大分の国宝・城跡巡り その③ ~宇佐神宮~
大分旅行2日目。この日は宇佐神宮から豊後高田、そして国東半島の史跡巡りです。
交通不便のため鉄道、路線バスそしてタクシーを使うか、あるいは観光バスを使うか考えましたが、今回は前者を選ぶことにしました。
【お断り】カメラのレンズが曇ったまま写真を撮影してしまいました。お見苦しいですがご容赦ください。
※この記事は前回の続きです。前回をお読みでない方は下記のリンクからどうぞ。
■このnoteを書いている人:sho
日本の歴史・文化・自然・世界遺産、国宝、(続)100名城、日本遺産、建築、町並み、旧街道、映画、日本酒、折り畳み自転車などに興味があります。京都/奈良/横浜/鎌倉/江の島などなど…。
■列車でいくか観光バスで行くか、それが問題だ

宇佐八幡宮や国東半島の国宝富貴寺を巡るには、大分交通の定期観光バスである「国東半島史跡巡りバス」があります。国東半島の名所をひととおり回る上に値段も手ごろとあって、当初はこのバスを利用することも考えていました。
しかし、次のような理由から、定期観光バスではなく、鉄道、路線バスそしてタクシーを利用することとしました。
観光バスに他のお客さんが大勢いると富貴寺大堂の写真を撮るのが難しくなるのではないか。
乗ったことのない特急に乗ってみたい。
宇佐駅の英語表記である「USA]を撮影してSNSに掲載し、「USAに来ている」と友人に送り驚かせたい(上の写真参照)。
3番目は全くどうしようもない理由ですが、やはりまだ乗ったことのないJR九州の特急に乗りたいということから鉄道を利用することにしました。
しかし、この日に限っては鉄道を利用したことが後ほどハムレット並みの(?)悲劇になるとは、この時は知る由もありませんでした。
■特急白いソニック

大分駅で白いソニックに乗り宇佐駅を目指します。左に山、右手に時折海を、そして別府の湯煙を眺めながら快調に走ります。
この列車に乗って驚いたのは、前の座席のカバーに切符入れの小さな袋がついていること。降りる前に切符を探して慌てることはなさそうだけれど、一人では切符を座席カバーの袋に入れたままトイレに行けないので、「おひとり様」で旅をしている私は使うことはありませんでした。
■路線バスに乗って宇佐神宮へ

大分駅からおよそ35分で宇佐駅に到着しました。宇佐駅前でバスの時刻表を確認すると、1時間に1本程度しかないバスが間もなく来る上に、私以外にもバスを待っている人がいたので、私もバスに乗ることにしました。

宇佐神宮バス停は国宝の社殿を模した造りになっています。バスを降り帰りのバスの時刻を確認したところ、11時11分発と2時間近く余裕があるため宇佐神宮はゆっくり回ることができそうです。
しかし、あまりにもゆっくりし過ぎたために見落とすことになるものがあることは、この時は知る由もありませんでした。
■参道を通って宇佐神宮境内へ

宇佐神宮は全国におよそ4万社あるといわれる八幡神社の総本山。この付近は畿内や出雲と同じく古くから開けたところで、725年(神亀2年)、この地に社殿を造立し八幡神を祭ったのが宇佐神宮の始まりです。
駐車場から参道を通り左手に蒸気機関車を見ながら進むと大きな鳥居が現れます。この鳥居をくぐり、寄藻川に架かる神橋を渡った先には表参道大鳥居があり、その右側には宝物館があります。


宝物館は帰りに寄ることにして、さらにまっすぐ歩くと右手に御朱印所、左手に手水舎があります。御朱印が欲しい人はここでお願いしましょう。
ここの手水舎の水盤は国産の御影石としてはわが国最大とのことですので、参拝前には必ず手水舎に立ち寄るのをお忘れなく。


■森を抜けて国宝本殿へ

手水舎の前から数段ある階段を上ると右手に春宮神社(上の写真)があり、その先には池があります。

この池は祓所といい、周辺は木々が生い茂り、この付近からだんだんと神域に近づいている雰囲気を感じ始めます。


改修工事中の鳥居をくぐり両側に木々が生い茂った階段を進みます。階段の途中に三角形の石が二つ並んでいます。

この石は「夫婦石」といい、カップルや夫婦は手をつないで左右の石を一緒に踏むことで、独身の方は両足で2つの石を踏むと良縁が訪れるといわれているとのことです。
階段を上り切り宇佐鳥居をくぐった先にある西大門も令和7年の完成を目指して改修工事中です。この門をくぐるとその先に国宝本殿のある上宮となります。

