古代霊的ネットワークの構築①
序:地図に刻まれた幾何学の謎
日本という国家の成り立ちを考察する際、私たちは通常、記紀万葉といった文献史学の「言葉」に依拠する傾向がある。
しかし、近畿地方の地図を俯瞰し、点在する古き聖地を幾何学的に結び直してみると、そこには言葉による記録をはるかに凌駕する、強烈な「形」による国家設計の意図が浮かび上がってくるのである。
第1章 近畿五芒星
1-1 近畿地方の五芒星
2000年代に入り、デジタル地図が主流になると、それまで埋もれていた様々なことが続々と再発見されるようになる。
近畿地方の巨大な五芒星もその1つである。
三重県の伊勢神宮(内宮)、
和歌山県の熊野本宮大社、
淡路島の伊弉諾神宮、
京都府の元伊勢内宮皇大神社、
そして滋賀と岐阜の県境にそびえる霊峰・伊吹山。
これら五つの拠点を直線で結ぶと、一辺約170kmにおよぶ驚くほど正確な
「五芒星(ペンタグラム)」が近畿全域を覆うように描き出される。
この巨大な図形の中心付近には、かつての都・平城京が位置している。
さらにこの五芒星を基準とすると、内接する五角形の頂点には平安京、
底辺の真ん中には藤原京が位置するという、驚くべき符号が見て取れる。

これは単なる偶然の産物なのか?
いや、これは古代の統治者や陰陽師たちが天文、地相、地理風水、
そして高度な術数的知見を総動員して張り巡らせた、
国家規模の「守護の結界」であったという考察が可能になる。
つづく
