画家・河本絢香さんの描く「強くてかわいい」の世界 - NEW WAVE GALLERY 展示レポ
推しは推せるときに推せ! 日本国内なら近い近い! という感じで、絵の展示を見るために大阪まで足を運んだときのレポです。世界が全部これくらいやさしい空間になってほしい。
このおれが推し活だって…!?
去る2025年5月末、Blueskyでも仲良くしていただいている画家の河本絢香さんの展示にお邪魔してきました! 大変素敵な空間で、これは記録に残さないともったいない…という感じでこのレポを書き始めた次第です。
私はちょうどこの3月に河本さんの作品を1点お迎えさせていただいたのですが、そのときは遠方のギャラリーさんのネット販売というご縁だったので、現地で展示を拝見するのも、ご本人とお会いするのも今回が初めてでした。
ちなみに、そのときのお迎え作品はヘッダ画像にも載せさせていただいたこちら。ギャンかわですね〜!

どんな絵画も画面で見るのと実物を見るのとでは大違いですが、平面的な構成でありながらも、その平面の質感に温かみと柔らかさ、そしてやさしさを感じさせるのが河本さんの作品の魅力なのかなと感じます。河本さんが主に使用するのは日本画の画材で、この作品では背景一面に銀箔が使われていますね。
では、さっそく今回の展示風景へと進んでみましょう!
百貨店フロアに巨大なカワイイが出現
今回の展示は大阪の中心エリアで開催されている「Osaka Art & Design 2025」の一環で、GALLERY龍屋さんプロデュースの「NEW WAVE GALLERY」に河本さんが参加されている形でした。
会場は大丸梅田店、つまり百貨店のフロアの一角で、エスカレーターを上り下りするとちょうど真正面に展示スペースが現れるという仕掛けが面白かったです。上下の各階にも、同じ形で他の作家さんの展示がありました。(話が無限に長くなるので今回は割愛…)
ここまで名古屋から新大阪→梅田と移動してきて、花柄のマリメッコの装いをした河本さんとようやくお会いでき、ひとしきりキャーキャーし合ってから展示を拝見することに。

展示スペースの全体像はこんな感じ。正面から見たときの展示スペースが横長だとすると、この写真はそれが奥行き方向に伸びるように端っこから撮っています。
エスカレーター側を正面とすると、次の写真は反対側の面です。コンパクトな展示スペースのわりに、作品点数はしっかりありますね〜。こちらの展示面は絵柄にも配色にもレトロな印象を受ける作品が多く、正面側とは少し違った世界観が面白かったです。

