メインフレームの開発状況は

「超大規模な汎用機(メインフレーム)」の開発動向は、グローバル市場で圧倒的シェアを維持し進化を続けるIBMと、撤退方針あるいは独自維持へ向かうら国産ベンダー(富士通・NEC)との間で完全に二極化が進んでいます。
現在における主要プレイヤーの開発・展開状況です。

1. IBM(グローバル覇者):AI特化と継続投資
世界市場の9割以上を占めるIBMは、メインフレーム(IBM zSystems)を「レガシー」ではなく「最先端のプライベートクラウド/AI基盤」と位置づけ、活発な開発投資を続けています。
新世代機「IBM z17」の登場(2025〜2026年)
自社設計のAI特化型プロセッサ「Telum II」を搭載した次世代フラッグシップモデル「IBM z17」を展開。 
オンチップAIアクセラレータにより、1日あたり4,500億回以上の超高速リアルタイム推論を可能にし、ミリ秒単位で取引内の「不正検知」や「リスク評価」を処理します。 
ハイブリッドクラウドとDevOps・AI連携
OpenAPI規格やz/OS Connectを通じ、COBOLやIMS DBなどの既存資産をコード改修なしでREST API化し、AWSやAzureなどのクラウド基盤とシームレスに連携させる機能を標準化しています。
生成AIコード支援(watsonx Code Assistant for Z)を取り入れ、レガシーコードの解析やJavaへの書き換え支援も組み込まれています。

2. 富士通・日立:メインフレームハードウェアからの撤退
国内ベンダーは、自社独自ハードウェアの開発から段階的に撤退し、クラウド移行(モダナイゼーション)ビジネスへ注力する戦略に舵を切っています。
富士通(GS21シリーズ) 
2022年に表明したロードマップ通り、2030年度末にGS21の販売・製造を終了、2035年度末にすべての保守サポートを終了する計画で動いています。 
ハード自社開発の経営資源を、2nmプロセスを採用した次世代省電力CPU「FUJITSU-MONAKA」や、顧客のCOBOL/AIM資産をJava・クラウド環境へ安全に再構築するマイグレーション技術(EXERAなど)の開発へシフトさせています。
日立製作所(VOS3等)
すでに自社製メインフレームハードの新規開発・生産からは撤退済で、IBM製ハードウェアへの移行やオープン化ソリューションへの誘導を進めています。

3. NEC(ACOSシリーズ):国内唯一の自社ハード維持路線
NECは、国内メーカーで唯一「メインフレーム継続」を掲げて独自の開発・供給を続けています。
ACOSロードマップの継続(〜2030年代) 
フラッグシップ機「iX9000」や「ACOS-4」の展開、ならびに最新ストレージ(iStorage A5400)の発表など、保守・周辺機器のアップデートを継続しています。
「ミッションクリティカルな社会インフラを国産ハードで維持する」需要に応え、2030年代以降もサポートを継続するロードマップを明確に提示しています。

【まとめと全体トレンド】
1. アーキテクチャのAI融合(IBM): 超並列トランジスタによる信頼性(稼働率99.9999%等)を保ちつつ、ハードウェアの根本(チップレベル)にAI処理回路を組み込む開発がグローバルの標準となっています。
2. 「2035年問題」へ向けた移行開発: 富士通の2035年保守終了に伴い、超大規模システムをIBM z17などのIBM基盤へ乗り換えるか、あるいはオープン/AWS等のクラウドへ移行するか、ツール・自動化ミドルウェアの開発が急速に進んでいます。

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