■国宝本殿のある上宮

いよいよ上宮に到着です。まずは中央にある宇佐神宮南中楼門の正面に行ってみましょう。



朱塗りの外観とやや反りのある檜皮葺の屋根が非常に印象的な宇佐神宮南中楼門(勅旨門)が目の前に美しい姿を見せています。この門と回廊の向こう側に国宝の本殿3棟が並んでいます。

国宝本殿は向かって左から一之御殿、二之御殿、三之御殿の三つの御殿が並び、それぞれ八幡大神(応神天皇)、比売大神(ひめおおかみ)、神功皇后の三柱の神々が祭られています。
また、宇佐神宮の参拝方法は一般の「二礼二拍手一礼」ではなく「ニ拝四拍手一拝」を左の一之御殿、中央の二之御殿、右の三之御殿の順に行います。
さらに、「片参り(後述)」にならないように、上宮、下宮ともに参拝するのがよいとされています。
■帰りは下宮に参拝

上宮での参拝を終えて西大門、宇佐鳥居をくぐると先ほども前を通った若宮神社(国指定重要文化財)があります。
ここは応神天皇の若宮である仁徳天皇とその皇子をお祭りしており、厄除けとしてのご利益があるとのことです。この若宮前を左に進み、下宮を目指します。
■下宮を経由して宝物館へ

上宮から200メートルほど下ったところに下宮があります。祭神は上宮と同じですが、上宮は古来国家の神として、下宮は民衆の神として崇敬を集めてきました。
宇佐神宮参拝に当たっては「片参り」とならないように上宮、下宮両方とも参拝するのがよいとされています。やはり時間に余裕を持ってお参りするのがよいですね。

鳥居をくぐって階段を下ると来た時と同じ祓所や春宮神社の前の広場に出ます。手水舎前から菱形池の方に少しそれると、建物の跡があります(上の写真)。
ここは僧侶の道場であり廃仏毀釈で打ち壊された池内(いけのうち)法華三昧堂の跡です。
この三昧堂は、貴族であり学者でもあった大江匡房(おおえのまさふさ)によって建てられたものです。
大江匡房は、源頼朝や足利尊氏の祖先に当たる八幡太郎(源)義家の前九年の役での戦功を評した際「器量は賢き武者なれど、なお軍(いくさ)の道を知らず」と言いました。
これを伝え聞いた義家は、怒り出すどころか匡房公に師事し、兵法を学び、後三年の役で成功を収め、関東における源氏の名声を高めたとのことです。

来るときに入らなかった宝物館に立ち寄ります。
この建物は、昭和60年に建設されたもので、国宝の孔雀文磬(くじゃくもんけい)のほか6件の重要文化財や大分県指定文化財などを収蔵しています。
■宇佐神宮宝物館
・土日祝日の9時から16時 ※諸事情により平日臨時休館
・大人300円、中・高校生200円、小学生100円 ※団体料金あり
■バリアフリーへの配慮
帰り歩きながら気づいたことがあります。
神社の敷地には全体的に砂利が敷いてあるのですが、これが意外に歩きにくく、自然と歩きやすいところを探していましたが、参道の隅の方に砂利がなく茶色の部分がありここを歩いていました。

歩きながらこの茶色の通路のようなところは車いすの人も移動しやすいように作られた通路であることに気づきました。
手水舎を過ぎた先からは階段がありますが、その先も車いす用のスロープがあり、上宮に続く「百段」と呼ばれる階段の近くにはモノレールがあって車いすでも安心して上宮まで行けるようになっています。

■最後に
「2時間もあれば時間を持て余すのではないか」、宇佐神宮に到着したときにはそんな思いに駆られ、休憩も含めてゆっくり見学しましたが、それでも菱形池周辺や呉橋、神橋方面に行く時間はありませんでした。
バスの発車時刻が近づいてバス停目指して歩いていたところ、駐車場近くの看板を見てバス停の近くに重要文化財の仏像がある大楽寺という寺があることに気づきました。
しかし、気づいた時には時すでに遅く、間もなくバスが到着する時刻となりました。
もう少し早く気付くべきだったと後悔しましたが、やむなくバスに乗り次の目的地の豊後高田に向かうこととなりました。
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