60代のリアル|第8話:何が起きた?再び開いた傷口(絆創膏の中が赤黒く・・・怖くて剥がせない。)
あれから数日後、4月11日(土)の夕方18時頃のことです。
母を夕食前にトイレへ連れていこうと、いつものように歩いていました。
私は後ろ向きに歩きながら、母の体を支えています。 すると、母がだんだん左へ寄ってきました。 私から見ると右側へ傾いていく形です。
「倒れないでね。お母さんが倒れて、一緒に倒れたくないよ」
そう言い終わるか終わらないうちに、 母の体が大きく傾き、そのまま倒れました。 私も支えきれず、一緒に床へ倒れ込みました。
母は「いたぁーーーい!」と叫び、 私は思わず「こっちが痛いよっ」と返していました。
なんとか母を起こし、 トイレ前の洗面台につかまらせて中へ誘導しました。 用を足して出てきたところで、 今度は車椅子にうまく座れず、 また二人で転倒してしまいました。
そのとき、ふと親指を見ると、 絆創膏の中が血で滲み、色が変わっていました。 傷口が再び開いたのだと分かりました。
けれど、絆創膏を剥がす勇気が出ません。 「これは病院に行ったほうがいいかもしれない」 そう思いました。
部屋に戻って母の体を見ると、 腕や足、そして左の頬にも痣ができていました。
「これって、私が平手打ちした痕じゃない気がする」 そう思いました。 頬の位置が、あのときの場所とは違っていたからです。
こんなに内出血があると、 デイサービスに行ったときに “家で虐待されているのでは” と思われるかもしれない── そんな不安が頭をよぎりました。
その瞬間、自分の右肘と手首が腫れていることに気づきました。 左手の小指の下にも大きな痣ができていました。
痛みが強く、 もう夕食の支度どころではありませんでした。
つづく
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