Devin(Cognition AI)の創業者に会ってきた話―これってもしかしてサードドア...?
人生、ビジネス、成功。どれもナイトクラブみたいなものだ。つねに3つの入り口が用意されている。
・ファーストドア:正面入り口だ。長い行列が弧を描いて続き、入れるかどうか気をもみながら、99%の人がそこに並ぶ。
・セカンドドア:VIP専用入り口だ。億万長者、セレブ、名家に生まれた人だけが利用できる。
それから、いつだってそこにあるのに、誰も教えてくれないドアがある。
サードドアだ。
行列から飛び出し、裏道を駆け抜け、何百回もノックして窓を乗り越え、キッチンをこっそり通り抜けたその先に─―必ずある。
先日Devinの開発元Cognition AIとwevnalがイベントを開催したので参加してきました。
Devinはたった30人程度で、できて1年半ほどですが、すでに数百億円規模で資金調達をしており、時価総額も6000億円と、エグい伸び方をしています。
Devinは、自律的にソフトウェアを開発してくれるAIエージェントで、日本でもスタートアップを始め、IT企業で利用しているケースが増えてきているように感じます。Devinのウェブサイトもしくは、Slackで@Devinとメンションをつけてタスク(ソフトウェア開発関連)を投げると勝手に片付けてくれます。
一方、wevnalはBOTCHANというチャットボットを提供している東京のスタートアップです。代表の磯山さんが2023年にベトナムに視察に来た際に、ランチをする機会があり知り合いました。先日、彼がFacebookでDevinとイベントするよ、と告知していたので、「これは行ってみたい!」と思って速攻で申し込みました。

イベントの様子
イベントはこんな感じの内容でした。
Cognition AI CEOのScott Wuさんから最新のAIエージェント開発についての講演
日本マイクロソフトの小杉さんによる生成AIの未来についての展望
DevinAI(Scott Wu氏、Russell氏)とwevnal(鈴木CTO他)によるAIエージェント開発の実践セッション
その中でもDevin周りにフォーカスして面白かった話をかいつまんでいきます。
ソフトウェア開発の歴史
最初はパンチカードみたいなやつから、アセンブラ、Cobol、そしてJavaのような高級言語になってきた。
プログラミング言語や、ソフトウェア開発の手法が進化していくにつれて、できることが増えたが、開発者の数も爆増。今後、AIを使った開発手法がメインになっていくが、開発者の数はもっと増えていくだろう。もちろん開発者の役割も変わる。
>>> ちなみにScottの祖母はプログラマーだったらしいです。その系譜が受け継がれているのが伺えますね。
AIを使ったソフトウェア開発の変遷
AI(LLM)を活用した開発は、当初はText completion(タブで補完することで、開発が20~30%程度効率化できた)だった。
最近は、Task completion(そもそもAIがタスクそのものを実行できるようになった)まで進化している。
AIの成長はある程度予測できる
AIが実行できるタスクの長さ(時間)が7ヶ月ごとに2倍になっている。論文はこちら。これに従っていけば、約半年後にできることが2倍になっている、とも考えられる。

>>> OpenAIのSam Altman氏も言うように、今の技術ではなく、やってくる技術に備えてプロダクトを作るべき、というのを感じますね。モデルが進化してからでは遅い、と。
Devinの創業秘話
共同創業者はScottと同様に競技プログラミングの猛者で、学生時代から交流があった。
2023年11月(なんとたった1年半前!)にハッカソンのような感じで友達と開発を始めた。初めは、Airbnbで1ヶ月宿を10人ほどで借りてひたすら開発、というのを10ヶ月転々としながら継続。
Devinの最初のタスクは、「MongoDBのセットアップ」だった。リリースする時に、本番環境のデータベースのセットアップがなかなかうまくいかなくて、Devinにやらしたらうまく行った。
>>> 競技プログラミングのメダリストたちが揃ってもできなかったのを、Devinが解決したのがめちゃくちゃ興味深いです。
DevinをDevinが開発している
Cognition AIではもちろんDevinをフル活用しており、大量のDevinを同時に動かして、Devinの開発をしているので、少数でも高速で実装できている。
6000億円の時価総額で数百億円調達しているが、社員は30人程度。いかにAIをフル活用してプロダクトを作っているのかがわかる。
Devin vs Cursor?
CursorやWindsurfのようなエディタ系のプロダクトと競合するのか、という質問に対しては、そこは補完し合う関係だ、という話。実際に、Devinの開発者でCursorを使っている人はいて、両方使うのが1番良い、とのこと。
>>> 実際、用途が若干違うので、自分の感覚とも同じでした。Devinだと切り出しやすいタスクを自律的に、非同期で処理してくれるので、まるで人間のように処理してくれます。一方で、Cursorのようなツールは自分がもっと難しい課題を解決する時に助けてくれる相棒みたいな感じですね。
DevinがC++でパフォーマンス改善
DevinはPythonで書かれているが、処理が重くてボトルネックになっている箇所があった。試しに、それをDevinにC++で書き直させてみたところ、それが思いの外うまく行った。なんと、チームにC++に精通している人がいないので、Devinがそのシステムのメンテナンスをしている。
>>> Devinがある種コンパイラのように機能し始めてるんだ、と興奮しながら語っていたのが印象的でした。
Devinにご飯とかちょっとした買い物をしてもらう
DevinではDevinにクレカ情報を渡しておいて、ご飯の買い出しとかをオンラインでやってもらっている。もちろんクレカの上限金額はセットしている。普通にSlackから指示できるからめちゃ便利。
ネットワーキングセッション
今振り返ってみると、ここでの自分の動きのおかげで、今回サードドアっぽいものが見えてきました。
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