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テゲバジャーロ宮崎VSギラヴァンツ北九州を見て

サッカーは、数字だけでは語れない

サッカーの試合結果は、とてもシンプルです。
勝ったか、負けたか。
スコアはいくつだったか。

記録として残るのは、たったそれだけです。

けれど、スタジアムで試合を見た人や、
画面越しに試合を追った人の心の中には、
その数字では説明しきれないものが残ることがあります。

「なぜか分からないけれど、胸が熱くなった」
「気がついたら立ち上がっていた」
「試合が終わったあと、しばらく言葉が出なかった」

そういう試合です。

今回の
テゲバジャーロ宮崎 vs ギラヴァンツ北九州
は、まさにそんな一戦でした。

スコアは 3-2。
数字だけを見れば、接戦の勝利です。

しかし、この試合の本当の価値は、
そのスコアの裏側にあるように感じました。

そこにあったのは、
技術でも、戦術でも、偶然でもない。

                      「執念」

ピッチの上でぶつかり合っていたのは、
ボールだけではなく、
選手たち一人ひとりの意志だったように思います。

だからこそ、この試合をただの勝利として終わらせたくありませんでした。

これは試合のレビューというよりも、
「あの90分に何が起きていたのか」を言葉に残すための記録です。

「苦手」というレッテルの正体

フォロワーの皆さんもふらっと立ち寄ってくださった方も
こんにちは、こんばんは、おはようございます。
しょーと申します。

今回は

「テゲバジャーロ宮崎vsギラヴァンツ北九州を見て」

と題しまして、文字通り先日行われた、
テゲバジャーロ宮崎(以下テゲバ)と
ギラヴァンツ北九州(以下北九州)の試合についてお話出来ればなと思います。

まず最初にこれは個人的な意見ですが、
北九州は、テゲバにとって「苦手な相手」と感じていました。

これはデータとしても、感覚としても、
僕同様に多くのテゲバサポの方が感じていることではないでしょうか。

最後に勝ったのは2023年。

昨季のテゲバホーム史上最多の収容人数を記録した
クロスタ初開催ではいい所がなく1-3の敗戦。

アウェイではアディショナルタイムに追いつかれた試合もありました。

そうした試合が重なると、
人は自然と一つの言葉を使うようになります。

                            「苦手」

友達のテゲバサポとも北九州とは相性悪いよねという話で試合前盛り上がっていました。

そんな話をしながら、僕はふと思ったのです。

苦手とは、一体何なのだろう。

サッカーにおいて「苦手」という言葉は、
必ずしも相手が圧倒的に強いことを意味するわけではありません。

むしろ多くの場合、

「自分たちのやりたいことを、相手にやらせてもらえなかった歴史」

それを僕たちは「苦手」と呼んでいるのかもしれません。

現在、特別大会においてテゲバは4連勝中。
北九州は4連敗中。

成績だけ見れば、流れはこちらにあります。

それでも僕の心の中には、
期待よりも先に「嫌な予感」がありました。

過去の記憶というのは、
それほどまでに人の思考を支配するものなのだと、
試合前の時間に改めて感じていました。

「ハイプレス」という名の試練

試合が始まってすぐ、その嫌な予感は現実になります。

北九州の戦い方は明確でした。

強烈なハイプレス。

北九州のFWの選手を中心にCBとGKに対して、前線から一気に圧力をかける。
パスをつないでビルドアップを始めた瞬間を狙い、奪いにくる。

結果として、テゲバの強みである

「後ろから丁寧につなぐサッカー」

は、完全に封じられてしまいました。

ボールを保持しようとしても、すぐにプレッシャーがかかる。

安全に回そうとすれば、さらにプレスが強くなる。

やむなくロングボールを蹴る展開。

これは北九州の設計通りだったと思います。

さらに北九州は、
そのセカンドボール回収も徹底していました。

ロングボールを蹴らせ、セカンドボールを回収する。

また、もう1つのテゲバの強みである前線から中盤にかけての守備強度を
出させないためにロングボール主体ですぐに前線へ展開する

非常に一貫した戦術です。

