ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢(東京都美術館)
日本で毎年のように開催される「ゴッホ展」。もういい加減タネ切れだろうと思ったらそう来たか。
ざっくりいえば「ゴッホ美術館所蔵品展」ということみたい。ゴッホ作品だけでなくゴッホ兄弟が生前集め、現在はゴッホ美術館にあるコレクションも持ってきて展示してる。ゴッホオリジナル持ってくると高いからこれでお茶を濁そうという作戦かな。ってか、半分くらいはゴッホジャナイホウじゃねーかよ笑。
でもゴッホ兄弟のおメガネにかなった作品、さすがにどれもいいセンスしてる。
ゴッホの家族といっても、弟のテオはそりゃ超有名だけどその他はそんなに知られてないよね。夭折した兄の後を追うように亡くなってしまったテオの奥さんのヨーが、残されたゴッホ作品とコレクションを受け継ぎ、やがてテオとヨーの子供がゴッホ美術館設立までこぎつけたという流れらしい。
テオ(とゴッホも)は画商に務めていたということだから、その流れで目にとまった作品の買い付けをしていたのだろう。そんな自分らの好みだけで選べてたのかね?
中にはゴッホの作品と交換で手に入れたものもあったようだ。でもご承知のように生前のゴッホはまったく評価されなかった。半分義理で交換してたんじゃないか?
今回の企画展に持ち込まれた中に、一時行動を共にしていたゴーギャンの作品もあった。キャプションによれば、「(たぶんゴッホの死後)ゴッホと一緒に住んでいた家に残してきた私のゴッホ作品が3枚あるから、送ってくんねかな?」とゴーギャンがヨーに依頼し、送ってもらったお礼としてゴーギャンがお返しにした自分の作品とのことだ。単に盟友の思い出として持っていたかったのか、その頃はゴッホ作品も値上がりして一儲けしようと思ったのか?(それはないかw)
私が見たことないゴーギャン作品だった。興味深いものではあるが正直もうひとつかな。家の屋根から木がにょっきり生えてるような意味不明な作品に私の目には映った。何が言いたいんだかわからん。在庫一掃セール?

けっきょく最初のフロアにゴッホ作品は1枚だけ。でもそれはエポックメイキングな作品だった。
《種まく人》 1888年 11月
日本の浮世絵の影響を強く受けている!(日本スゴイ!)みたいな評価を受ける比較的過去の「ゴッホ展」でよく見た作品。
日本びいきもあるけど、その前にミレーのパクリだよね。その割にはミレーみたいなダイナミックな構図の工夫も精神性もあまり感じられない…と当時の人は思ったろう。
真ん中あたりにドーンと太い木の幹を置くのはジャマ! 種まく人のデッサンうまくない! 人の後ろの夕日(満月?)デカすぎ! お空の色が緑ってヘン! 紫の畑もキモい!(ライラック畑?)
こんなツッコミにまみれたんじゃなかろうか。
でも、それがそれまでの西洋絵画の伝統(お約束)を破る斬新な部分だった。
《小屋》1885年 5月
ほぼモノクロっぽく見える茅葺きの大きな小屋。って、意味がバグってるが比較的大判の絵の画面いっぱいにドーンと描いてあるのだ。あの「ジャガイモを食べる人々」がジャガイモ食べてる家らしい。
ゴッホの描く建物って、あの「黄色い家」しかり、なんか不気味。なんかいるよ。「黄色い家」のゴーギャンが去った後の椅子やベッドとかも怨霊が漂っているようだったし。
その後もけっきょくゴッホ作品は全体の半分以下じゃなかったか。でもおもしろいコレクションなのは間違いない。
意外なことにロートレックの作品なんてあった。ゴッホと知り合いだったらしい。そっか、同時代の人だったんだ。
最後の方にドニやヴラマンクもあり、こんな人たちも知り合い!?と思ったら、このへんはゴッホ美術館が後に独自で購入したものみたい。

途中の部屋にイマーシブコーナーなんてのがあった。大画面にゴッホの絵が映し出されてアニメ効果が加えられる。ゴッホ絵画の中に自分が取り込まれる感覚に浸れるから「イマーシブ」ってことなんだろう。前にこういうの行ったことあるけど、あんまりおもしろいと思わないんだよね〜。自分の脳内イマーシブの方がラリれるよ。






歴代の「ゴッホ展」では2年前のこれが写真も撮れて面白かったな
そして来週は神戸に「夜のカフェテラス」を東京上陸前に見てくる⭐️
