甲骨文字を味わう
甲骨文字素人が,甲骨文字の魅力について語っていこうと思う.
まず,甲骨文字とは何か?
甲骨文字とは,紀元前1200年ごろの中国・殷王朝で使われた,文字の形が意味を表す象形文字である.「甲」は亀の甲羅,「骨」は牛の骨を指し,そこに刻んだために「甲骨文字」と呼ばれた.
今日みていく甲骨文字は二つ.「人」の由来になったものと「化」の由来になったもの.
一つ目.「人」

人が腰をかがめて手を体の前に垂らした様子である.
この字の魅力は,当時の人のあり方が示されているところである.人が大自然やそこに宿っている神に畏敬の念を示しているところが,その姿勢に表れている.大自然の偉大さに比べると,人間はちっぽけなもの.その中でも人間が生かされている.そう思うと大自然に宿る神に感謝せずにはいられなくなる.そんなことが表される.
二つ目.「化」

先ほどの「人」が2人,上下さかさまになって並んでいる.この先は学者によって解釈が異なってくるのだが,以下は私の解釈である.
左の「人」は生きており,右の「人」は死んでいる.
両者は同じ時間において,同じ空間を共有するすることはない.そのことが上下さかさまになっているところに表される.
ただし,両者は異なる時間において,同じ空間を共有し得る.そのことが同じ平面上に書かれているところに表される.
つまり,ある空間に存在するもの・起こる現象は,時間によって変化していくのだ.永遠に残り続けるものなどない.諸行無常.
もっと言うと,2人の「人」の配置をみると,左の「人」が少し上に,右の「人」が少し下に配置されている.元々同じ高さで並んでいたであろうものが,それぞれ動いている「途中」が示されているのではないか.そのままこれが動いていけば,死んでいる「人」は生き,生きている「人」は死ぬ.やがて,その生きた者は死に,死んだ者は生きる.輪廻転生である.
これらの甲骨文字が,中国・日本で使われている漢字の由来になっている.
このように,昔の文字を読むことは,その書かれた時代の歴史的事実を知るだけでなく,その時代の人の精神世界,人のあり方を理解することにつながる.当時の人の世界観を知ろうとして昔の文字を読むときの解釈は自由で良いと思うのだ.昔の文字を解釈することは,我々の先祖との対話なのだ.