ここで僕が感じたのは、少し大袈裟に感じるかもしれませんが
サッカー以上に「人生」に似たものです。

誰にでも、
自分の強みを発揮させてくれない状況は訪れます。

仕事でも、人間関係でも、人生でも。

「あなたの得意な形では勝負させない」

そういう圧力をかけてくるものは、必ずどこかで現れます。

そのとき、どうするのか。

この試合は、
その問いをテゲバに突きつけているようでした。

先制点が教えてくれること

前半6分。北九州が先制します。

コーナーキックからのヘディング。

一度はGKの茂木が素晴らしい反応で弾きました。

正直、あれは完璧なセーブに近いものだったと思います。

弾く方向も、反応速度も申し分ありませんでした。
あと数cmだけ前に弾けていたなら結果も変わっていたでしょう。

こぼれ球に対して奥村も必死にクリアしようと試みます。

しかし――
そこに飛び込んできたのが坪郷選手。

ほんの数センチ。ほんの一瞬。

その瞬間にボールに詰めて
隙間に体をねじ込み、ボールを押し込みました。

下部組織出身の選手があれだけ気持ちを見せたゴール。
北九州サポーターからしたら、なにか熱いものを感じずにはいられなかったと思います。

奥村も必死にクリアしようとしましたが、最後に勝ったのは、

「絶対に入れる」という執念だったように見えました。

サッカーはよく、技術、フィジカル、戦術で語られます。

もちろん、それらは重要です。

しかし、この瞬間を見て思いました。

最後の数センチ、勝負の行方を左右するのは、執念なのかもしれない。と

土信田、「意図」が生んだゴール

苦しい流れの中でも、
テゲバは少しずつ突破口を見つけ始めます。

それは単なるカウンターではありませんでした。

そこには「明確な意図」がありました。

前線へ送るボールの先に、ここに走り込んでこいよという明確なメッセージ。

それを受け取った土信田の斜めのランニング。

相手DFと入れ替わる動き。

そのままクロスを上げてそれに反応した武が足裏で落とし最後は阿野のフィニッシュ。

ゴールにはなりませんでしたが、この一連のプレーには

チームとしての共通言語があったように思います。

この攻撃を機に徐々に相手陣地へと押し込む機会が増えてきました。

そして生まれた同点ゴール。

武がおさめ、冷静に下川に落とします。
そのボールをダイレクトでクロス。
そのボールを土信田がヘディング

ボールは弧を描き、
ゆっくりとネットに吸い込まれました。

強烈なシュートではありません。

むしろ、「なんでそれが入る?!」と思うような、そんなゴールでした。

こうした、数少ないチャンスを泥臭いながらに決めきれる所が
今までテゲバに足りなかったところでもあり、今季最大の伸び代だと個人的には思っています。

松本の走り込みが意味するもの

逆転ゴールを決めたのは松本。

あのゴール良かったよねと口で言うのは簡単です。

しかし僕が強く感じたのは、ゴールそのものではありません。

      「なぜ、あそこに松本がいたのか」

です。

松本はSBです。

攻撃参加をすると言ってもDFの選手です。

それでもゴール前まで全力で走り込んでいました。

僕自身、SBを経験したことがありますが
ゴール前への走り込みは、本当にきつい。

報われるか分からない、体力を消耗する
何も起きないことも多い

なんなら、相手にボールを取られた瞬間に
すぐに自陣に向けて全力で戻らないといけない時だってあります。

むしろ、報われることの方が少ないのです。
1回ぐらいサボっても…と思考が回っても不思議ではありません。

それでも走る。

その積み重ねが、このゴールを生みました。

このゴールが偶然でないことはサポーターの方は分かっているでしょう。
松本はこれまでも幾度となくああいった場面でゴール前にいました。

POの鹿児島戦の時も、逆サイドのクロスに飛び込んできた松本の姿を思い出すサポーターも
少なくないと思います。

松本、本人のゴール数自体はそんなに多くありません。

ただ、「自分が逸らしても松本がいる」

この事実だけでFWの選手は来たボールに対して思いっきり飛び込めることが出来るのだと思います。

結果として、ゴールが決まっているというシーンはこれまでも沢山あると思います。
(ここでは松本を褒めていますが勿論下川も同様です)

