうしてあんなに頑張れるのでしょうか。あなたが楽器に対して真剣に向き合ったとき、いつかその理由がわかると思います。そのことが持つ意味は、華やかなステージに立つ有名人だけに与えらるものではありません。普通にその辺で暮らしている趣味の演奏者たちも、それを持っています。この本を書いた、私にとってもそうです。そしてそれは、あなたのものでもあります。

p.207

私にとって初めての「一冊の本を書き上げる」という仕事だったので、今の自分から見ると「少し手直ししたいな」と思う部分もないわけではないです。でも、前よりも上手に書き直したりしたら、きっと最初の熱の何割かは失われてしまうんだろうなあ、という気もしています。

投資に正解は存在するか: 堅実な株式投資と資産形成の入門ガイド (2024年6月)

1冊目ができあがって、すぐに着手した2冊目の本です。「こうすれば簡単に儲かります」という怪しい投資話を否定した上で、経済や金融の専門家ではない普通の人たちにもできる「経済学的にちゃんとした投資法」を解説した本になります。

分量としては16.7万字(原稿用紙にすると400枚超)あり、前の本の倍くらいのボリュームを約3ヶ月で仕上げたので、今思い返すと「めちゃくちゃテンション高かったんやな」という感じがします。その反動なのか、この出版直後の夏から秋にかけて、次の本の原稿が全然進まなかったりしたのですが…。

この本で試みたのは「経済や金融といった分野にあまり馴染みのない一般読者に向けて、実用的な専門知識をどれだけわかりやすく伝えられるか」ということでした。ただ、最後の章では「お金が儲かったところで結局何になるのか?」という、人間にとっての根本的な疑問について考えている部分もあります。こういうテイストは私の他の書籍や文章と同じですね。

楽器の本の販売部数と比べると、期待したよりも読者に届いていない感があるので、その点は悔しい気もします。でも、SNSで紹介するにしろ「いかにも宣伝目的です」みたいな運用は絶対したくないしなあ…。商売って難しいです。

君たちはもっと文鳥の素晴らしさを知るべきだ Vol.1 (2024年9月)

お金が入らないと生活していけないこの世の中で、まったく無名の個人として執筆業を始めたわけですから、「もっと広い範囲の読者に本を届けられるようなアイデアはないか」ということはよく考えます。

このnoteのアイコンや固定記事などをご覧いただいてもわかるとおり、私の家には白文鳥が一羽います。この小鳥のふみ子については、私の各種SNSでもほぼ毎日写真を載せたりしていて、いつしか私の執筆活動のマスコット的な立ち位置となりました。元々はおそらく鳥に興味のある人ではなかったのではないかなと思う仲良しのフォロワーさんなどからも、今では「ふみ子ちゃんのファンです」という声が聞かれるようになっています(やったぜ)。

そういうわけで、ふみ子にも少しばかり私の出版活動の広報大使として活躍してもらおうじゃないか……と思い立って制作されたのが、このエッセイつきフォトブックです。

文鳥というのは気が強い小鳥で、気に入らないことがあれば人間相手でも(小鳥から見ればゴジラくらいのサイズ感の相手にも関わらず)果敢にバトルを挑んでくるし、とりあえず人間の手のひらに乗って行きたい方向に首を伸ばせば人間が自動的に運んでくれるだろう……という「手タクシー」の要求も、文鳥飼いたちの間ではよく知られています。

シリーズタイトル「君たちはもっと文鳥の素晴らしさを知るべきだ」の尊大さはその辺りのイメージから来ていて、少し前に絵描きの友達にこの本の表紙を見せたら「タイトルの思想が強い!」と笑ってくれました。ちゃんと伝わっているようでニヤリとしたものです。

経験としては、フォトブックのような視覚的な表現を組み立てるというのは、レイアウト作業そのものとしてもソフトの使い方的な面でも初めてのことだったので、とにかく勉強になったなという感じです。続刊のVol.2も、2025年内に出すつもりです。

永遠に死んだ石: 電子版写真集 I (2024年11月)

これまた趣味的な写真集で、先の文鳥のフォトブックが若干おふざけに傾いているのに対して、こちらはシリアスな感じです。エッセイ等も収録されておらず、写真の表現だけ。制作の背景については、上記リンクの試し読み版にて簡単に触れています。

元々は出版構想とか計画があったわけではなく、明確な目的があって制作したものでもありません。個人で表現の分野の仕事を始めた以上、自分に何ができるのかという点はきちんと把握しておきたいと思い、何ができるかを知るためには「とりあえず実際にやってみる」しかないと理解しているので、それならばそうしよう、という流れでした。

得たものとしては、文鳥のフォトブックに続いて執筆以外の作業を中心とした制作を行ったことで、デザイン関係のスキルが前より少しは向上したかなと思えたのがよかったです。執筆に直接関係するものではありませんが、まあ私はウェブサイト作成や書籍の装幀なども全部自前でやっている人なので、できて損はないことです。

SNSのフォロワーさんからご好評の声、感想などをいただけたのも嬉しく感じました。続刊はまた気が向いたらですが、文鳥の本と同じく、2025年内に出るかもしれません。

おまけ: 書籍以外にnoteで書いたもの

今回は書籍の話がメインなので、note内での活動についてはあっさり済ませましょう。

書籍の試し読み版、それから週刊で書いてるライトな記事「3行日記」のシリーズを除くと、今年書いたnoteは全部で18記事あったと思います。その中から、文章表現そのものと伝えようとした内容の両面で「特によい記事にできたな」と思ったものを、以下に3つ挙げておきます。

noteは書籍よりもずっと短く、思いつきで書き始められるので、「少しテイストの違う文体に手を出したいな」といったときに活躍してくれました。実際、「ショートエッセイ」のカテゴリにある記事はそういう実験から生まれたものです。

