書くか迷ったけれど、兄の話
今回は少し重たい話になります。
読まれる方には、あらかじめご容赦ください。
今年6月、兄が倒れました
私には、長年疎遠にしていた兄がいます。
もうすぐ還暦を迎える年齢です。
その兄が、今年の6月に
大動脈解離 という病気で倒れました。
損傷はかなり広範囲で、最初の手術は大手術。
医師からは、はっきりと
「もう助からないかもしれない」
とも告げられました。
結果的に手術自体はなんとか成功しましたが、
そこからが本当の地獄でした。
繰り返される手術と、想定外の事態
内臓の状態が次々と悪化し、
手術、手術、また手術。
長年の喫煙の影響で肺も弱っており、
人工呼吸器が外せない。
けれど、つけたままにしておくのも危険。
最終的には
気管切開をするしかない
という選択を迫られました。
命が最優先なので、やるしかない。
そんな判断の連続でした。
さらに、最初の手術のあと
脊髄梗塞 を起こしていたことがわかり、
胸から下はほぼ動かず、感覚もない状態に。
ICUだけで3週間以上。
その後も、決して安定したとは言えない日々が続きました。
二度目の危篤
10月、今度は
心臓のすぐ近くの血管に新たな損傷が見つかり、
再び大手術。
そして、二度目の危篤状態。
正直、今回はもうダメかもしれないと思いました。
それでも、兄はなんとか一命を取り留め、
1か月後にリハビリ病院へ転院。
現在に至っています。
不幸中の幸いだったこと
兄はずっと独身で、
倒れたのは自宅に一人でいるときでした。
それでも、
自力で救急車を呼ぶことができた。
これができなかったら、
最悪、孤独死だったかもしれません。
そう思うと、本当に不幸中の幸いでした。
疎遠だった「身内」という現実
私たち兄妹は、長年疎遠でした。
身内も少なく、いても遠方。
同じ東京都内に住んでいる身内は私だけで、
結果的に、ほぼすべての判断や手続きの
キーパーソン を担うことになりました。
1000キロ離れた場所に妹がいて、
遠隔やオンラインでできることは
とても協力してくれています。
それでも、限界はあります。
そもそも、
連絡先すら分からない親族が多い中で、
この情報が私のところにきちんと届いたこと自体、
ありがたいことだとも思っています。
これからの問題は、山ほどある
在宅での生活は可能なのか
施設なのか、療養なのか
お金のこと
仕事のこと
住んでいた家をどうするのか
兄は意識も思考もしっかりしています。
声は出せないけれど、
筆談とメールはできる。
それだけでも、本当に救われています。
一方で、
私自身も平日に仕事を休んで対応するのは
正直、限界に近づいています。
これからどう工夫していくか。
現実的な問題が、静かに積み重なっています。
独身で生きるということ
大動脈解離で亡くなった方の話は、
有名人でも時々耳にします。
主治医の先生曰く、
今回の兄のケースは
「この状態だと助からないことの方が多い」
レベルだったそうです。
今の時代、
生涯独身を選ぶ生き方も珍しくありませんし、
それ自体を否定するつもりはありません。
ただ、
疎遠で、独身で、身内が少ない
という状況になると、
いざという時に、ここまで大変なのか…
と、身をもって知ることになりました。
還暦を迎える兄へ
来年はうま年。
兄は1月に、ちょうど還暦を迎えます。
命の境目を越えて、
今も生きている兄の話でした。