この松本のランニングのような行為はサッカーだけではありません。

誰にも見えない努力は、すぐには結果になりません。

しかし、
結果が生まれる瞬間には必ず存在しています。

土信田、3点目の芸術

3点目は、いい意味で言葉を失うゴールでした。

奥村のクロス。武のヘディング。土信田のダイレクト。

言葉にすると簡単ですが

これは正しく、連携の芸術でした。

一人の天才が決めるゴールよりも、

三人の選手が互いの判断を信じて、一手ずつつないだゴール。

その美しさは、なぜか強く心に残ります。

それはきっと、関係性の美しさがそこにあるからだと思います。

お前ならやれるだろ?というメッセージや
ここに来てくれるだろ?というメッセージを受け取り、
その期待にボールを貰った選手が応える。

本当に胸が熱くなるシーンでした。

奥村の「フリーマン」が示す成熟

後半、井上投入後。

奥村のポジションは左ウイングからトップ下になりました。

そこから奥村は、フリーマンとしてプレーし始めます。

フリーマンとは、
自由に動きながら攻撃を組み立てる役割。

これは実はとても難しいです。

なぜなら
自分で状況を読む、自分で判断する、自分で動くという能力が必要だからです。

ただ、奥村が中央にいるだけで攻撃のタクトは無限に振られていきます。

基本通りサイドに広げる時もあれば、
サイドに広げると思って相手がスライドしたと見るやいなや
スルーパスをガンガン通していきます。

そして、何より奪われないのが奥村の魅力の1つです。
決して無理をせず、ただ、一瞬の隙を見つけてはその隙をどんどんとついていく。

それを成立させていたのは、奥村の判断力だけではなく、
チームメイトの理解でした。

これから更に、この連携が成熟すると思うと楽しみで仕方ありません。

武、「縁の下の力持ち」という美学

この試合で、個人的にMVPだと思ったのは武でした。

彼は得点はしていません。

しかし、同点ゴールの起点、3点目のアシストがありました。

また、本職ではないトップ下というポジションで
自分がどう動けばチームが勝利に近付くかというのを徹底して考えていたように思います。

その証拠にストライカーである武であれば
自らが打てそうな場面でも
より、得点に近い選択肢を選んでいるように見えました。

「勝利」というものに対してここまで
徹することが出来る武は本当の意味でプロフェッショナルだなと感じました。

世の中には目立つ仕事、目立たない仕事があります。

しかし現実には、目立たない仕事がなければ目立つ仕事は生まれません。

武のプレーは、それを体現していました。

武自身は得点を取るという花形の仕事が出来るのにも関わらず
チームの最善手を常に選択していく。
その姿に感動せずにはいられませんでした。

課題という名の伸びしろ

勝利した試合でも、みなさんも感じている通り課題はありました。

セットプレーからの失点、ハイプレスへの対応。

手詰まりの時のただ、クロスを上げてしまうという現状。

しかし大切なのは、
勝って反省できていることです。

それは理想の姿をチームが共有している証拠でもあります。

実際、テゲバ公式にあがっていたYouTubeでは、
勝利の喜びよりも課題を口にする選手が多かったです。

勝利して浮かれるのではなく、矢印を自分に向けて次を見据えていました。

             「勝って兜の緒を締めよ」

これが体現できるチームはまだまだ強くなります。

自分達のストロングポイントが消された時にどう立ち回るか。
今回喫してしまった失点を次からどのようにして防ぐのか。

この小さな積み重ねのひとつひとつが、
テゲバを次のステージへ押し進めるためのヒントとなります。

新しい武器

今季、とりわけこの試合で感じた最大の成長。

それは、先述しましたが

「少ないチャンスで点が取れるチームになった」

ことです。

ワンチャンスを物にすることが出来るチームと言い換えることも出来ます。

これは偶然ではありません。

信頼、役割、執念。

この3つがそろったとき、
