favorite musicians|bassists
favorite musicians|bassists
〈column〉
私自身ベースを弾くこともあるが、宅録の時やセッションでベースがいないときに弾く程度で、専門的に弾いているわけではなく、テクニックがあるわけでもない。だからベーシストのプレイを聴く・観るときの評価基準は「格好いい」だけである。ベースラインが格好いい、プレイスタイルが格好いい、そして弾いている姿が格好いい、それだけです。その基準に当てはまるベーシストを選んだのですが、やっぱり好きなバンドのベーシストということになってしまいました。
〈favorite musicians〉
ミック・カーン/Mick Karn

history|JAPAN→Dali's Car etc.
equipment|
my favorite play|Adolescent Sex(JAPAN / Adolescent Sex)
Automatic Gun(JAPAN / Obscure Alternatives)
Ghosts(JAPAN / Tin Drum)
たぶん人生で初めてベーシストを格好いいと思ったのはこの人だろうと思おう。まだ髪が真っ赤だった頃のミック・カーン。確か初めて聴いたのはJAPANの「Adolescent Sex」だと思うが、ベースから始まるこの曲はいま聴いてもゾクゾクする。その後、JAPANは同じバンドとは思えないほどの音楽的変化を遂げていくわけだが、常に楽曲を印象的に、重厚に支えていたのがミック・カーンだ。後期はフレットレス・ベースのみを使用していたが、アルバム「TIN DRUM」や、ライブ・アルバム「Oil On Canvas」でのプレイは唯一無二のフレーズにあふれている。楽譜を読めず、音楽理論もベースも独学だからこそ生み出されたプレイだろう。
JAPAN解散後にBAUHAUSのピーター・マーフィと組んだ「Dali's Car」でも素晴らしいプレイを聴かせてくれたが、2011年、52歳という若さで逝去した。
ニッキー・シックス/Nikki Sixx

history|Mötley Crüe
equipment|Gibson Thunderbird、B.C. Rich Warlock、Gibson Nikki Sixx Signature Thunderbird
my favorite play|Kickstart My Heart(Dr.Feelgood)
Live Wire(Too Fast For Love)
Home Sweet Home(Theatre Of Pain)
上記の〈column〉で書いた、格好いいベーシストの条件、「ベースラインが格好いい」、「プレイスタイルが格好いい」、「弾いている姿が格好いい」、すべてに当てはまるのがこの人、ニッキー・シックス。テクニック的に上手いかどうかはわからないけど、とにかくベースを弾いていると、何から何まで格好いい。たぶんGibson Thunderbirdが世界でいちばん似合うベーシストだろう。もちろん、B.C.RichのWarlockも抜群に似合うが。特に格好良かったのが80年代半ば、アルバム「Theatre Of Pain」の頃。ゼブラ・ストライプの全身ピッタピタのスーツにThunderbird、黒髪を逆立たせて目の下には黒いライン。ステージ上ではベースを振り回してターン。彼の姿を見て本気でベーシストに転向しようかと思ったほど。
私生活はデビュー前からバンドとして成功した後も常にろくでなしだったようだが、ニッキー・シックスならすべて許される気がする。最高のベーシストです。
ジョン・ポール・ジョーンズ/John Paul Jones

history|Led Zeppelin
equipment|Fender Jazz Bass、Fender Precision Bass、etc.
my favorite play|Dazed and Confused(Led Zeppelin)
Ramble on(Led Zeppelin Ⅱ)
Kashmir(Physical Graffiti)
好きなベーシストを考えたとき、一番最初に思い浮かんだのがこの人、ジョン・ポール・ジョーンズだが、ここに入れようかどうしようか悩んだ。なぜなら、ジョン・ポール・ジョーンズだけではなく、LED ZEPPELINのメンバーはすべて「神」なので、好きとか格好いいとかそんな陳腐な表現をするのも憚られるからだ。悩んだ末に、やはり外すわけにはいかなかった。
ジョン・ポール・ジョーンズについてはあれこれ説明する必要もないだろうが、テクニック、ベースライン、そして楽曲における存在感、すべてが他の追随を許さないほど圧倒的。
ロバート・プラントとジミー・ペイジの二人は確かに天才だが、ジョン・ポール・ジョーンズ、そしてジョン・ボーナムがいなければLED ZEPPELINがあれだけのバンドになったか疑問である。
メンバー・チェンジを繰り返すバンドが多いなか、LED ZEPPELINに関してはジョン・ポール・ジョーンズはじめ、他の誰が欠けても成立しない。
岡野ハジメ/Hajime Okano

history|ショコラータ→PINK→QUADRAPHONICS
equipment|original customize bass(Greco GOB-Ⅱ base)
my favorite play|光の子(PINK / 光の子)
APOCALYPSE(QUADRAPHONICS / HEAT ME)
彼女はfuture-rhythm(大沢誉志幸 / in・fin・ity)
日本のバンドの場合、ベーシストやドラマーなどのいわゆる「リズム隊」は縁の下の力持ち的な捉え方をする風潮が強く、あまりベーシスト単体でフォーカスされることは少ない。
そんな中でベーシストとして存在感を示すベーシストは、私個人の中では比較的多い。細野晴臣、小原礼、後藤次利、ルイズ・ルイス加部(加部正義)などなど。
なかでも岡野ハジメは別格である。初めて岡野ハジメのベースとして認識したのは「PINK」での演奏だが、彼のキャリアを考えると知らず知らずのうちに彼のベースは聴いていたとは思う。上記のhistoryでは端折ったが、「SPACE CIRCUS」でバンド・キャリアをスタートさせ、「ショコラータ」の後、「東京ブラボー」を経て「PINK」に加入。その間にも多くのアーティストのレコーディングやライブに参加している。
オリジナルのベース「VIBRA」の見た目通り、硬質でラウドな低音と、金属音のようなスラップ。初期の「PINK」の作品ではギタリストよりも目立ち、テクニシャン揃いのメンバーの中でも際立ったテクニックを聴くことができる。
また、「PINK」と同時進行で、「SALON MUSIC」の吉田仁とのユニット「QUADRAPHONICS」でも活動。元々大学の同窓だった二人が、大学時代にどちらかが作った音源にもう片方がオーバーダビングして戻すという、二人曰く「音の交換日記」の進化形とのこと。「SALON MUSIC」も大好きだったのでこの二人が合わさるとどんな音を出すのか、ワクワクしながら聴いたアルバム「HEAT ME」。それは期待を遥かに上回る出来だった。1曲目の「APOCALYPSE」から二人の個性全開の楽曲が続く。
「PINK」「QUADRAPHONICS」ともに、ベースを聴いているといっても過言ではない、まさに岡野ハジメを象徴するプレイだ。
バンド以外でも岡野ハジメ「らしさ」全開のプレイは多々あるが、なかでも大沢誉志幸の「in・fin・ity」は、「PINK」のホッピー神山によるサウンド・プロデュースのもと、同じく「PINK」の矢壁アツノブ(クレジットは矢壁カメオ名義)と共に岡野ハジメが強力なエレクトリック・ファンクを構築している。
現在はベーシストとしては目立った活動はしていないが、プロデューサーとして多くのバンド、ミュージシャンをプロデュースしている。