年末年始ののんびり時間などがありましたら、ここに挙げた記事も読んでいただけると嬉しいです。

丸一年で学んだこと

努力は淡々と

いつだったか、将棋の棋士の羽生さんの話で「努力すれば結果が出ると約束されているなら、誰だって努力できるだろう。結果が出るかどうかわからない状況で努力できるかどうかが大切だ」という趣旨の発言を読んだことがあります。

本が出版できると、仲のいいリア友さんやSNSのフォロワーさんなどが購入を報告してくれることがあって、それは本当に嬉しいです。とはいえ、ゼロから執筆業をスタートしてたったの一年という状況ですので、知名度と実績という点ではまだまだだと思います。

フリーランスだとか自営業をしている人で、創業初年から十分に黒字だなんていう人はあまりいないと多います。当然、私の実績もそのようなものですし、たぶんこういう状況に耐えられるタイプの人しか生き残らないのでしょう。

今年一年の結果が約束されていなかったように、次の一年での進展も約束されていないので、目先の売り上げだとかにあまり振り回されず、やるべきことをやっていきたいです。

やっていればやった分は伸びる

書籍やnoteなどを通して、私が今年書いた原稿の総量は65.8万字くらいになりました。売り上げや知名度は別としても、書くというスキル自体は「やった分だけ伸びるな」ということが確信できたように思います。

個人的には、文体そのものに一目でわかるような個性があるのって、あまりいい文章だとは言えないんじゃないか(むしろ悪文なのでは)と思っています。読みやすさと伝わりやすさを第一に、癖がなくあっさりしていて、それでもなんとなく「その書き手っぽさ」がにじみ出ているような、そういう文体や話の組み立てが理想のような気がします。

そういった観点からも、今の時点では「一年前よりもうまくできるようになった」と認識しているので、また一年後にも同じような感想を持てるように頑張りたいです。

 始めてみなければ何もわからない

これは少し前に書いた記事「思考は物事を前進させない (2024.9.21)」で詳しく取り上げましたね。

私たちが「じっくり考える」とき、その材料となるのは自分が知っている情報だけです。そこで、外に出かけていろんな物事を見聞きしたり、人と関わったり、自分の手を動かしたりしない限り、頭で「ロジカルに考える」ということすらまともにできないはずだ、という指摘でした。

つまり、職業選択でも趣味でも交友関係を広げることでも何でもいいのですが、もし「自分にはいったい何ができるのか」を考えたいなら、どうしても「実際にやってみた結果(主観的な手応え+客観的な成果)」という情報が必要になるはずなんですね。

人は自分の得意不得意についてそれほど正確に認識しているわけではありません。特に、自分に本当に適性のある得意分野というのは「他の人がつまずくようなハードルはハードルとすら感じられない一方で、ずっと先にある高度な部分の手に負えなさは正しく把握できる」というあべこべな認識が発生しがちです。ダニング=クルーガー効果という心理学の用語をご存知の方もいると思います。

私が「自分って本を書ける人だったのか」と気づいたのは、実際に本を書いてみたからです。書き切ってみるまではわかりませんでした。

これが一般的な転職活動のような場面なら、30代も後半に入っている私はまず確実に「未経験お断り」を食らう年齢ですし、売り上げの悩みみたいな現実的な話もさっき書いたので、簡単に「とにかくチャレンジしようぜ!」みたいなことだけを言いたいわけではないです。

でもやっぱり、結果というものは一歩踏み出した人にしか与えられないものらしいのですよね。既に述べたように、私の書く文章の根本的なメッセージって「大変だけど頑張っていこうぜ」のひとことに尽きるのですが、今年は自分でもその「大変さ」と「それでも頑張ろうという気持ちの大切さ」を再認識した一年になったような気がしています。

次の一年でやりたいこと

もうすぐ出る本

2025年のなるべく早いうちに、次の本「人生の意味のつくり方:幸せと自己肯定感のためのレッスン」を出版するつもりです。試し読み版の記事もいくつか先行公開されています。

楽器の本の振り返りの中で、つい先日の記事「で、そもそもみなさんは何のために生きてるんでしたっけ? (2024.11.29)」のリンクが出てきましたが、ちょうどこの記事がもうすぐ出る本「人生の意味のつくり方」の予告編みたいな内容になっています。(意図せずそうなりました)

なので、詳しい内容はこの予告編記事と、上に貼った試し読み版をご確認いただければと思います。

さらに次の本としては、「人間関係が苦手でもなんとかやっていくための本」(仮タイトル)を同じ2025年内に出せたらと思っています。

書き手としての抱負

これは考えるまでもなく決まっています。「もっと読者を広げること」です。

自分が「多少なりとも人の役に立つような話を書けそうだ」という手応えについては、今年一年の活動によって一応得られました。とはいえ、振り返りの中でも触れたとおり、なかなか十分な数の読者に届いていないことをもどかしく感じる気持ちもあります。

というわけで、次の課題は「SNSでよくフォロー通知の来るうさんくさいビジネス系アカウントのようなことをせず、書籍やnoteの記事を楽しんで受け取ってくれる読み手をどれだけ増やすことができるか」になります。

簡単な方法があるとはとても思えず、地道に手探りでやっていくしかない気がするので(人生全部そう)、とにかく毎日コツコツと頑張っていきたいです。

結び

長くなりましたが、今回の記事の内容としてはここまでです。今年も一年、シロイのnoteを読んでいただいてありがとうございました。来年の活動もお楽しみいただけたら幸いです。

では、よいお年を!

こたつに入ろうね

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