チームは少ないチャンスでも結果を出せるようになります。

おわりに ― 「執念」は、誰かに伝わる

この試合を振り返ったとき、僕の頭に強く残っているのは、
戦術でも、フォーメーションでも、得点者でもありませんでした。

それよりもはるかにシンプルなものです。

                          「執念」

北九州の先制点。
テゲバの同点ゴール。
松本の逆転ゴール。
土信田の3点目。
そして、武の献身性。

そのすべての瞬間に共通していたのは、
技術以上に強い「意志」と「執念」でした。

ボールに体を投げ出す執念。
あと一歩を走り抜く執念。
ゴール前に入り続ける執念。
そして「絶対に勝つ」という執念。

サッカーというスポーツは、とても繊細な競技です。

ほんの数センチ、ほんの一歩、ほんの一瞬。

その小さな差が、試合の結果を決めてしまうことがある。

そしてその数センチを動かすのは、
最後はやはり人間の意志なのだと思います。

しかし、もう一つ感じたことがあります。

それは、執念は決して一人では生まれないということです。

ピッチの上で走る選手たちは、
自分のためだけに走っているわけではありません。

チームメイトのため、クラブのため。
そして何よりもスタジアムに来てくれた人や
画面の向こうで応援しているサポーターのため。

そうした思いが重なったとき、
人は普段よりも、もう一歩だけ前に進めるんだと思います。

それが「執念」という形になり結果として実るのかもしれません。

サッカーは、当たり前ですが人生そのものではありません。

しかし、時々とてもよく似ていると感じる瞬間があります。

思い通りにいかない時間。
流れが悪い状況。
自分の強みが通用しない相手。

そういう瞬間は、ピッチの外でも何度も訪れます。

この試合でテゲバが見せてくれたのは、
そういう時間をどう乗り越えるのか、という姿でした。

流れが悪くても、前半が苦しくても、相手のペースでも。

それでも、自分たちのサッカーを信じ続けること。

それでも、ゴール前に走り続けること。

それでも、最後まで諦めないこと。

それが積み重なったとき、試合はひっくり返る。

この90分は、そのことを教えてくれました。

今、テゲバジャーロ宮崎は5連勝中です。

数字だけ見れば、それは確かに素晴らしい結果です。

でも僕が本当に感じているのは、連勝そのものではありません。

チームが少しずつ、

    「どんな状況でも諦めないチーム」

になってきていること。

そして、
勝っても満足せず、次を見ているチームになってきていることです。

勝つことは大切です。

でも、それ以上に大切なのは、
どうやって勝つかなのかもしれません。

この試合には、
その「答え」が詰まっていました。

だから僕は、
この試合をただの勝利として終わらせたくありませんでした。

この90分の中には、

選手たちの執念があり、チームの成長があり、
そしてこのクラブがこれから進んでいく未来のヒントがありました。

それを言葉にして残しておきたかった。

いつかこの試合を振り返ったとき、
「あの試合が一つの転機だった」と思える日が来るかもしれない。

そんな予感すら、少ししています。

サッカーのシーズンは長いです。

良い日もあれば、悔しい日もあります。

でも、どんな結果になったとしても、
僕はこれからもこのチームを追い続けたいと思います。

なぜならこのチームは、
勝敗以上に大切なものをピッチの上で見せてくれるからです。

それは、

「執念」という名のサッカー。

その姿を、
僕はこれからも言葉にしていきたいと思います。

次の試合も、全力で応援します。

頑張れ、テゲバジャーロ宮崎。

この記事を読んでくれた全ての方に
テゲバの魅力が少しでも伝わったことを祈りながら
この記事を終わりにしようと思います。

それでは皆さん

            𓂃 𓈒𓏸𝑰 𝒉𝒐𝒑𝒆 𝒕𝒐 𝒔𝒆𝒆 𝒚𝒐𝒖 𝒂𝒈𝒂𝒊𝒏𓂃 𓈒𓏸

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