『何様』(朝井リョウ)
【Facebook】2025年5月1日

就活、そしてビジネスシーンで求められるのは、要点を簡潔に伝えること。
かつて、ITジャーナリスト達が礼賛したTwitter(現在のX)をはじめとするSNSの流儀。それは短文重視で、長文は忌避されてきた。
著者の史上最年少直木賞受賞作『何者』でのサワ先輩の言葉が、朝井リョウの文学の基本スタンスなのではないだろうか(私はまだ『桐島、部活やめるってよ』も『生殖記』も読んでいないが)。
私がいう文学のスタンスとは、お金儲けの役に立たない文学部不要論者に対する「人間宣言」ということになるね。
「だから選ばれなかった言葉のほうが、よっぽどその人のことを表しているんだと思う」
「たった一四〇文字が重なっただけで、ギンジとあいつを束ねて片づけようとするなよ」
「ほんの少しの言葉の向こうにいる人間そのものを、想像してあげろよ、もっと。
この『何様』は、『何者』の登場人物たちの豊饒なストーリーの一部が明らかになる仕組みで、今まで感じたことのなかった読後の満足感。
こういうのってさ、「ナラティブの快感」っていうんだよ。
今、思いついた造語だけど。
