noteって「褒める」仕組みが上手いよね
以前から「面白そうだな〜」と思っていたnote。始めてみたら、サービス設計の上手さにすごく関心したので、その隠された「気持ちよさ」の正体について、少し掘り下げてみます。
使ってみて意外だった、noteの気持ちよさ
メディアとかプラットフォームというものには、大抵の場合はきちんとコンセプトが考えられていて、そこには固有の文化というか、空気感が存在しています。noteという場所の運営側にも、そのようなことを真剣に考えているスタッフがいるはずです。
noteを始めて数週間経った私が感じたのは、「noteって褒め上手だよね」という感想です。これはサービスの感想としてはちょっと意外なもので、よくよく考えてみると、noteという媒体が広く普及したひとつの要因になっているのではないかと感じました。
私が元々持っていたnoteに対する印象は、有料記事の仕組みがあるのでプロのジャーナリストの人とかには便利なのかな、といった程度のものでした。使い始めてすぐに、普通のブログと違って「フォローする」という仕組みがあって、書き手同士や読み手と書き手に関係を発生させる(関係を可視化させる)というのはすごくいいということに気づきました。アクセス解析が手軽だったり、エディタが使いやすいといった実用性についてもさすがだと思います。
私はソフトウェア技術者なので、こうした技術的な細かい点に注目しがちです。しかし、私のような技術者は誤って軽視してしまうことがあるのですが、コンセプトや空気感というものはすごく大切な要素です。人は心地よいと感じられる場所に集まります。必ずしも便利だとか、実際的なメリットがあるというだけでは、にぎやかに人が集まる場所というのはできないんです。
勉強は楽しくないのにゲームは楽しいのは、そこに存在する「褒め」の量が圧倒的に違うからなのだ、という話を聞いたことがあります。ゲームを設計する人は、レベルアップやレアアイテムの取得など、ユーザに与えるご褒美を綿密に考えて設定していきます。私自身も昔はプログラマとしてフリーのゲームを作ってよく公開していた身ですが、これはゲームを楽しく遊び続けてもらうために、確かに必要な作業です。男の子がラジコンを欲しがるように、人は「何かをうまく操作できる」というだけで楽しくなる生き物です。キャラクターの操作感のようなミリ秒単位のフィードバックでも、そこには無数の「褒め」が存在しているんです。
noteの「褒め」は、もっと具体的です。もちろん、画面の操作感のような微妙で気づきにくい「褒め」も細かく考えられているとは思いますが、もう少し目に見えて気づきやすい点について、ざっと見ていってみましょう。
実はあちこちで細かく褒められている
まず、noteで何かを書いていればすぐに気がつく点として、書きかけの記事を保存して閉じるときです。このとき毎回「少し休憩しましょう」とか「続きが楽しみです」みたいなポップアップのメッセージが表示されます。これは執筆者に対する気づかいですね。書くというのはそれなりに集中力を使う作業なので、画面を閉じてホッとひと息つくときに、こういう声をかけられるのは嬉しいことです。
noteの「スキ」は、SNSでよくある「いいね (Like)」です。noteでは、スキを押した人の画面に表示されるお礼のメッセージを自由に設定できて、これはありそうでなかった発想です。しかもこれ、ランダムで表示されるように複数設定できるんです。私は小ネタを仕込むのが好きなので、喜んでいっぱい設定しています。以下のようなものです。

ユーザに工夫する余地を与える、というのはすごくいいと思います。このようにふざけ倒している人は私はまだ見たことがありませんが、たぶん他にもいると思います。
noteには、SNSのようなフォロー関係が存在しています。はてなブログの「読者になる」のように、このようなことができるサービスも以前から存在していましたが、普通の独立したブログにはない機能です。人からフォローされるというのは、この人の書いたことを継続的に読みたいなと思ってくれたということですから、これは書き手としては励みになります。そしてnoteという場では、「読む専門」のアカウントを持っている人もいますが、多くのアカウントは書き手であり、自分で何かを表現しようとしている人たちです。私はアマチュアで楽器を弾く人なので、同じ楽器を弾く人からの評価が最も嬉しいということを知っています。noteでは同様に、自分と同じ書き手からの評価が可視化されるわけです。
noteには「通知」がありますね。従来のブログ管理ツールなどでも、何か新しい情報を知らせる画面というのはありますけど、こういうSNSっぽい手触りを持つ通知というのはあまりなかった気がします。自分の書いた記事に対する反応がすぐに出てくるのは、書き手としてはもちろん嬉しいことです。フォローの関係が存在するのと同じく、利用者同士が繋がることでnoteという場所を活性化させる狙いがあるのかなと感じます。
スキの通知などを何度か受け取ると、今度はバッジがもらえます。これはやり込み系のゲームによくある要素で、記事を書いたり設定を行ったりといろいろな活動をしていくと、それを表彰してくれるバッジが増えていきます。「毎週連続投稿」のように、はっきりと書き手に執筆意欲を出してもらおうと意図しているようなバッジもあります。私は最初にゲームの例え話を出しましたが、意外とnoteのサービスを設計している人にはそうした分野に明るいスタッフさんがいるのかもしれません。
noteは書き手のことを「クリエイター」と読んでいます。これはなかなか自尊心をくすぐってくる表現ですね。上手いです。人たらしかな? メディアを盛り上げていくには、作り手と受け手の両方が盛り上がる必要があります。noteは読み手に対してはいろんな記事を楽しく読める環境を用意してくれていますが、一方で書き手を持ち上げて大切にしようという姿勢が一貫している気がします。
以上、noteというサービスの中に存在している「褒める」仕組みとして、すぐに見つけられることを挙げてみました。細かく見てみれば、他にももっと見つかると思います。
おやおや、知らない間に好きになってしまったのか
「褒め」とは少し異なりますが、noteという場所を活性化させようと意図しているような仕組みは他にもあります。「タグ」の機能や、運営側から定期的に出される「お題」などですね。
今回の記事も、タグをたどったりおすすめ記事として表示されたりして、これを書いている私という個人を特に知らずに読んでいただいた方もいると思います。この記事の他に以前noteに書いたもので、思わぬ方向からスキが飛んでくることというのがたびたびあって、そうした反応があるととても嬉しくなります。
noteを始めてから、まだ一ヶ月くらいしか経っていませんが、順調にこの場所を好きになっていっている気がします。noteさん、すごいなあ。これからも読んで楽しんでいただける記事をたくさんお届けできたらいいなと思っています。
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