なぜ薩摩切子の黒切子は人気なのか?
薩摩切子の黒切子が人気で高価な理由
〜「黒」の美しさに潜む技術の極み〜
切子といえば、赤や青など鮮やかな色ガラスに繊細なカットが施されたものを思い浮かべる方も多いでしょう。
その中でも「黒切子」は、圧倒的な存在感と重厚感を放つ特別な逸品として知られています。なぜ黒切子は他の色に比べて高価なのか?

そこには、見た目ではわからない職人の苦労と技術の極みが詰まっています。
色が濃く、透けないという難しさ
黒切子の最大の特徴は、「色が濃くて透けない」こと。これは美しさの要でもありますが、同時に作り手、職人にとっては非常に大きなハードルです。
切子の制作では、色ガラスの層を削って透明なガラスを露出させながら模様を作っていきます。
しかし、黒ガラスは色が濃いため、刃物が当たる部分がほとんど見えません。
つまり「どこを削っているか」が感覚に頼るしかないのです。
深さや繋がりが見えづらい
黒いガラスでは、カットの「深い・浅い」の判断も難しく、均一な削りを保つには高い集中力が必要です。
さらに、デザインの繋がりを保つ作業も困難を極めます。
色がやや薄めの黒であれば多少は制作が楽になりますが、色ガラスが厚くてしっかりとした黒であれば、デザインによって、普通のロックグラスの2〜3倍の制作時間、日数がかかることも珍しくありません。
デザインが単調であれば、それほどではございませんが、複合柄の組み合わせや紋様の場合は、このような形になります。
形の形状にも大きく左右されます。
しかし、削る所が見えない事が大きな要因です。
熟練の技術が求められるうえ、目も疲れる
これらの理由から、黒切子の制作には「熟練の技術」と「経験に裏打ちされた勘」が必要です。誰にでも作れるものではない、まさに職人の世界。

しかも、色の濃さによる視認性の低さは、長時間の作業による目の疲れにもつながります。そのため、黒切子の制作は肉体的・精神的にも負荷の高い仕事なのです。
その結果、黒切子は単なる色の違い以上に、制作難度の高さと完成度の高さが反映された“高価な逸品”となるのです。
そして、重厚感あるれる品格を持たせるのです。
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