ワークアウトは本当に強くなれるのか?ワークアウトvsオールアウト
本シリーズの目的
しろねこと申すものです。しばらくシリーズとしてワークアウトについて考えて整理したいと思っています。走力は富士ヒルシルバー程度、175cm65kgのいわゆる普通体型の中年男性です。40歳くらいからロードバイクをはじめ、もう7年くらいになりますが、だいぶトレーニングメニューが自分の中で整理できました。それでも文書化して整理、より改善する点を見つけるきっかけにもしたいというのが本シリーズを書く目的です。
導入編:ワークアウトで本当に強くなれる?
トレーニングを進めていくとワタシも含め多くの人が次のように思うのではないでしょうか。
「ワークアウトを続けていれば、本当に強くなれるのだろうか?」
Zwiftや各種トレーニングプラットフォームには、よく設計されたワークアウトが数多く用意されています。
SST、FTPインターバル、VO₂max、30-15、ゴルビー。
いずれも理論的背景があり、実績もあり、多くの人が取り組んでいます。それでも、
「こなしているはずなのに、伸びている実感が乏しい」
「レースやTTになると、思ったほど出力が出ない」
と感じることがあります。
この違和感について自分自身がしばらく取り組んできたことと併せて言語化したいと思います。
ワークアウトは構造的に作られていて、その目的が明確に定められている
まず前提としてワークアウトそのものは、非常によく作られていると考えています。強度設定には明確な意図があります。レストの長さにも理由があります。回数や時間配分も、生理学的な根拠に基づいています
ベース練は基礎的な有酸素能力を育て、
SSTはFTP周辺の持続力を高め、
ゴルビーは最大有酸素パワーやVO₂maxに強い刺激を与えます。
つまり「どのワークアウトが大正義か」という問いは、あまり本質的な問いではないと思っています。
ベース練?SST?ゴルビー?何をすれば強くなる?
単純な疑問だと思うのですが、この問いに対しては「解なし」と考えるのが妥当だと思っています。サイクリング初心者にSSTやゴルビーをやらせること自体がどうかと思いますし、多分何やっても乗っている限りそのうち速く走れるようになるでしょう。中級・上級の方なら強度の高い練習をこなせると思うので、ゴルビーやっても耐えられると思うのですが、その場合でも必ず能力が伸び続けるとは思いません。
ただ重要なのは「個人にあわせた適切な負荷で、適切な時間の刺激となっているか」であると考えています。
やらないことは伸びない、やったとしても伸びるとは限らない
当たり前のようですが、「やらないことは伸びない」と思います。
・ベース練を行わなければ、ベースは育ちません
・SSTを行わなければ、FTP周辺は伸びません
・VO₂max系を避け続ければ、上限能力は変わりません
やらないことは、確実に伸びないと考えています。
しかし一方で、
「やっているから必ず伸びる」と感じている方はあまりいないのではないかとも思っています。
オールアウトのすすめ
ワタシの「強くなる」ためのワークアウト選択に対する考え方として
「すべてのメニューをこなしきった後にオールアウトしている」ないしオールアウトに非常に近い状態に陥っているのが最も良いワークアウト
というものがあります。
いわゆる最後の最後で「オールアウト」状態に陥っているのであれば、当該ワークアウトのおいしいところをすべて味わうことができるのでは?という非常にラディカルな考え方だと思っていますが、それでも1時間近くそこそこつらい思いをして能力が伸びないよりかははるかにマシだと思っており、みんゴルなどで行うワークアウト中のボイスチャットでは「せっかくつらい思いしているんだからやり切ろう」的な発言をすることもあります(気持ちはともかく、実際にはあまり意味のある言葉でないような気もしますが…)。
例えばゴルビーで考えてみると、1本目から限界、5分ギリギリで回し切ったとなっても5本完遂は難しいと思います。実際には
3本目あたりで心拍が180にタッチし、
4本目で限界に達し心拍早々と180まで上がり足も削られ
5本目で何とか自分をごまかし切って「実質4本目までで終わりだから最後の1本はおまけ」
などと本数が進むにつれてしんどさが増すような強度設定が一番効果あると思っています。1本2本で終わってもダメ、5本余裕で終わっても意味がない。
目指すは5本トータルのマイベストゴルビー(MBG)という姿勢がゴルビーをするうえで最も高い効果を生むと考えています。
もう1つ、ワークアウトの意図を尊重するオールアウトも大切なことだと思っています。
例えばゴルビー5本目の最後にスプリントを踏み切って「オールアウト」になることもゴールスプリントを想定すればそれはそれで価値あることだと思いますが、
・L5~6領域のパワーを維持しつづけ
・心拍、呼吸、主観的強度が限界に近づき
・結果として「もう続けられない」と感じる状態
つまり「意図的につぶしに行く行為ではなく、ワークアウトの意図に沿う形で正しく負荷をかけた結果として達するオールアウト」
であればワークアウトの効果を最大化することができると思っています。
ワークアウトで強くなるために
「ワタシはゴルビーをやったからえらい」、というメンタリティは非常に大事ですし個人的にはそのくらい傲慢になってもいいと思っています。大変ですよね、ゴルビー。メンタルの強さは確実に支えになると思っています。
ただ、つらいワークアウトをせっかくやるのなら
「今の自分が持っている能力の上限に実際に触れたかどうか」
という観点で目いっぱいつらい思いをしてみてはいかがでしょうか?地球レベル46億年の時間軸で考えればあなたがちょっとくらいつらい思いをすることは大した問題ではありません。CO2排出量は増えるかもしれませんね。
もちろん毎日オールアウトすることは現実的ではないと思います。ワークアウトと回復はセットだということはよく言われていることですが、本当に大事なことだと思います。年齢・体調・体質に合わせてしっかりと休む時は休む、全力を出し切る日は万全の態勢でやり切って、しっかりと体を回復し能力向上を図る。無理な時はしっかりと睡眠、ちゃんとした食事で回復する。このくらいでいいのではないでしょうか。
それでもしっかりやってるあなたは最高にえらいです!自己肯定感を上げていきましょう。
次回以降予定
しばらくワークアウトに対する考え方、ワタシの取り組んでいる個別ワークアウト、エクササイズの狙いについてシリーズで書こうと思います。おそらく5~6回くらいになると思います。冬休みで一通りできるといいな。
ご意見等あればコメントしてもらえると非常にうれしいです。