再び正面側に戻ると、テーブルには各種グッズを販売するスペースがあります。ミニ額に納められた作品も数点並んでいますね。

ちなみにこの写真の中央上寄りにある正方形の作品2点(左側の女の子、右側のねこさん)ですが、これは最初の会場全景で今回のメインビジュアル的に拡大プリントされていた作品になります。
私の今回の感想としては、この右側の明るいパステルカラーのねこさんが全作品の中でもいちばん素敵だと感じました。この作品はもう少しあとのグッズの話にも登場しますよ!
作家が手を動かすとき、その先に見ているもの
今回の会場にも設置されていましたが、河本さんのアーティストプロフィールには「強さとしてのかわいらしさ」という表現がたびたび出てきます。
少し個人的な話をすると、私も自分で本を執筆しているときなどは、短い文章だけではとても説明できないからこそ数百ページという紙面を使って苦労してでも書くのですが、その一方で「結局、自分の言いたいことはこのひとことに集約されるな」という表現もあると言えばあります。おそらく、画家さんにもそういう何かがあるような気がします。
それは短い言葉では伝えられないし、そもそも文字や会話ではどうやっても表現できない感覚であるからこそ、画家と呼ばれる人たちは絵筆を手に取るのだと思いますが、それが実際に絵として表現されたあとであれば、「言葉による補足」はその奥にある「言葉にできない何か」を理解するための手がかりになることでしょう。
この点については、ご本人のSNSにそれに近そうな記述(会期の少し前の投稿)があったので、一部を引用させていただくことにします。この社会で日々を暮らしていると、嫌な思いをしたり怖い思いをしたりすることはけっこう多く、それは「女性である」ということとも関係している……という文脈からです。
(……)私の描く絵はほとんど全てが「強さとしてのかわいらしさ」を表現しようとしているのですが、これはそういった嫌なことから自分を守るための「かわいらしさ」でもあります。
身を守るために愛想良くしたり、おしゃれしたり。
心を守るためにお化粧をして、かわいい服を着たり。
おしゃれは半分は武装でもありますよね。
そういった、がんばっている、気高くて強い女の子や動物を描いています。そしてそれが、がんばっている人(女性も男性もみんな)の心にほんの少しだけでも温かい気持ちを届けられる絵になれたら…などと思いながら描いています🖌
ここで、再びまったくの個人的な感覚の話をさせていただくと、私が芸術(絵でも音楽でも文学でも)に求めているのは、根本的には「この世界を肯定すること」であるように感じています。
そういうことをわざわざ言ってほしいという意味で作品を求めているわけではなく、それこそが本物の芸術でアレは本物の芸術じゃないとかいう話をしたいわけでもなく、とにかく私はときどき目の前の何かに強烈に惹かれることがあって、そういう作品には常に「その人なりのやり方で目の前の世界に向き合おうとしている」という作家本人の決意の痕跡が見えるような気がするのですよね。
河本さんの作品から伝わってくる何かも、もしかしたら「自分はあくまでこのようなものとして(弱い者でも醜い者としてでもなく)生きるのだ」という力強い宣言なのかもしれないな……なんて想像したりもしました。合っているかどうかはわかりませんが!
グッズ! グッズ! グッズ!(※自分用・保管用・布教用)
名古屋在住の私が「大阪まで行っちゃおう!」と思ったのは、実はSNSで「今回の展示に向けてクリアファイルやステッカーなどのグッズを制作している」という話を聞いたからだったりします。
さきほどの写真にも少しだけ写っていた、グッズ販売のコーナーに近づいた様子がこちら! 左上から時計回りに、ぬいぐるみ風ミニクッション、ステッカー、A5クリアファイル、A4クリアファイルです。

私がお邪魔した日は会期全体の最初のほうで、搬入が大変だったという話に絡めて「グッズ全部完売させて帰りましょう!」と軽口を…いえ、エールを送ってきたのですが、約2週間あった会期の終了時には本当にかなりの割合のグッズが完売となったそうです。早めに行っておいてよかった……!
展示の際にこうしたグッズを販売するというのは今回が初めての試みだったそうで、適切な発注数とか全然読めないですよね〜わかる〜〜!! みたいな「作り手あるある」的な話ができたのも楽しかったです。
ちなみに、SNS上の告知を見て「絶対に買って帰るぞ」と決意していたのが、先述の会場メインビジュアル的にあしらわれていたねこさんの「ミニめがね拭き」。かわいいにも程がある!!

というわけで、無事にグッズも買い込んで、ホクホクの面持ちで新幹線で帰路についたのでした。
河本さん、今回は公開制作やらスーパーワンオペ接客スペシャルやらで大変お忙しい中(画廊と違ってスタッフさんがすぐ近くにいない)、たくさんお話させていただいてありがとうございました!

おまけ:大阪のうまいもん、食わずに帰るわけにはいかない…!
河本さんは関東の方なのですが、ご出身〜美大時代から現在の活動の関係先まで、関西方面にはけっこうゆかりのある方だった…というのを今回お会いして初めて知りました。
私は元々旅行がなぜか苦手で、今回も展示にお邪魔する以外は特にプランを決めずに行ったのですが、せっかくだから食事くらいはその土地のものを食べてこよう! ということで、お好み焼き屋さんへ行くことに。

外国人観光客の方がすごく多くてびっくりしました。並んで待ったのが1時間半くらい。大阪はちょうど万博をやっているところだけど、普段からこんなに国際色豊かな土地なのかな?
梅田の雑踏ではワイヤレスイヤホンがかつて経験したことのないレベルでブツブツと音飛びして、人間多すぎ〜〜!! という感じでした。私にはやはり名古屋くらいの都市がちょうどいい…。
以上、画家の河本絢香さんの展示レポ&おまけの大阪レポをお届けしました〜。また面白い展示があれば遠征したいなあ。
関連書籍
河本さんにもしっかりお買い上げいただいた(←宣伝利用)書籍「人生の意味のつくり方」では、今回の記事で触れたような芸術論っぽい話も少しだけ出てきます。よかったらチェックしていただけると嬉しいです!
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